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まずいかもね

「えっ!?」


咄嗟に【デタラメの槍(グングニル)】を解除し、ユイから離れるシノ。

だったが、それを見たユイが不敵な笑みを浮かべる。


「……ばーか。権能の使い方どころかどんなのかも知らねえんだよ俺は」

「なっ!?」


それを聞いて咄嗟に離れたことが恥ずかしくなったのか、顔を赤らめるシノ。


「…ま、これで時間は稼いだろ、任せたぜ?カルテット」


「え?」


そう、先程の台詞(セリフ)はユイの真っ赤な嘘(ブラフ)、つまり単なる時間稼ぎである。

その間に【デタラメの槍(グングニル)】を撒いたカルテットが、こちらに戻ってきていた。


「えっ!?いくら何でも早すぎ……」


とてつもない速さでこちらに来ていたカルテットが、そのまま足を伸ばしてシノの腹部に蹴りを入れる。


「ッ……!!」


蹴りで飛ばされたシノ。

それとは反対にカルテットが静止した。


「ナイス!ユイ!」


「そっちこそ……っていうかあれ痛そう…」


「まあそりゃ痛くしないと意味ないし」


「ほんとにお前天使かよ」

「堕天してますから」


「……ブラックジョークやめて」


と、和やかに談笑している2人から、随分と離れた位置に飛ばされたシノ。


「…堕天使のくせに……!!」


「だから言ったじゃん。気をつけろって」


突然の声に後ろを振り向くシノ。

後ろに立っていたのは青い短髪の男―――。


「シャルル……思ってるより強いんだけど。権能使えないんじゃないの」


シノと契約している天使だった。


「そりゃお前、相手はカルテット。かなり上位だった天使だって言っただろ」


「…………ッ」


はるか先にいるカルテットを睨むシノ。

それに気づいた彼女がこちらを見る。


「わーお……これはまずいかもね…」


「ん?どうしたんだ?」


カルテットに言われたユイが聞き返す。


「向こう…さっき蹴り飛ばした女の子の契約天使……シャルルが合流した」


「……ん?でも天使は権能使えないんじゃないのか?」


「そうだけど、普通に考えて人数有利が無くなった。しかもユイはあんまり……というか喧嘩すらした事ないでしょ。さっきのを見るに」


「……悪かったな」


「あはは!別に悪いって言ってないよ。ま……、つまりさっきよりやばいってことだね」


そういったカルテットが冷や汗を流しながら向こうを見る。

四人が見合って、緊迫した空気が流れる。


そんな空気を壊すようにユイが言った。


「なあ、なんで今俺ら戦ってんの?」

「「はあ!?」」

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