表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/8

おかげさまで

「え?えええええ!?!?」


ユイが落下しながら言う。

先程まで飛んでいたカルテット達は上空約40メートル。実に15階建てのマンションと同じレベルだった。


「しぬしぬしぬしぬ!!!」

「ユイ!!共有権能(ウィング)!背中に力入れてみて!!!」


もう随分と離れたカルテットの声を聞いたユイが言われた通り、力を入れる。


「ぬぬぬぬ!!こうか!?」


その瞬間、全長3メートル……片翼で1.5メートルの大きさはある、天使から見てもかなり大きな翼が現れた。

その大きな翼を強く羽ばたかせると、たった1度でカルテットのはるか上空まで行ってしまった。


「うおおおおお!?!?」


そう言いながら横をとてつもない速さで通過するユイに呆気にとられているカルテットに、ユイが大声で言う。


「後ろ!!!」


ハッとしたカルテットが後ろを振り向くと、目と鼻の先にはすでに【デタラメの槍(グングニル)】が迫ってきていた。

―――――が、カルテットは余裕の表情で笑う。


「誰も抱えていない状態なら……この程度撒ける!」


そう言うと1度強くためてから、翼を大きく振りかぶる。

ユイが瞬きをした瞬間には既にもう随分と離れた位置にいた。


「はっや……」


と言ったユイのすぐ後ろから、聞き馴染みのある、先程自分を刺したあの声が聞こえてくる。


「ん、先輩。随分と寒そう」


シノだった。


「……おかげさまでな」


ユイの着ていた服の腹部を見事に穴が貫通している。

先程刺されたからだ。……が、身体の傷はもう治っていた。


「……傷、治り早い?」


「ん?ああ、そーかもな……で、なんだお前、契約者ってやつか」


「うん。先輩が堕天使と契約するから……こんなことになるんだよ」


そう言ったシノが指を鳴らすと、一瞬にしてユイの目の前に槍が現れる。


「おー……こりゃかっけえな」


「……遺言はそれでいいの?」

「え?俺死ぬの?」


「…………え?」


今の状況を理解していないユイが放ったまさかの返答でシノまでもが驚く。


「いや先輩死ぬんだよ?え?なんで死なないと思ってた……?」


「……これガチのやつかよ?やば……。天使とかドッキリかなんかだと……」

「手のかかりすぎでしょドッキリなら」


「……確かに」


年下に論破されたユイ。

愚かすぎる。


「……ま、それはそうとして…。さっきの堕天使も撒けるとは言ったけど、そんなすぐ帰って来れないだろうし、先輩は権能を使えない。どう考えても詰みだけど」


「…………権能行使(エプティション)!!」


権能を使えないと思い込んでいたシノはユイが放った一言が予想外だった。


「えっ!?」




カルテットがいきなり高速で飛べるようになったのは、人間を抱えてないからです。

一般的に人間より天使が頑丈なので、人間が、それも怪我を負った人間が耐えれるギリギリの速さで飛んでいました。

それはカルテットからすれば歩くようなものだったのでしょう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ