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今の状況は?

権能行使(エプティション)、【デタラメの槍(グングニル)】」


そう言ったシノの周りに、燃え盛るような炎が立ち上ったかと思えば……その炎が槍へと形を変える。


「……見えた」


そう言ったシノは豆粒ほどに小さくなっているカルテット達に向かって指さす。

そして―――シノが指さした方向へと、勢いよく槍が射出された。



翼が風を叩く。

風が頬を撫でる。

頬が涙で濡れる。

そんな中、寒さなど感じる暇のない程、焦る顔でカルテットは空を飛ぶ。


「ごめん、ごめんごめん!!いきなり巻き込んで!!!」


追従してくる【デタラメの槍(グングニル)】をどうにかしようと考える。


(……この槍、恐らく天使シャルルの権能。つまりオートで追従する能力が備わっているだろう。

人間の権能は天使が使う時よりも弱体化されると言うが……。それでもユイを抱えた(この)ままじゃあ追いつかれる。

私の権能が使えればどうにかなったんだけど……)


頭をフル回転させるカルテット。天界では上位に入るレベルの戦闘能力を持っていた彼女。

そんなカルテットですらどうすればいいか分からない状況で、唯一の希望であるユイの目が覚めた。


「……う…。いっ……た…」


「ユイ!目が覚めたの!?」


「…あ、ああ。ばっちりな。ていうか、今の状況は?」


「天使の権能で死にかけてるユイを運んでたら後ろからその権能が飛んできてる状況」

「いや絶望的!!!」


と、かなり元気があるように見えたユイを心配してカルテットが尋ねる。


「ま、まあまだその槍が飛んでくるまで時間はあるし、なんなら今も逃げてる途中だから計画は立てれるよ。

と言うかユイ、お腹の傷は?」


「腹…?あ、そういえば刺されたような…って、塞がってる」

「塞がってる!?」


先程まで腹部から大量出血していたハズの傷が、既に治癒している所をみたカルテットに、1つの考えが浮かんだ。


(……まさか堕天権能(・・・・)も契約で使えるようになるの?

…そうなるとするならユイまで研究対象になる…。ますます捕まるわけには行かなくなってきたね……)


「……ット!カルテット!!!」

「うわあ何!?……あ」


考えることに集中しすぎていたカルテットに呼びかけるユイ。

そんな彼の声に驚いたカルテットが抱えていた手を離してしまった。


「え?えええええ!?!?」

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