垂間泳人のスキルは【改竄される情報:ユナイテッドプール】
ギルド専属サポート専門の垂間泳人。スキル【改竄される情報:ユナイテッドプール】が初めて日の目を見る場面。
「空中を自在に動けるのか、厄介だな。」
「いいや、違うよ。」
攻略対象である廃城最奥の広間に待ち構える【大猿妖怪:狒々】は、討伐隊の先陣を睨みつけ距離をとる。
先陣を切るのはギルド専属サポート専門家
垂間泳人:スキル【改竄される情報:ユナイテッドプール】
①スキル発動時に有効範囲(一般的な25mプールと同じ大きさ)を自分中心に出現させる。
②範囲内を泳ぐ事が出来るが息は出来ない。本人以外その影響を受けない。
「動くんじゃなくて泳ぐかな。それに、まぁまぁ不自由なんだよね。」
「ふんっ、確かに、奇っ怪な動きではあるが叩き潰すには造作もなさそうだな。」
のらりくらりと宙を漂う垂間に狒々が飛び掛かるが、その予備動作に反応していた垂間は鯉の滝登り宜しく頭上へ泳いで行く。
③有効範囲421.875㎥の形を自在に変える事が出来る。
「貴様が何を企んでいようと叩き潰せばそれで終いだ!」
「まぁ、そうだろうけどね。」
廃城の広間は天井が高い。だが、狒々は体躯の大きさに見合わぬ俊敏さで、壁や柱を跳ね回り、あっという間に垂間の上。最高到達点の滞空時間で狙いを定める。
「失せろ人間」
垂間に向かって剛腕が振りおろされるが、渾身の一撃はいとも容易く防がれる。
「!?なんだ貴様!!一介の人間如きが俺様の腕を止めるなど!ありえん!」
「残念。まぁ、何度経験してもこの瞬間は顔が引き攣るほどビビるけどね。」
④有効範囲に触れている全ての物・者のステータスを合算(対象との関係性により合算できるステータス値は変化。)
「ありえんのはお前だ。国中の可愛い子ちゃんを拐った挙句、王の娘にまで手を出したんじゃ、タダで済むわけないだろ。」
「王?王は俺だ!この森の王は俺様だ!!」
「そーゆーの、分かんないから担当者に聞いてくれる?この森の王は、この廃城の主だろ?あの世で聞いてらっしゃい。」
受け止めた剛腕を絞り上げ、狒々を天井から床へ叩きつけると待機していた討伐隊が囲む。
大ダメージを受けた狒々に反撃の力が残されていない事を確認すると、王が呼ばれ囲みが割れる。
「愚かな畜生め、その命をもって是迄の罪を償うがよい。」
剣を振りかざした王に垂間が声をかける。
「あ、待ってください。今そちらに。」
⑤合算したステータスを付与する対象を有効範囲内で選べる(対象はスキル解除まで変えられない)
改めて発動したスキルで討伐隊のステータスが王に付与される。
斯くして平和は取り戻された。