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たぶん神界にて

見渡す限り白一色。

上も下も…下を見たとき、自分の足が透けていることに気が付いた。


「あー…やっぱ死んだんだな…」

「ええ、残念ながら」


声がしたほうを見てみるとそこには人の形をした光があった。


「えっと、神様でしょうか?」


俺は思わず聞いてみた。


「ええ…ただし『あなたがいた世界』の神ではありません」

「異世界の神様がなぜ俺を?」


この展開はよく読んでいたファンタジー小説の王道だった。


「私が創った世界にあなたの魂を招くためです」


ドンピシャだった。


「俺はなにをすればいいんですか?」

「話が早くて助かります」


そう言って神様は語り始めた。

自分が惑星『ガイア』を創った創造神である事。

『ガイア』には『人類』の他に『亜人』と呼ばれる人種も存在し【スキル】がある事。

その『ガイア』の文明が遅々として発展していない事。

世界の発展の為に異世界から知識を持った者の魂を転生させようとしている事。

それに俺が偶然選ばれた事。

一通り説明が終わったので俺は気になった【スキル】について質問してみた。


「その【スキル】は例えば…【魔法】なんかも含まれるんですか?」

「ええ、【魔法】には【火】【水】【土】【風】【闇】【光】の属性があります」

「【空間魔法】は無いんですか?」

「それは【闇】の魔法に分類される【闇:空間魔法】になりますね」

「となると…【回復魔法】は【光】の属性って事ですか?」

「ご明察です」


魔法の内容はなんとなく分かったので次に気になった【スキル】の取得条件について聞いてみる。


「例えばある人が【火】の属性魔法を使いたい場合、どうやって取得すればいいんですか?」

「そればかりはその人の適正によりますね、魂の適正とでも言えばいいのでしょうか」

「じゃあ誰でも魔法を使える訳ではない…と」


そこまで言って考える。


(そうなると俺はどうなるんだろう)


「ああ、あなたはどんな【スキル】でも取得できますよ」

「へ?」


思わぬ台詞に変な声が出た。


「あなたは異なる世界の魂を持っています、異なる世界間を移動する際に魂の強度を最大限に引き上げなければ魂が消滅してしまうのです、なのであなたの魂はこの世界で最大の器となっています」


俺は心の底でガッツポーズをした。


「取得の条件は人により異なります、持って生まれる事もあれば成長するうちに自然と発現する場合もあります」


(う~ん、曖昧だ)


「じゃあ適正があっても一生発現しない場合もあるんですか?」

「そうですね、言い忘れていましたがこの世界には【レベル】という概念が存在します」

「へ?」


またしても思わぬ台詞に声が出た。


「この世界では命を奪う事で奪われた対象の魂が持つ力が奪った対象に吸収されます、その力が一定に達することで【レベル】が上がっていきます」


(なんてこった…完全にゲームみたいな世界じゃないか…)


「もちろん魂自体はそのまま輪廻に帰ることになるので魂の枯渇といった事にはなりません」


(ああ…魂と魂の持つ【力】は別物と…)


「ということは【スキル】は【レベル】を上げる事でも取得できるって事で、逆説的に【レベル】が足りないと一生取得できないと…」


「ええ、そういう事です」


(なるほど…体の成長で取得できる事もあればレベルアップでも取得できると…)


「ちなみに俺の場合は?」

「あなたの場合はどんな【スキル】でも取得できるので特別に【スキルポイント】を消費する事で自由に取得できるようにします」

「本当ですか!?」

「さらにこの世界を発展させて貰うために生まれる前に二つだけ【スキル】を選択して転生して頂きます」

「ありがとうございます!」


生まれた直後から【スキル】が使えるのはありがたい。

赤ん坊の頃は動き回れない、はっきり言って暇になるだろうと思っていたので最高の暇つぶしになる。


「どの【スキル】にしますか?」

「【クラフト】って【スキル】はありますか?」

「【クラフト】ですか?…残念ながらありません」


俺はがっくし項垂れた。

「それはどのような【スキル】ですか?無ければこの場で創る事も可能です」


ガバッと顔を上げ俺はどんなものか説明した。

俺がやっていたクラフトゲーム。

素材を集め、素材の種類によって色々な物をクラフトで作って世界を冒険するゲーム。


「なるほど…作成可能な物はあなたが構造や仕組みを理解すればリストに追加されるようにしておきましょう」

「ありがとうございます!」

「もう一つはどうしますか?」


俺は決めていたもう一つの【スキル】を口にする。


「【闇:空間魔法】でお願いします」

「分かりました、では【スキル】【クラフト】と【闇:空間魔法】を取得した状態で転生させます、あとこちらの世界で生きる上で必要な【言語理解】を別に与えます」

「あっ!言葉の事を完全に忘れてました…ありがとうございます」


『真人』は丁寧にお辞儀をし神様に感謝した。


次第に辺り一面が光り始める。


「いえ、こちらこそこの世界をよろしくお願いします、それでは良き新たな人生を」


目の前が真っ白になり、俺は転生した。

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