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転生先「ラダ村」にて13

村に戻ったアルフ達は一旦それぞれの家に戻り人手を集める事にした。

アルフの母アイシャと、ダニーとミミリーの母レニーである。


「大きい魚を釣ったから捌くのを手伝って欲しいんだ」


それぞれ我が子からの頼み事に否やは無く、村の空き地で合流した。

アルフは早速〈作業台〉で解体用の〈テーブル〉、〈長椅子〉そして〈まな板〉を作成し、設置する。

設置した〈テーブル〉は縦1m、横3m程の横長の〈テーブル〉だ。

〈まな板〉は〈テーブル〉と同じ大きさだ。

〈長椅子〉は縦30cm、横3m程の物でその上にアルフ達は立って作業をする。

格納空間(インベントリ)】から〈まな板〉の上に〈大ナギラ〉を出すと母親2人は絶句した。


「「?!」」


「でっけーだろ!」


「すごいでしょー!」


「とりあえず頭を固定しないといけないなぁ」


一部別な事を言っている我が子達の台詞に母親2人はため息を吐き、お互いに目を合わせ苦笑いを浮かべつつ一つ頷く。


「とりあえず捌くかね?」


「ええ、そうしましょう」


「道具を作ってくるからちょっと待っててね!」


そういってアルフは〈高炉〉触れて〈砂鉄〉から〈鉄のインゴット〉を作成する。

次に〈作業台〉に触れると〈鉄のインゴット〉を手に入れたおかげで新たに「NEW」の文字と共に〈鍛冶台〉が表示された。


〈鍛冶台〉=レンガx50+鉄にインゴットx10


早速作成して〈作業台〉の横に設置する。

鋳溶かす為の小さな炉と金床がレンガで出来た台に置かれた〈鍛冶台〉が現れた。

〈鍛冶台〉に触れると【クラフト】に以下の〈アイテム〉が追加された。


〈鉄のナイフ〉=鉄のインゴットx1+木材x1


アルフは更に【クラフト】に長さ50cm程の巨大な〈アイスピック〉を追加し作成する。


〈大きなアイスピック〉=木材x4+鉄のインゴットx6


次に刃渡り50cm程の〈刺身包丁〉を追加して2本作成し、〈鉄串〉を追加して10セット作成した。


〈長い刺身包丁〉=木材x1+鉄のインゴットx2

〈鉄串〉x20=鉄のインゴットx1


材料が〈素材〉x1以下で作れる場合は複数個で1セット作成出来る事を〈ガミの串〉を作成した際に把握していた。

〈刺身包丁〉を選択した理由は単純に長くするとどうしても重くなってしまうためだ。

そうして戻ってきたアルフが村で初めて出来た鉄製品を【格納空間(インベントリ)】から出すと全員が驚く。


「まぁ!綺麗な包丁ね」


「へぇ!こいつはよく切れそうだねぇ」


「すげー!キラキラしてんな!」


「きれー!」


初めて目にする鉄の輝きを前にみんなが興奮しているのを見てアルフは満足気に頷くと説明を始めた。


「まずは頭を固定する為にこの〈アイスピック〉でこの辺りを貫通させて〈まな板〉に突き刺して欲しいんだ」


アルフの指示でレニーが〈大ナギラ〉を横向きに寝かせ、目と胸鰭の丁度中間地点に〈アイスピック〉の先を合わせるように立てる。

アイシャが〈長椅子〉に立ち上がり上からアルフに渡された〈木のハンマー〉で〈アイスピック〉を叩いて突き刺す。

自重と〈ハンマー〉に叩かれた事で〈アイスピック〉は〈まな板〉まで貫通し、無事に頭が固定される。

普通のサイズのうなぎは頭を固定する前に上部方向から首の骨を断つのだが、今回は大きすぎるので身を切り離す事で骨を断つ労力を無くす算段である。


「次にお腹を慎重に開いて内臓を取りましょう」


「そいつはアタイに任せな」


そう言ってレニーが初めての〈刺身包丁〉を手にし、胸鰭と〈アイスピック〉のおよそ中間地点の下部から刃を入れる。

刃先を押し込もうと力を入れようとしたレニーを見てアルフは慌てて声をかける。


「あっ!切れ味が良いかもしれないので力の入れすぎに注意してくださいね」


「え?そんな良いのかい?」


「たぶん…少しずつ力を入れてみてください」


「分かったよ」


レニーは一つ頷くとゆっくり力を入れた。

ほとんど抵抗を感じず刃先が入っていくのをみてレニーは驚愕する。


「いやいやたまげた、とんでもない切れ味じゃないか、まるで切った感触がないよ!」


【クラフト】で作成する場合、手作業と違い『ズレ』が生じない。

刃物の刃などは一見、人の目には真っ直ぐに見えても手作業で作るとどうしても『ズレ』が生じ、顕微鏡などで拡大すると『波』を打つようになってしまう。

所謂『名刀』とはこの『波』が限り無くゼロに近い事で他とは桁違いの切れ味を実現している物である。

しかし【クラフト】によって作られたこの〈刺身包丁〉にはこの『波』が一切ない。

故に『名刀』以上の切れ味を発揮しているのである。


閑話休題


「えへへ、気をつけないと危ないのでゆっくり作業してくださいね」


「ああ、確かにこいつは危険だ、アタイら大人を呼んで正解だよ」


「そんなに違うの?」


「ああ、アタイが普段使ってる〈包丁〉とはまるで別物さ」


「身を切る時に分かると思うよ、母さん」


「そうね」


アイシャの質問にレニーとアルフが答え、アイシャはちょっとウキウキしてその時を待つ。

レニーが腹を切り開いて内臓を子供達3人で綺麗に取り出して【格納空間(インベントリ)】に収納した。


「あとは〈包丁〉を背骨の上を這わせるように尻尾に向かって切り裂いてください」


「はいよ、これだけ切れ味がいいと骨まで切っちまいそうだね」


「それだけは気をつけてください」


「分かったよ、アイシャ向こう側から身を持ち上げてくれるかい?」


「ええ、いいわよ」


レニーが腹を裂くのに〈刺身包丁〉を入れた所に向かって上部から真っ直ぐに切れ目を入れていく。

アイシャは〈テーブル〉を挟んでレニーの反対側に回り少し切り離された身を両手で持ち上げる。

2人が協力して身を切り裂いていくのを見ながら子供達3人は身の状態を確認していた。


「うおー、美味そうだな」


「お腹いっぱい食べれそう!」


「脂も乗ってるみたいだから絶対美味いと思うよ」


そうしているうちに半身が切り取られ〈まな板〉に置かれる。

一旦それを【格納空間(インベントリ)】に収納し、アルフは次の指示を出す。


「次は骨を取るんだけど、レニーさん、骨もその〈包丁〉で切れそうなんですか?」


「ちょっと待ってな、…うん、問題ないね、継ぎ目に刃を入れれば簡単にいけるよ」


「じゃあ、首の辺りから骨を切って今度は骨を切り離しちゃいましょう」


「はいよ、アイシャ今度は骨を持ってておくれ」


「はい、分かりました」


そうやって骨を切り取ったが骨にはまだまだ身がついていた。


「骨についた身は僕達で取りますから2人は切り身を上下半分にしてから四角く切り分けてください」


「はいよ」


「分かったわ」


そう言ってアルフは収納していた切り身を取り出すと新たに〈テーブル〉、〈まな板〉、〈長椅子〉を近くに設置して〈石のナイフ〉を取り出しながらダニーとミミリーに声をかける。


「2人にはこれで骨から身を切り取るのを手伝って欲しいんだ」


「任せろ!そいつなら使い慣れてる」


「いいよ!」


全員で骨を移動させ大人と子供に分かれて作業する。

大きな骨にはかなりの身が付いているので3人で手分けしてせっせと切り取っていく。

身を持ってみるとずっしり重く、脂が乗っているのがよく分かった。

そうしてあらかた作業が終わると〈鉄串〉を取り出して身に3本ずつ刺していく。


「こんな感じで串を刺していって欲しいんだ」


「分かった!」


「はーい!」


「こっちも終わったよ!同じように刺せば良いんだね?」


「こっちも終わったわ、これを刺せば良いのね?」


「うん!僕は焼く準備をしてくるよ」


そう言って一旦作業を4人に任せ、アルフは〈鍛冶台〉に触れて〈金網〉を追加し20個作成する。


〈鉄の金網〉=鉄のインゴットx1


次に〈作業台〉に触れて〈バーベキュー台〉を追加し20個作成する。

見た目は〈レンガ〉の台の上に〈レンガ〉で左右に壁が組まれ壁の上面に〈金網〉がハマってズレないように窪みが彫られた簡単な物だ。


〈レンガのバーベキュー台〉=レンガx20+鉄の金網x1


出来た〈バーベキュー台〉を空き地に設置していき、〈窯〉で作成しておいた〈炭〉を入れ、火をつけていく。

20個の〈バーベキュー台〉に火をつけ終わった頃にミミリーのアルフを呼ぶ声が聞こえた。


「アルフー、終わったよー!」


「今行くー!」


4人の元に戻ると〈テーブル〉の上は串に刺さった切り身の山になっていた。


「みんなありがとう!」


「いいってことさ、そっちは準備できたのかい?」


アルフの感謝にレニーが答える。


「はい!片付けはやっておくので村のみんなを呼びにいってもらって良いですか?」


「分かったよ、手分けして呼んでくるよ」


「ええ、行ってくるわね」


「「行ってくる!」」


「お願いします!」


そうして4人が村に散っていくとアルフは切り身と作業に使った物を全て【格納空間(インベントリ)】にしまい最後の準備に取り掛かった。

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