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転生先「ラダ村」にて11

『弓の練習場』を完成させた翌日、アルフは村近くの小川の岸辺で〈粘土〉を採取していた。

村のかまどや暖炉が粘土製だったので近くで取れるのだろうと当たりをつけ、村長から採取場所を聞いてきたのだ。

その目的は〈レンガ〉作成の為である。

子供用サイズの〈小さな木のスコップ〉を【クラフト】で作成し、〈粘土〉を掘り返しては【格納空間(インベントリ)】に収納をしていく。


ここで補足として【格納空間(インベントリ)】や【クラフト】内においての各〈素材〉の『量』について触れておく。

格納空間(インベントリ)】や【クラフト】内で表示されている『量』について、アルフはどのくらいの『質量』から『1』と表示されるのかをそれぞれ検証した。

結論は、『1』未満の『質量』は全て『1』になる、であった。

原理は不明だが、小指ほどの大きさの〈枝〉であっても、『〈枝〉x1』、ひとつまみの〈塩〉であっても『〈塩〉x1』として収納された。

〈枝〉と〈木材〉の違いを検証した所、木の『幹』にあたる部分はある程度の大きさまでは〈木材〉として、『枝』にあたる部分はある程度の大きさまでは〈枝〉と認識される事が分かった。

ある程度の大きさとは、もはや〈おがくず〉と呼べる大きさまで削るどちらも〈おがくず〉と認識された。

〈岩〉は砕いていき、直径10cmほどから〈石〉に変化した。

さらに砕いていき1cmほどで〈砂利〉に、1mmほどで〈砂〉として認識された。

取り出してみると、〈枝〉は50cmほどの長さの生木(・・)の〈枝〉が、〈木材〉は底面各10cm、高さ50cmほどの角材のような乾いた(・・・)〈木材〉が現れた。

何故〈枝〉が生木(・・)の状態になるのかは分からないが、狼煙を上げたりする分には有効だし、燃やすなら〈木材〉を使えば良いので深く考えるのをやめた。

〈岩〉や〈石〉は収納する前は違う形状の物でも取り出すと同じ見た目の〈岩〉や〈石〉が現れた。

〈砂利〉、〈砂〉、〈塩〉は大人の手のひらほどの量が現れて、それ確認したアルフは遠い目をして深く考えるのをやめた。


(もうこれちょっとずつ採取して資源の節約が出来るってポジティブに考えよう、俺は研究者じゃないし)


アルフにしてみれば少量の資源から大量の〈素材〉が手に入るなら理由など関係無かった。


閑話休題


〈粘土〉の採取も〈スコップ〉の先で少量削り【格納空間(インベントリ)】に収納を繰り返す事で少ない労力で大量の〈粘土〉が確保出来た。

格納空間(インベントリ)】を開きながら作業し続け、『〈粘土〉x1001』と表示されたのを確認してアルフは採取を切り上げた。


(よし!少なくとも1スタック9999あるのが分かったし、今日はこの辺にしておこう)


1スタックとは【格納空間(インベントリ)】の1枠に入る〈アイテム〉の総量の事である。

今回の〈粘土〉の例で言えば、もし1スタック100だった場合、1001は11枠も使ってしまう事になる。

未だに【格納空間(インベントリ)】が10枠分しか無いアルフにとっては死活問題であった。

1枠少なくとも9999もの〈素材〉を収納できるのが分かってアルフはホクホク顔で村の空き地に向かった。

空き地に辿り着いたアルフは【クラフト】UIを開きまずは〈粘土の窯〉を追加した。


〈粘土の窯〉=粘土x50


AR表示を出すとアルフが入るといっぱいになってしまう程度の大きさの〈窯〉が表示され、アルフは早速空き地に設置した。

現れた〈窯〉に触れながら【クラフト】リストを確認すると目当ての〈アイテム〉が表示されていた。


〈レンガ〉=粘土x2


早速400程作成する。

火を入れる必要があるかと思いきや即座に【クラフト】が完了する。


(ははは、矢を作成した時から何となくこうなると思ってたんだよな、燃料要らずなのは嬉しい誤算だけど、まじかー)


そう、昨日『弓の練習場』で使う矢を100本ほど作成した時も一瞬で【クラフト】出来てしまったのだ。

アルフは【クラフト】の作成時間が一瞬で終わると分かっていたので〈窯〉での作成も作成時間は無いとは予想していた。

だが、燃料コストが掛からないのは予想していなかった。

アルフは乾いた笑いを漏らす。


(錬金術みたいだけど等価交換どころの騒ぎじゃ無いし、燃料の節約にもなるし考えるのやめよっと)


アルフは一瞬で思考を放棄する。

深く考えても今の知識レベルでは解明しようがない問題に頭を悩ませる必要はないし、時間もなかった。

こうして手に入れた〈レンガ〉でアルフは〈高炉〉を作る。


(この調子だと〈炉〉に火を入れなくても普通に〈鉄〉の精錬も出来そうだなぁ)


アルフは簡単な作りの〈高炉〉を思い描き【クラフト】に追加し、作成する。


〈簡素な高炉〉=レンガx100+粘土x100


そうして目の前に高さ2mほどの〈高炉〉が完成した。

アルフは早速〈高炉〉に触れてみる。


〈鉄のインゴット〉=鉄鉱石x5

〈鉄のインゴット〉=砂鉄x5


(やっぱり問題なく作れそうだ、次は〈鉄鉱石〉…はまだ無理だな、川で〈砂鉄〉が取れないかな?)


順調に〈鉄〉も手に入れられそうでアルフは自然に口角をあげる。

一瞬〈鉄鉱石〉の採取をと考え、山に目を向けたが道具が無いので早々に諦めるのと同時に〈砂鉄〉が手に入らないかと村の南側に流れる大河に視線を移した。


(『比重選鉱法』でとりあえず比重の重そうな〈砂〉を採取すればいけるかな?)


『比重選鉱法』とは読んで字の如く、鉱物を比重の違いによって選別する手法である。

流れの中に色々混じった土砂を入れると比重の軽い物ほど遠くまで流され、比重の重い物ほど入れた場所付近に溜まる。

〈砂鉄〉に限らず〈砂金〉などの採取にも用いられる方法である。


(村長にも相談して明日にでもダニーとミミリーを誘って川の浅い場所でやってみるかな、今日はレンガの増産でもしよう)


明日の予定を立てながらアルフは村長宅へ歩いて行った。

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