断話 転生したゲームオタクが異世界ピクニック
一章が一番人気ではあったんで、書いてみようかなと思いましてこの作品を書いてみました。
「おい、待ってくれレナ……はぁはぁ、ユリ、どうにかしてくれって!あの体力化け物野郎を!」
野原を走り回るレナを捕まえようと走っているがどうしても追いつけない。走っている途中に草の上で座っているユリを見つけて頼んだが、
「嫌です!恋の1ステージ目に行くまで!」
「何わけのわからないこと言ってんだよ~!手伝ってく……わっ!」
地面にあった石につまづき、顔面から草に飛び込む。
「だ、大丈夫ですか!?念のため、オールヒール」
地面に顔面がぶつかった瞬間、痛みと癒しが同時に感じた。
「あ、ありがとう……頭をぶつけたおかげで大事なことを忘れていたことに気づいたよ!行くぜ~!システムコマンド、スピードアップ」
そう言うと足が物凄く軽くなったのを感じ、それと同時に地面を蹴ってレナを追いかけた。レナは急に早くなった俺を見て驚きながら走って逃げ始める。しかし、逃げた先に、
「レナさん!来てくれて嬉しいですよ!!」
奥に見えたのは男。ハンマーを背中に付けた男、ショウだ。
「な、なんでショウがそこに!?」
レナはどうにか止まろうとするが、滑ってそのままショウに飛び込んでいった。
「キャー止めてー!!」
ショウの後ろが下り坂になっていたせいでどんどん転がっていく。俺も少し見ていられなくなり、コマンドを使って痛みを一時的に感じられないようにした。
「これで大丈夫だ!じゃあ、あとは頑張って!」
「おかしいでしょ!アキ~!」
「僕もそれはおかしいと思っていますよ~!?」
わーキャーと言いながら転がっていき、転がって行った先にあった木にド派手にぶつかった。そこにいた鳥が数匹羽ばたいていく。
「あ………ユリ、頼む」
ユリはため息をしながら回復魔法を使い、回復させる。
「イテテテ……」
「よーし、ここで弁当食おうぜ!」
敷物を地面に敷いて、弁当を真ん中に置く。
「さっきあんなことがあったんだけど……まあいいや。食べよう!!」
「私はここに座るんでアキさんはこっちに座ってください!」
目をキラキラさせながらユリの隣を指さす。
「あ、ああ……」
「じゃあ僕はここに座るんでレナさんはここで!」
ユリと同じように言い、レナも「仕方ないな~」と言いながら座る。弁当を開くとウインナーやハンバーグと言った王道の中身だったが、異世界にしかない調味料を使っていたことで美味しそうな見た目と言うよりも食べなきゃ損と思ってしまうほど輝いて見えるような弁当になっていた。
「いただきまーす!!」
「私とレナさんと一緒に作ったこの弁当、どうですか?」
「や、やばい……うますぎる……」
「「当たり前!!」」
レナとユリはそう叫んだが、表情は嬉しそうだった。
「こうやって、楽しめて最高だな」
「そうですよ……みんな攻略もいいですけど、ピクニックでしたっけ、こうやって外で弁当を食べるのもすごく良いと思います」
攻略途中に見つけたこの層。毎日晴れている場所と聞いてピクニックをしようとなり、今こうやってみんなで弁当を食べている。
「全部の層の攻略が終わったらまたこうやって弁当、一緒に食おうな」
みんな元気よく返事をした後、また食べ始めた。
―――またこうやって一緒に―――