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拳銃の記憶  ケルテックCP33  作者: かばパパ
16/29

遊戯

 神奈川県警と鳴神流との関係はフィクションです


 念のため

 鳴神真司、神奈川県警から移動して来たこの男の経歴は少し変わっている。


 神奈川県機動隊員に古武術を指導している道場がある。


 鳴神流、古来から戦さ場で発達して来た古武術に置いて未だに、極めるイコール折るをモットーとする流派で防具などは付けない。


 鳴神はその本質に触れて弟子入りした後に頭角を現した。


 横浜中華街でのヤクザ対中国マフィアの抗争で機動隊が突入した際には、終わって立っている者は鳴神1人だけ、あとは全て血の海の中に沈んでいた。


 やり過ぎで謹慎している間に道場に泊まり込みの日々、その時に師範の1人娘の(さくら)に見染められ鳴神家に婿入りして十数年、今では1人娘の(つばさ)の父である。


 ゴリとは警察主催の射撃大会で共に競う中である、お互い娘を持つ父と共通の話題にも事欠かない。


「表に銃器対策警備車が停まってたから、居るとは思ってた」


 ゴリはそう言いながらイヤープロテクターを外すと、手元のスイッチを押して標的紙を手元に寄せる。


 ワイヤーに巻き取られて来た標的紙を見て鳴神が口笛を吹く。


「黒点範囲に集中、相変わらず良い腕だ」


 それを聞いてゴリは渋い顔で。


「実戦だと狙いすまして撃つわけにはいかんよ」


 鳴神の方を見ると、ニヤリと笑ってゴリに拳を突き出して来た、それに黙って自分の拳を合わせると、喫煙所になっている外のスペースに一緒に出る。


 最近、アイポスが流行だがゴリも鳴神も昔からの紙巻煙草派だ、外で一服しながら近況を語ると話題はやはり22LR弾を大量保持していると見られる容疑者(ほし)の話題になる。


逃走(もぐって)から音沙汰無し、何にも引っかからん」


そうゴリが言うと鳴神は煙草を吹かしながら。


「今頃は…他所の県にでも隠れてるかもな」


 ハッとした顔で鳴神の方を見るとゴリは。


「他所の県か…流石にそこまでは手が回らん」


 しかし良いヒントを貰ったかも知れない、そう考えるとゴリは、今度の捜査会議での議題に上げる事を考え始めた。







 一方その頃、伊達はユサにバイクの乗り方を教えていた。


 この隠れ家(セーフハウス)を借りた際に、ある物は何でも使って良いと言われていた伊達は、車庫代わりの納屋の中でシートに埃を被ったバイクを見つけた。


 スズキハスラー80、80CCのこのモトクロスバイクは30年前の代物で2サイクル単気筒、セルスターターは無く、キックペダルで発動機(エンジン)を駆ける。


 埃だらけのこのバイクを軽トラに積んだ伊達は町にある自動車修理屋、鈴木自動車に持ち込んで居た。


 鈴木自動車は、半分トラクター半分自動車の販売をしている昔ながら修理屋で裏の解体置場から部品(パーツ)を探しては修理に回していた。


 スズキハスラー80を見た店主は、まさに修理屋といった感じのツナギを着た職人気質(カタギ)で目を輝かせながら。


「2週間くれ、裏の解体置場に確か同じ型が2、3台あったはずだ」


 そう言われて2週間後に取りに来ると、タンクを黄色に塗ったスズキハスラー80がピカピカの状態で置いてあった。


 総額は15万だったが、2サイクルエンジンオイルと今後の修理は一年保証すると言質を取って軽トラに積んで帰って来た、以来裏手の山に入る時などに重宝していたのをユサが見つけた。


 目をキラキラさせてバイクを見るユサに。


「乗って見るか?」


 そう言うと伊達の方を見て首を縦にブンブン振って喜ぶユサを見て伊達は笑って居た。


 本人も気が付かずに、笑顔でユサに接していた。

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