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拳銃の記憶  ケルテックCP33  作者: かばパパ
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理由

 伊達は今回の略奪の成果を確認しながら、ユサとの会話を思い出していた。


 ユサはフィリピンの貧困層地区の生まれで母親と2人暮らし、父親の顔は知らない。


 日本には母親と共にユサの父親に会うためだった。


「私は父の事はどうでも良かった」


 カレーのお代わりを食いながらのユサの説明によると、ユサの父親はユサの事を認知もせず、養育費も払っても来なかった。


「母は苦労して私を育てた、ボランティアにも助けて貰いながら」


 日本のキリスト教会からボランティア団体がフィリピンの貧困層地区に、炊き出しや乳幼児の健康などを改善するために派遣されて来ていた、ユサの母親が派遣された日本人の修道女(シスター)に相談した結果、父親と連絡が付いたらしい。


「私と母それと修道女(シスター)と3人で日本に渡航したその日…迎えに来た車に乗ったら」


 高速を降りて一般道を走っていた時、いきなりトラックに前後を挟まれて止められた。


「運転していたボランティアスタッフも含めて4人…トラックの荷台に乗せられて」


 襲撃した者たちは目出し帽を被り、拳銃を突き付けて4人を拘束すると、気が付けば地下の駐車場に連れて行かれていた。


「そこで…他の3人とは別の車に乗せられて」


 スモークを貼ったワゴン車に乗せられて、母親達とは別に移動させられた。


「頭から袋を被せられて、何処を走ったか…気が付けばあの金庫室(マンション)に監禁されて」


 窓の無い部屋、ドアには鍵が掛けられ、トイレとシャワー以外は部屋から出られない生活。


「2週間くらいかな?ほとぼりが冷めるまでって言ってた」


 そこまで話すとユサは疲れたのか眠そうだったので、伊達はベッドを置いてある部屋を案内するとリサは着替えもせずに横になった。


 伊達はそれから炬燵(コタツ)のある部屋に今回の成果を集めて確認する。


 現金が一千万近く、ナイフ、特殊警棒、スタンガンなどと一緒に銀色に光るリボルバーが一丁。


 コルト、ディグダグスペシャル、3インチ。


 38口径、6連発のこのリボルバーは長期に渡って作られた、主に生産国の米国(アメリカ)で政府や警察で使われていた。


 見たところ軽量化したアルミ製では無くステンレスモデルの様だ、左側にあるシリンダーを解放するレバーを右手の親指で引くと、カチッと音がしてシリンダーが解放される。


 弾は6発装填されていた、そのまま銃口を下に向けてから左手の人差し指でシリンダーロッドを押して行くと弾がシリンダーから出て来る。


 コルトディグダグスペシャルではこのロッドの押し込む長さが弾頭の付いて居ない空薬莢を押し出す長さになっている。


 つまりは空薬莢だけを弾いて弾頭の付いている実包だけを残すシステムだ。

 ちなみにスミスアンドウエッソンなどの低価格モデルにはこの機構は付いてい無い。


 その場合はシリンダーロッドを押し込んで捻ると固定されるので一つ一つ手で取り除く。


 弾はホローポイントと呼ばれる弾頭の先端が窪んでいるタイプでこれも人体に入るとキノコの傘の様に膨らむタイプだ。


 机の中に入っていた弾も同じ種類で50発入りが一箱、それとスピードローダーと呼ばれるリボルバー専門のクリップが二個。


 スピードローダーはリボルバーの弾を6発、一度に補充出来る。


 伊達はスピードローダーに弾を6発補充すると弾頭を下に向けてボトムボタンを押し込む。


 一度に6発の弾が下に落ちた、実戦でも同じく落とし込む用に補充する。


 伊達はしばらく、スピードローダーでの補充を繰り返し練習し出した。


 

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