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Reality−勇者と眷属−  作者: Ongaku
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イ「こっちの方向はデアスか。俺達2人じゃ流石に厳しいね。くそ!待つしかないのか。」

俯くイクマ。


セ「す、少し門番の方に話を聞きませんか?」


イ「そうだね。」

セラフィ達は階段を上がり門番の所へ行った。門番はあくびをしていた。


セ「あ、あの。昨日の夜ここから凛…勇者の3人を見ませんでしたか?」


門番「いや、誰も見てないな。どこか行っちまったのか?」


セ「はい…ここは一度も開けてないんですか?」


門番「ああ。今は魔物の事もあってそう簡単に開けられない。」


セ「そ、そうですよね。」

視線を門の外へと向けるとガラスの破片が光って見えた。

(あれは…!)

セラフィ達は門の下へと降りた。門が見えなくなったところでセラフィが口を開く。

「イクマ。そ、外にガラスの破片が落ちてるの見えました?」


イ「いや、見てないけど。それがどうか…あ!レイさんの試験管!」


セ「きっと、手掛かりをの、残してくれたんだと思います。」


イ「手掛かりを残すって事は遠回しに来てくれって事かな。でも2人は厳しいな。」


セ「ま、街の人にお願いするというのはどうでしょう?」


イ「うーん。今はこんな状況だし…」

セラフィの方を見ると真剣なまなざしでイクマの方を見つめていた。

「そうだね。やれることをやろう。」

セラフィ達はデオに事情を話し、人を集めてもらった。高い所にセラフィとイクマが立つ。


セ「み、みなさん…」

集まった人々はがやがやしている。セラフィの声が届いていない。


イ「変わろうか?」

セラフィは首を横に振った。

セ「わ、私は…今まで誰かに頼ってばっかりでした。でも、このままじゃい、いけないって分かってるんです。だ、だから一歩踏み出します!」


イ「分かった。任せたよ!」

笑顔をセラフィに向ける。セラフィは頷いて深呼吸をした。

セ「皆さん!聞いてください!」

場は静かになりセラフィに視線が集まる。

「あ、あの…私の仲間である勇者の凛!眷属の慧!副団長のレイさんがこの街から消えてしまいました!私の魔法で調べたところ、デアスの方に行っているのを確認しています!お願いします!私達2人じゃ3人を探すどころではありません!どうか私達に力を貸してください!」


冒険者「助けてもらったてまえ、力を貸してやりたいのは山々なんだがな。なんせこの状況だ。」


セ「今の状況は理解しているつもりです!元々私達はデアスに行く予定でした!デアスに今回の変異種及び魔物の大量発生が関係していると確信を得たからです!うまくいけばウィンル国を救う事が出来ます!」


冒険者「つまり…そこにいればこの戦いも終わるという事か。」


セ「激しい戦闘が予想されます!命を落とすかもしれません!それでも…それでもいいという方は力を貸してください!」

長い静寂が訪れる。セラフィが諦めようとした時1人が沈黙を打ち破った。


冒険者「俺は行くぜ!このまま守ってたっていつやられるか分からんしな!お前らひよってんのか?俺たち冒険者はいろんな所へ旅して冒険するのが生業だろ?だったら行こうぜ!例え死地だとしてもな!」


冒険者「俺も行くぜ!」

次々に声が上がる。


セ「み、みなさん!あ、ありがとうございます!」


イ「セラフィ。すごいね!これで3人の所へ行けるよ!」

最終的に街の守りもある為10数名の少数精鋭で行くことになった。


冒険者「頼んだぜ大将!」


セ「あ、え、あ!そ、その、よろしくお願いします…。」

もじもじするセラフィ。


イ「よろしくお願いします!」


冒険者「大将掛け声頼むぜ!」


セ「え!?あ、えーと…い、行くぞ…。」


みんな「お、おー!」


冒険者「なんか締まらなぇな~。まあいっか!」

そんなこんなで馬車に乗り、セラフィの魔法で場所を特定して凛たちに合流したのだった。


セ「これ!」

凛と慧に取られていた武器や防具を渡した。外にあった馬車の中に荷物を積んだ馬車があり、そこにいろんな武器や防具、服が置いてあった。


凛&慧「ありがとう!」

凛たちが装備を付けた所で建物内へと入っていく。


冒険者「大将!あんたらは力を温存しといてくれ!俺達が先行する!」


セ「お願いします!」

全員で建物の階段を駆け上がっていく。


凛「セラフィ雰囲気変わったね!」


慧「僕も思った!」


セ「そうですか?」


凛「うん。ひと皮むけたって感じ!」


イ「実はね…いや、帰ったら話すよ。」

そうこうしている間に囚われの場所に到着した。中に入っている人々は無事だったが、そこには魔族1人と魔物2匹がいた。


魔「貴様らか侵入者は!下の奴らはどうした?」


凛「全員倒しました。」


魔「なん…だと?くそ!お前らやってしまえ!」

魔物が動こうとしたその時。


凛『光火剣』 慧『光聖砲』

2匹の魔物は2人の技によって絶命した。


魔「な、な!ソアル様!ヘンヌエ様!」

一目散に逃げ出した。


凛「ここは冒険者さん達にお願いします!慧!セラフィ!イクマ!お願い!」

冒険者たちに囚われている人たちを任せて、4人は魔族を追いかけ始めた。しばらく行くと数人の魔族と大量の魔物が出てきた。


慧「まだこんなに敵がいるなんて。」


イ「凛と慧は先に行ってくれ。薄々気づいてると思うが、恐らく変異種を生み出しているのか操っているのかは分からないけどこの先にいる奴だろう。だからここで消耗する必要はない。」


セ「いえ。イクマも行ってください!1人でも多い方がいいと思います。」


イ「この数を1人で?」


セ「任せて下さい!」


バ「頼りがいが出てきたではないか!」


凛「そうだね…セラフィここはお願いね!」


セ「はい!私が道を開けます!『土石竜』」

地面が盛り上り、土と岩の土竜が一直線に階段へと突き進んだ。そのすぐ後ろで3人は駆け抜け、階段へと上がった。


魔「貴様!許さんぞ!まああいつらはこの先でやれるだろうな。」


セ(魔族があと一人に、変異種が数体…あっちの方から魔物がまた現れた。厳しい戦いになりそう。でも、ここは通さない!私なんかを頼ってくれる人達は絶対に守り抜く!)

凛たちは階段をどんどん駆け上がる。今更だが、階段は一階上がるごとにフロアの反対側にある。その為階段だけですぐに上の階を目指すことが出来ない。しばらくすると逃げていた魔族を見つけた。


凛「待ちなさい!」

魔族は振り返り、全速力で走り出した。慧が狙いを定める。

『光聖螺旋砲』

光の螺旋が魔族に向かって飛んでいった。もう少しで当たるという所で、大きな刃先が2本立ちふさがり魔族を守った。魔族か魔物か判断できないが全身に鎧を付けた2体が凛たちの前に立ちふさがった。二体は大型トラック並みの大きさがあり、武器は両方に刃が付いた槍を持っている。

「ここは一歩も通さん!」


魔「ここは頼んだぞ!私は報告してくる!」


凛、慧は武器を構えた。

凛「素早く片付けるよ!『光聖剣』」


慧「分かった!『爆発螺旋砲』」

それぞれの敵に攻撃を仕掛ける。凛の攻撃と敵の攻撃がぶつかる。お互いの衝撃で互いにノックバックした。慧の攻撃は敵が斬り裂いた。


凛「これは骨が折れそうな相手だね。フェアリーリンクでいくしかない!」


イ「待ってくれ!ここは俺に任せてくれ!」


慧「いや!流石にこいつは…」


イ「いいから行けよ!時間稼ぎぐらいなら出来るからさ!」


凛(どうしよう?本当に行っていいの?セラフィもイクマも大切な仲間。本当は私も一緒に戦うべきなんじゃないの?もしみんなにかあったら私…)

ポンと肩を叩かれた。ハッとすると慧がいた。


慧「イクマを信じよう。そしてなるべく早く片付けて2人を援護するんだ!」


凛「う、うん!そうだね!ありがとう。イクマ私達が戻ってくるまでに絶対に死なないで!」


イ「ああ。絶対にね!凛!慧!あいつらの真ん中を走り抜けろ!行くぞ!『地操』」


凛&慧「おう!」

2人は走り出した。敵が武器を構え凛と慧に向かって下からクロスするように斬り上げる。その時、敵の体勢が崩れ、敵の攻撃が上に逸れ下に隙間が出来た。凛と慧はスライディングでその間をすり抜ける。体勢が崩れたのは敵の片足が地面に埋まったためだった。2人はそのまま前に走り抜ける。敵は凛たちの方へ振り向いた。

「待て!ここは通さん!」

敵が凛たちの方へ向かって走り出そうとする。


イ『水刃衝撃』

水の斬撃を膝目掛けて飛ばした。技が当たると水がはじけ飛び、膝カックンの要領で敵は膝をついた。その隙にイクマは敵をすり抜けた。

「立場が逆転したね。ここは通さない!」

敵は立ち上がり武器を構えた。


凛「速く!速く!速く!!!」

2人は一心不乱に走っていた。視界の先に逃げていた魔族が見えた。魔族は部屋の中へ入った。その部屋は凛たちが一度入った事のある部屋だった。そう。ソアルとヘンヌエがいた部屋だ。2人も所かまわず部屋に踏み込んだ。


魔「勇者たちが脱獄しました!って貴様らもうこんなところに!」


ソ「流石だね~。ちょっと甘く見てたよ。」


ヘ「もう一度捕まえないとね。」


凛「あなた達が魔物を操ってるの?」


ソ「そうだよ!すごいでしょ!」

誇らしげな表情をしている。


ヘ「ここまで来たご褒美に教えてあげる!」

虎の姿をした魔物がヘンヌエの所に近づいていく。


ソ「私が魔物を操って!」


ヘ「僕が魔物を突然変異させるんだ~!」

そういうとヘンヌエは服の中からできた鋭利なもので虎の姿をした魔物に突き刺した。すると、魔物は苦しみだし体がボコボコと動き始めた。体が肥大化し始め体から足が生え始めた。1本、2本、3本と増えていく。

「これは失敗だね。」

そうヘンヌエが言うと急に体から血がにじみ出し魔物は倒れ込み動かなくなった。

「こうやって失敗する時もあるけどたまに意志を持った魔物を作れることもあるんだ!すごいでしょ?ここに来る途中にいた2体もそうなんだよ?」


慧「あのパラキルフにいた象と刃物の魔物もそうなんだね?」


ソ「戻ってこないと思ったら君たちがやったんだね!?滅多に作り出せないのにひどいよ!」


魔「一緒にこいつらを倒しましょう!他の魔族、魔物のかたき討ちを!」


ソ「うるさいなぁ!お前とは話してないんだよ!」

魔族のお腹に風穴が開いた。

「お、お許し…を」

体が浮き天井の方へ吸い寄せられて消えた。骨が砕けるような音が天井から響いた。


凛(何かいる!?)


ヘ「まあまた作ればいいからね!君たち速く捕まってよ。褒めてもらいたいんだ!」


凛「褒めてもらいたい?」

ヘンヌエは口を手で覆った。


ソ「ヘンヌエそれ言っちゃダメなんだよ!」


ヘ「ごめんソアル!危なかった!」


慧「2人が首謀者じゃないって事なんだね。2人はなんか子供っぽい所があるし、話した仲だから気が進まない。もうこんな事やめにしない?」

双子は顔を見合わせた。


ソ&ヘ「嫌だよ~だ!」


凛「なら私達も本気でいくよ!」

それぞれの戦いが始まるのだった。






To be continued





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