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Reality−勇者と眷属−  作者: Ongaku
11/27

魔法使い

凛と慧はトハマホの村に向かっていた。


凛「慧凄いね!馬車を運転できるなんて。」


慧「エンさんに馬術を教えてもらったんだ。」


凛「いい師匠に巡り合えたね!」


慧「うん。いい人達ばっかりだよ!」


凛「そうだよね。勇者ていうのもあるのかもしれないけど人に恵まれてるよね。」


慧「さてと。地図によるとこの先かな。」


その先には森が広がっている。森の名前はルイセの森となっている。森を抜けた先に村があるようだ。

森は異様な空気が漂っており道も薄暗くなっている。


凛「少し不気味だね。実は私お化けとかそういうの苦手なんだよね。」


慧「僕もあんまり得意じゃないかな…」


凛「男だったら嘘でも大丈夫!俺が守るから!みたいな事言って欲しかったな( ´∀` )」


慧「あはは…ごめん。」


凛「慧らしいけどね。」


2人の馬車はどんどん森の中を突き進む。森からは笑い声のような音が絶えず聞こえてくる。森は大きい。村に続いているであろう道が一つだけ。2人が入ってきた森の入り口はもう見えなくなった。出口もまだ先な様で先が見えない。


凛「結構森深くまで来たね。後どれくらいでこの森から出れるかな?この森暗いし、じめじめしてるし、不気味だしでもう嫌なんだけど!」


慧「まだまだかな。確かに。あ、目の前に人影が見える!」


凛「本当だ!何してるんだろう?」


段々と人影に近づいていく。心なしか陽炎のようにゆらゆらしている。


凛「体調が悪いのかな?それとも酔っ払い?そうだ!」

 『光玉』

光の玉がその人影を照らし出す。


慧「違う!あれは人じゃない!あれは多分グーネ。出会った事がある。変異種のだったけど。ちょっと手綱を持ってて!」


凛「わかった!」


慧は馬車の屋根上に行き、銃を構えた。


慧『魔弾』 純粋に魔力を込めた弾をグーネに当てる。グーネに風穴があきその場に倒れこんだ。

      馬車はグーネを踏みつけ大きく傾く。


凛「ちょっと!私真っ直ぐしか進めないよ?手綱持つことしか出来ないから!」


慧「ごめん!考えが及ばなかった!凛!前!」


目の前が暗闇に包まれる。それと同時に馬車が揺れる。


凛「何が起きてるの!?慧!周り見える?」


慧「いや!何も見えない!凛照らしてくれる?」


凛『光玉』 馬車の周りを照らし出す。黒い手の様な物が馬と馬車を持ち上げている。その先には大きくて黒い口が見える。


慧「やばい!『爆発連弾』」慧は黒い手に攻撃する。黒い手は砕け散り跡形もなく消えた。


凛「前は任せて!『光纏』」凛は剣に光の魔力を纏わせた。大きな口が馬を噛もうとしている。凛は前に飛び出し、口を縦にぶった斬った。口は跡形もなく消えた。慧は馬車を止めた。


凛「一体何の魔物?」


慧「分からない…とりあえず倒せたのはいいけど道からそれてしまったみたいだね。」


下を見てみると道がない。


慧「どうしようって考えさせてくれる時間もくれないのかこの森は!」


馬車の周りにグーネが複数体近づいてきている。慧は馬車を直進させる。


凛「馬車の跡を辿れば元の道に戻れると思う!今度は私が馬車を守るから操縦はよろしくね!光の精霊よ!我が身に宿りし光の力を解き放ち糧とする!光の精霊バルドを今解き放たん!」


光とともにバルドが現れた。

バ「何のようだ?」


凛「今森で迷子になって馬車の跡を戻るから、その跡がどう続いているか教えて欲しいの!」


バ「我を道案内役として使うなど前代未聞だぞ!?」


凛「ごめん!それどころじゃなくて!」


バ「はぁ。仕方ない。こっちだ慧。」


慧「はい!」


慧は馬車を方向転換させて走り出す。バルドは慧を導き、凛は飛び掛かってくるグーネを斬り伏せる。凛はまるで防衛ゲームをしているかのように次々に移動して防衛対象の馬と馬車が傷つかないようにしている。


バ「ん?行き止まり。いや、こいつはモクメンだ。慧!この木を吹っ飛ばせ!」

馬車の跡が消えており、目の前には大きな木が立っている。


慧『爆発連弾』 爆発弾を連射した。その木に顔が現れた。そして木の枝を慧の放ったボム連弾に向けて伸ばし、自分自身が傷つくのを防いだ。


凛『光聖剣』


凛が馬車から上空へ飛び出し、モクメンは真っ二つになり道が開けた。凛は馬車に戻る。


バ「よくやったと言いたいところだが、この辺はモクメンだらけの様だ。跡を辿りたいところだが、少々厄介な事になったな。馬車を止めればここで魔物の大群と戦う事になり、このまま進み続ければまともに跡を追えなくなる。どうする?」


凛「前に進もう!消耗戦は数が少ないこっちが不利だから。」


バ「慧!お前にも力を貸す。存分に使え!モクメンの弱点は顔部分だ!」


慧「ありがとうございます!『光聖砲』」


慧は光の光線を顔に向けて撃った。モクメンは枝でガードしようとするがそれを貫通して顔を撃ちぬいた。モクメンは木のように動かなくなった。その隙間を抜けていく。


バ「それにしても魔物の様子がおかしいな。統率されているような感じがする。変異種でもいるのか?」


凛「何あの前の大きなキノコ?」目の前に大量のキノコが道の邪魔をしている。


慧『光聖砲』

大きなキノコを慧が攻撃する。キノコから胞子が飛び散った。更に他のキノコが動き出した。


バ「あれはマノコだ!胞子は吸うな!眠気、幻覚、麻痺のどれかになるぞ!あの数は厄介だ。周り道するぞ!」


凛「でも完全に道見失っちゃうよ?」


バ「なら胞子を食らって動けないところを殺されたいか?」


凛「よし!慧とりあえず右に迂回しよう!」


慧「分かった!」


凛たちはマノコを避けた。他の魔物たちを倒しながら森の中を進んでいくと、少し開けた場所に出た。そこには大きな木が真ん中にポツンと立っている。他の魔物は開けた場所まで追ってこなかった。


凛「やっと一息つける…。」


慧「そうだね…。」


2人は倒れ込む。


バ「油断するなよ?あの木は何かある。」


バルドの言葉通り、木の上から何かが落ちてきた。顔も何もない表面がツルツルの人形だった。その人形は凛たちと同じサイズで宙に浮いている。そのまま動かない。


バ「あれはシュームか。」


慧「シュームですか?」


バ「うむ。命令された場所を守る人形だ。これを作った奴が魔物を操ってるのかもしれんな。」


凛「ならこの人形を倒してこの辺りを調べれば何か分かるかもしれないね!」


?「!」

フードを被り、紙袋を抱えた人影が一瞬森から姿を現したが、凛たちに気づくと森へ消えていった。


凛「今反対側に人影が見えた!すぐ森に消えてったけど…。」


慧「僕は分からなかったな。またグーネじゃないかな?」


凛「うーん。何か持ってるように見えたけどな。ちょっと様子見てみる!」


凛が一歩足を出した途端にシュームが動き出した。シュームは周囲の地面から体を形成していく。大きさが凛たちの2倍の大きさになった。手足には爪が生え、顔にも目はないが牙が生えている。


シュ「アアアアアアアア!」

 シュームは雄たけびを上げる。すると、地面から尖った岩が隆起して凛を襲った。凛は空に打ち上げられた。シュームは凛に向かって跳び上がる。


慧「危ない!『光聖砲』」

シュームに攻撃する。直撃して右腕が消し飛んだ。シュームは左手で凛を地面に叩き落そうとする。


凛『光聖剣』

シュームの左腕を斬ったが、瞬時に修復されて凛は攻撃を食らい地面に叩き落された。シュームは地面に着地するとまた地面から右腕を作り出した。


慧「凛大丈夫?」


凛「なんとか…。まだ戦えるよ!バルド。どうやって倒したらいいの?」


バ「跡形もなく吹き飛ばすか、核を壊すかだ。核がどこにあるかは分からんがな。」


凛「ここで2人共消耗するのは得策じゃないから、私が倒すよ。この後に敵がいるかもしれないし、この森から逃げるにも慧が動けた方が都合が良さそうだしね!」


慧「分かった。頼んだよ凛!」


シュームは雄たけびを上げている。地面が隆起して大きな土の塊が出来、凛たちを押しつぶしにかかった。


凛「バルドお願い!」


バ「仕方ない。行くぞ!」


凛&バ『フェアリーリンク』


凛は土の塊を木端微塵に斬り裂いた。そのままシュームに向けて走り出した。シュームは凛を捕らえようと土の手を作り出すが、凛を捕まえる事が出来ない。シュームは雄たけびを上げた。すると目の前の地面が巨大な波のようになり凛を覆いつくそうとした。


凛『獅子光聖剣』


凛の技はシュームの技諸共シュームを跡形もなく消し飛ばした。フェアリーリンクは切れ、凛はその場に座り込んだ。


慧「大丈夫?流石だね!」


凛「うん!ありがとう。でも、魔力が切れたみたいで体がだるいから馬車で休ませてもらうね。」


慧「分かった。僕は少しこの辺を見てみるよ。何かあったら呼んで!」


凛は馬車に乗り横になった。慧は真ん中の大きな木を調べることにした。


慧(ここをあの人形が守ってた所だから何かあるだろうな。)


慧が木の裏側に回ろうとした時、馬車に魔物が近づいているのが見えた。慧は銃で敵を倒しながら馬車に戻った。


凛「さっきはここまで魔物が来なかったのに…シュームが森の主だったから?」


慧「分からないけど逃げないとやばいね。」

 (さっき木の裏側に扉が見えた気が…気のせいかな?)


凛たち馬車を動かした。


凛「私も少しは戦えるから!」


慧「やばいとき言うから少しでも休んでて!」


凛「了解!」


凛たちは正直どこを走ればいいか分からなかった。ただ、魔物から逃げるのに必死だった。


慧「何あれ?」


目の前に白い人影が見える。そして、右に指を指している。


凛「あっちに行けって事かな?」


慧「信用できるかな?」


凛「信じてみよう!どうせこのままだと私達…。」


2人は白い人影を信じることにした。右に曲がり走っているとまた白い人影。今度は正面を指している。その調子で白い影の指示に従っているうちにオレンジ色の光が見えてきた。白い人影はその方向を指している。オレンジ色に包まれたときそれは森の外だった。


凛「やったー!森から出れた!」


慧「助かった…あの白い人影には感謝だね!」


凛「ほんとだよ!精霊だったのかな?まさか幽霊じゃないよね…。」


慧「どうなんだろう?異世界だから何でもありな感じするし。」


凛「そう言われたら弱いな~。幽霊でも今回は感謝しなきゃ!あ!街が見える!」


慧「急ごう!」


2人は遂に街の門まで到着する事が出来た。街は石で出来た壁に囲まれている。


門番「何用でここに来られた?」


凛「ルイセの森で迷ってしまって、ギルドの依頼でトハマホの村を探していたんですが…。」


門番「おお!トハマホの村はここです!中へお入りください!」


門が開いた。2人は村の中へ入った。村の真ん中には大きな鐘が見える。村の家々は石や木で出来ている。外で見た印象と中で見た印象が少し違った2人だった。村はかなり大きい。田畑があり、家畜が放牧されて、お店もある。村の人たちは挨拶してくれ、皆優しそうな雰囲気だった。


凛「のどかでとても良いところですね!」


門番「はい!王都には負けるかもしれませんが自慢の村ですよ!いつでも遊びに来てください!」


慧「そうします!」


門番「さあこちらが村長の家です!私はこれで…。」


2人は村長の家を訪ねた。村長の家からは老夫婦が出てきた。老夫婦は家に招き入れた。


シ「私が村長のシブロウ・ルブです。そしてこっちが妻のミスカ・ルブです。」


ミ「よろしくお願いいたします。」


凛&慧「よろしくお願いします!」


シ「早速ですが、依頼の内容を説明されて頂きます。魔物退治をしてもらいたいのですが、少々問題がありまして…。」


慧「問題というのは?」


シ「最近…というのも一か月前くらいですが、魔物が意思の疎通を図っているかのように感じるんです。一般的には違う魔物同士だと殺しあったり、そもそも興味すらないはずなんですが村を襲いに来たり、ルイセの森で集団で襲い掛かって来るのです。物資の行き来も困難になり、自警団だけではとても太刀打ち出来ずにいるのです。」


凛「バルドの言ってた通りルイセの森に何かあるかもしれないね。」


慧「そうだね…。」


ミ「あのフードを被った男が来てからじゃ。」


シ「ミスカや…人を疑うのは良くないぞ。」


ミ「じゃが、村の者もルイセの森でフードを被った男を目撃しとるという話ではないか?」


凛「私もこちらに来る前に森で人影を見ました!」


慧「それがフードの男かもしれないね。何か持ってたって言ってたし。」


シ「それだけで判断するにはいささか早計過ぎる。」


ミ「あのフードの男が現れたのも一か月前じゃ!」


シ「ただ買い物に来るだけじゃろう。」


ミ「なぜフードを被る必要がある?人様に顔向け出来ないことがあるんじゃないかの?」


シ「それは分からんが…。」


慧「お2人共落ち着いて下さい。」


シ「お見苦しい所をお見せしました。申し訳ありません。」シブロウとミスカは頭を下げる。


凛「お気になさらないでください。魔物討伐もフードの男も任せて下さい!」


慧「フードの男はこの村に買い物に来るんですよね?」


シ「はい。食料や必需品、瓶等買っていきます。」


慧「そうですか…次村に来た時話を聞いてみます!」

 (瓶…森…何か薬でも作ってそれで操っているのか?)


シ「そうして頂けると助かります。ところでお2人のお名前は?」


凛「すいません!名乗ってなかったですね。私は清水凛です!」


慧「僕は杉本慧です!」


ミ「まさか勇者様と眷属様ですか?」


凛「まあ一応…。」


シ「ありがたやありがたや。勇者様方に任せれば安心じゃ!」


凛と慧は宿に案内された。2人はそれぞれの部屋に行き一夜を明かした。朝起きると周りが騒がしい。2人は村に何かあったのではと急いで宿を飛び出した。宿の外には村の人が人だかりを作っていた。


村人A「あんた達が勇者様方かい?」


凛「そうですが…。」


村人A「勇者様方を一目見ようと村中のもんが集まってきたんだ!驚かせてしまったみたいですまんな!」


慧「いえ。何事もなかったみたいで良かったです!」

 (噂が広まるの早いな。王都もだったけど…。)


村人B「まさかこんなに若い人達だったとはね~。よろしく頼むよ!」


村人C「これは村で祭りをせねばならぬな!」


凛「そこまでしてもらわなくても…。」

 (お祭り!嬉しい!)


村人A「いいや!こっちの気がすまねぇ!ほらお前たち!祭りの準備するぞ!」


村人一同「おーーー!!!」


シブロウ曰く祭りの準備に数日かかるという。凛たちはその間に村の周辺やルイセの森の魔物を倒して回った。ルイセの森にいると思われるフードの男を探すことも出来たが、また迷っても困るという事でやめた。

そして祭り当日となった。村人たちは広場に集まっている。広場には所々壊れているが手入れの行き届いた人型の石像がある。それを御神体のようにお供え物や炎が起こされている。その周りにみんなが食べるごちそうが並んでいる。村人たちは浮かれている。


凛「慧!どうかな?」 凛と慧はこの村の衣装に着替えていた。


慧「す、すごくいいと思う!」

 (カワ(・∀・)イイ!!)


凛「ありがと!慧も似合ってるよ!」


慧「ありがとう!日本のお祭りとはちょっと違うけどやっぱりいいな~。」


凛「うん!楽しい!私の親が厳しくてさ、最後に行ったの小学生の時なんだよね。将来に必要ないって…でもさ、いろんな経験をすることで人って成長すると思うんだよね。」


慧「そっか。やっぱり親御さんは厳しいんだね。僕も経験って大事だと思う。考え方とか見える世界が変わる気がする。」


シ「どうですかな?楽しんでおられますかな?」シブロウが声をかけてきた。


凛&慧「はい!」


凛「あの石像は何ですか?」


シ「あれは、村の守り神として祀っているイチ様です。」


慧「イチ様ですか。」


シ「実は本当の名前は分からないのです。名前を削り取られており、一しか残っておらずイチと呼ばれております。大昔からあるんですが、なぜ守り神なのかなぜ名前が削り取られているのかも分からないのです。今となっては修復しようにも原型が分からず…。」


凛「それでも大切になさってるんですね!」


シ「過去何百年も村の中に魔族や魔物が入って来てませんからな。イチ様のおかげです。」


凛「私達も魔物を倒して、この村を守ります!」


シ「期待しておりますぞ!ではこれで。楽しんで下さい。」 シブロウは去って行った。


凛「ねえ!向こうで踊ろ!」


慧「え!?踊った事ないよ!」


凛「私もないよ!でも踊りって自分が好きなように表現すればいいんじゃないかな?」


慧「ううん。僕はいいから踊ってきなよ。」


凛「もう!意気地なしだな~。分かった!踊ってくるよ!」


村人A「おお!勇者様も踊るのかい?」


凛は自分の気持ちを表現した。村人たちが沸き上がる。慧は見とれていた。凛は踊り終わると慧の所へ戻ってきた。


凛「ほら!一緒に行こ!人生楽しも!」凛が手を差し伸べる。


慧「ふぅ。分かったよ。踊ろう!」


慧が凛の手を取ろうとした時、フードの男が現れた。


慧「凛。例の男だ。」


凛「せっかくだけど、お話を聞きに行かなきゃね!」


2人はフードの男の所へ行った。


凛「すいません。大変失礼なお願いかもしれませんが、フードを取ってもらうことは出来ませんか?」


男は首を横に振った。


凛「なぜですか?」


慧(なんか率直すぎる( ゜Д゜))


男「買い物に来ただけだ。顔を見せる必要もない。」


凛「私ルイセの森であなたを見たんですけど何をされてるんですか?」


男「!」「見間違いじゃないのか?」


凛「村の人たちもあなたを目撃してるんです。」


男「何をしようがわ、俺の勝手だろう。大体お前たちの方が怪しいな。この村の者ではないだろ。」


凛「私達はギルドの依頼で来てるんです。村長さんから魔物の様子がおかしいと…心当たりありませんか?」


男「ないな。残念ながら俺じゃない。用は済んだろ?先を行かせてもらう。」


村人B「勇者様ー!また踊ってください!」


凛「はーい!今行きます!」


男「勇者!?」


男は猛ダッシュで村の門に逃げだした。


凛「え!?ま、待てー!」


2人は男を追いかけた。門は閉まっている。男は門の上に登り飛び降りてルイセの森に走って行った。凛たちも門の上から飛び降りて追いかける。男は森の中へ入って行った。凛たちもすぐ後を追う。不思議と魔物がいない。


慧「待てー!」


男は前回シュームと戦った開けた場所に出た。そこへ凛たちが追いつく。


凛「追いついた!もう逃がさない!」


男「なんで追ってくるんですか!?」


慧「逃げるから!」


男「もう!ただ買い物に行っただけなのに…。」


男はフードをとった。


凛&慧「え?」


フードを取ると中は歳が変わらないくらいの女性だった。


凛「え…。どういうこと?」


慧「男…。女…。」


セ「女の子です!名前はセラフィ・テコットです!フードを被ると相手に男だと錯覚させる魔法を付与してるんですよ!」


凛「えっと~テコットさん。なんで逃げたんですか?」


セ「そ、それは私が極度の人見知りだからですよ!しかも勇者様なんて緊張しすぎて逃げるしかないじゃないですか!フード被った男の人なら話しかけられないと思ったからやってたのにひどいです!」


慧「すいません。でも何か薬を作ってるんじゃないですか?」


セ「なぜそれを?」


慧「あなたが魔物を薬で操っているんじゃないかと疑ってるんです。」


セ「ひどいです。確かに薬を作ってますが、魔物を操る薬なんて私が作れるわけないですよ!それに本職は魔法使いですし。」


凛「魔法使い?ほとんどの人が魔法使えますよね?それならみんなが魔法使いなんじゃ…。」


セ「そう考えたら皆さんが魔法使いかもしれません。魔法使いは新しい魔法を適材適所で作り出す人達を言います。魔法の知識が必要になってきますけどね。普通は自分の感覚で魔法は出来ますからあまり気にする人がいませんが、魔法使いはその力を究明しています。」


凛「騎士団の人達はみんなそうなのかな?」


セ「あの方々は他の人と次元が違うのでなんとも言えませんが、魔法を究明すれば自分と違う属性の魔法も使えます。更に、新しい魔法を作れるので便利ですよ!お2人に壊されましたが魔物が嫌う匂いを放つ魔法をかけたシュームとかいい例です!それに、騎士団長並みの火力を出すことも出来ます!」


凛「それで魔物が襲ってこなかったんだ。シュームは壊してしまってすみませんでした!」


セ「大丈夫です!また作り出したので!」


慧「なんでこんな所で薬を作ってるんですか?」


セ「ここの薬草は効能が良いのでここで薬を作って王都で売って生計を立てています。それで誰もいないこの森で魔法の研究をして、買い物は近いトハマホの村でという感じです。」


凛&慧「疑って申し訳ありませんでした!」


セ「疑いが晴れたみたいで良かったです。」


凛「村の人にはいい人だって言っておきます!」


セ「そ、それは…。話しかけられるのと、得意じゃないですので。」


凛「そこは上手い事伝えておきます!」


セ「あ、ありがとうございます!」


慧「なら、変異種がいるって事か。一刻も早く見つけて倒さないと。」


カンカンと警鐘が聞こえてきた。


凛「これは村の鐘の音!?」


慧「何かあったんだ!早く戻ろう!テコットさん!危ないのでここにいて下さいね!」


セ「…。わ、私もい、行きます!お2人はさ、先に…。」


凛「分かりました。危なかったら逃げてください!」


凛と慧は鐘のなる方へ走り出した。少しすると村の鐘の音がなくなった。


慧「問題が解決したのかな?」


凛「どうだろう?何事もないといいんだけど…鐘の音がなくなったから道標がなくなっちゃった。」


するとまた白い人影が出現し、指を指している。


凛「もしかしてこれテコットさんの魔法なのかな?」


慧「そうかもしれない。これで村に行ける!」


2人は森から出ることに成功した。村を遠目から視認した。門が開き村からは火の手が上がっている。


凛「間に合って!」







                               To be continued


おまけ


凛「大事なことに気づいたんだけどさ。食料とか水持ってきてないよね?」


慧「な!」


2人は魔物の肉を焼いて食べてみることにした。


凛「見た目は美味しそうだね!後は毒があるかどうか…。」


慧「少しだけかじってみようか。」


2人は少しだけかじった。すると軽いめまい、頭痛、体の痛みに襲われた。数時間で気分は戻ったが、もう二度と魔物の肉は食べないと誓った。


ちなみにこの世界では元の世界で肉食動物、雑食動物が魔物。草食動物が人間の食べられるお肉。という食物連鎖になっている。もちろん例外はいる。



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