第7話
今、私は遺体を埋葬している。
特に何か変わった事も無かったがさっき昼食を食べたときにメアが、
「スキルとかの説明は見たの?」
と、言ってきた。当然私は何も知らなかったので、説明される事になった、まぁ説明と言ってもただスキルを押すとスキルの効果と説明が書いてあると言うだけだが。
私のスキルはこんな感じ、
【観察】 物事の見る力が高まる。また見るだけでえれる知識が増える。
【毒耐性小】 効果の低い毒に対して耐性を得る、僅かな毒なら無効化できる。
【投擲】 ある程度の大きさまでの物に投げる時補正が付き、対象に当てやすくなる。
エクストラスキル【生命維持】
生命の危機から逃げ延びた者に与えられるスキルであり、一日に一度だけ致死量のダメージを喰らっても、1で耐える。
生命維持はとても有効的なスキルであるとも思うが、何か記憶がなくなる前に命の危機があったのだろうか?
(まぁここで考えてても仕方ないんだけどね、)
「まだまだ頑張らないと!」
「よし、この人で最後だね。」
そう言って私はお墓の前にしゃがみ、手を合わせた。
(安らかにお眠り下さい。)
祈り終わり立ち上がった時だった。
『数値が一定に達しましたスキル【聖魔術】がセットされます。』
『スキル【聖魔法】を獲得したことによりスキル【毒耐性小】が、【毒耐性中】に進化しました。』
「おおっ!やったぁ魔法が貰えたのかな?」
「えっと【ステータスボード】っと、あれ?魔術ボードって言うのが増えてる。」
【聖魔法】(レベル1)
使える魔法
レベル1 《ホーリー》 死霊系統にダメージを与えることの出来る光を出す
レベル1 《ヒール》 体力が30程回復する。半径3メートル以内ならだれにでも使うことができる。
「やったぁ、回復が出来るのはでかいね!」
「どうかしたの?エリカお姉ちゃん?」
「ふふん、何と魔法を覚えたの!」
「ほんとに?凄いなー」
「あれぇメアあんまり驚いてなくない?別にそんなに凄くないのかな。」
私が少ししょんぼりしながらそう言うとメアは慌てた様子で首を振って否定してきた。
「そんなことないよ! ただ私魔法使うのに憧れてるから驚きよりも、いいなーって気持ちが上回っちゃって。」
メアは何故か少し恥ずかしそうにモジモジしながら私にそう言ってきた。
「何で照れてるの?」
「それは……………そんな事はいいから!なんの魔法覚えたか教えてよ!!」
完全に話を逸らしに来たのは分かっていたが少し可哀想なので説明をしてあげることにした。
「うんえっとね、覚えたのは【聖魔法】で、使えるのは
《ホーリー》と、《ヒール》だよ。」
「使って見ようか?」
「え、お姉ちゃん使えるの?魔法は覚えても中々使えないって聞いた事があるけど。」
その言葉にエリカは勿論初耳だったので驚いてしまった、普通すぐに覚えたら使える物なんだと思っていたからだ。
「そうなの!? まぁやるだけやってみるね。」
「頑張ってお姉ちゃん。」
(えーと取り敢えず集中しよう。……………そして魔力を光に変えるイメージで、)
「《ホーリー》」
そう唱えると手のあたりから中々の強さの光が飛び出していった、その光はどこか少し暖かった様に思えた。
「出来ちゃったよ?」
「出来ちゃったみたいだね。」
『数値が一定に達しましたスキル【魔力操作】がセットされます。』
「何かスキルゲットしたし。」
「まぁ深く考えててもしょうがないよお姉ちゃん。」
「そうだね。今はこの後どうするかを考えないとね。」
そして今家に戻って来ている訳だが中々どうするかが決まらない。
「んー街に行くのは確定としてもどっちの方向に行くかが決まらないなぁ。メアはどこか行ったことある街とかないの?」
「えーっと1回だけお母さんと一緒にセフィランの街に行ったことがあるよ。」
「そこって近いのー?」
「確か馬車で半日も掛かってないくらいだったから、そんなに遠くないと思うよ。」
普通ならもう少し考えるところだが、
「よしそこ行こう、」
エリカは少し面倒くさがりだった。
「じゃあ明日はセフィランに向けて出発だね。」
「うん、そうだね。 あ、そうだメアって私より知力あるよね?魔力もそこそこあるし【魔力操作】覚えられるんじゃない?」
「無理じゃないかなぁ、そんなに簡単じゃないと思うよ?」
「まぁまぁ、少しだけやってみようよ、分かった?」
「うん。」
「それじゃあ集中して、自分の中に血みたいに魔力が流れているイメージをして。外にだすイメージだよ!」
「すぅーはぁー、……………………………えっい!」
メアが手を振りかざした瞬間手から何やら透明なものが飛び出し草が揺れた。
「え、出来ちゃった。それに何か【魔力操作】だけじゃなくて【無魔法】もゲット出来たみたい。魔力を扱うのって簡単なのかな。?」
「きっとそうなんだよ!」
実際魔力を扱うのはこんなに簡単ではない、もしこんなに簡単ならこの世界は魔法使いで溢れているし、こんなに困ってもいない。 ともかく、普通の魔法使いが数週間は必要な修行を圧倒的なセンスだけで二人は一発でクリアしてしまったのだ。
私が記憶をなくしてから3日目の朝だ今日は街に行くために準備をすることにしている。
「えっと、基本的にこのバックとメアのバックと短剣、あとは食料だけでいいんだけど。コレどうしようか?」
エリカの目の前には村にあった硬貨があったそれぞれ
鉄貨が26枚 銅貨が14枚 銀貨4枚 金貨7枚と、
ぜんぶで75660メルもあった。
「お姉ちゃんが持っていって良いと思うよ?どうせ置いてっても盗賊に取られたりするだけだし。泥棒にもならないから。」
「やっぱりそんなもんだよねぇ。」
「そんなもんだよ。」
「じゃあ有り難く生活の資金として使わせて頂こうかな。」
(さて今はまだお昼よりも前だしな、今日の内に出発しちゃうかな?)
「じゃあ行こうかメア、」
「うん。」
そう言ってメアは歩き出したが、何かを思い出したのか、呟いた。
「あ、そうだ。」
「メアどうかしたの?何か忘れ物?」
「ううん、違うよ。でもこれだけは言わないとね。」
「行ってきます!!」