第6話
時間が!たりない!
私は今穴を掘っていた。お墓を作る為である。メアには今手頃な、石や木などを拾ってきてもらっている。
「ふー、結構疲れるなぁ今これで19個目かー」
メアに聞いたらこの村はメアを入れて40人しか居なかった見たいなので、39個の穴を掘っている。
「少し掘るの辞めてメアの様子を見に行くかな。」
「メアー!どう?集まった?」
「あ、エリカお姉ちゃん。うん、この位の数で良いかな?」
そこには顔程の石が50個程置いてあった。
(うん、これなら足りそうかな、)
「大丈夫だよ。こっち手伝ってくれる?」
「分かった。」
そんなこんなで時間が経ちすっかり夜になってしまった。
「メア続きは明日にしようか、今日は家に戻ろ。」
「うん、」
メアは少し寂しそうに頷いた。
(今日だけで穴も掘り終えたし、明日には全部終わるかな。)
そうしてエリカはメアと一緒に家に戻った。
「そう言えば食事はどうしようか、水は沢山あるけど。」
「大丈夫だよ、村のには備蓄してある食料があるからね、少しだけ待ってて」
そう言ってメアは走って行った、………暫くするとメアは戻って来たがその手にはパンが握られていた。
「はい、コレ少し固いけど全然食べれるから今日はこれ食べようよ。」
「ありがとうメア。じゃあいただきます。」
(凄いバリバリしてるけど不思議とそんなに固くないんだね?不思議だなぁ。)
そうしてパンを囓っていると不意にメアが聞いてきた。
「そう言えば、エリカお姉ちゃんの個人図鑑は何に?」
「個人図鑑って何?……あぁもしかして【世界図鑑】これ?」
そう言って私は世界図鑑を出現させると、
「エリカお姉ちゃん凄い!世界図鑑を持ってるんだ。」
何故かメアがとても大きな反応で返してきた。
「えっと普通は使えないの?」
「エリカお姉ちゃんは個人図鑑のことも忘れてるの?」
「えっと多分。」
メアが少しだけ呆れた目で見てきた為少し申し訳なくそう返した
「えっとね、個人図鑑って言うのは人族が生まれたときに一人一冊持っているんだよ。例えば私の場合【植物図鑑】を持っているから、その植物にある程度知識を得ればその植物が図鑑に載るの。」
(なるほどー。)
「他にはどんな図鑑があるの?」
「他には有名なのだと【魔獣図鑑】や、【鉱物図鑑】とかだよ。稀に凄く特殊なのもあるって聞いた事もあるけど。」
「そうなんだ。人それぞれ何だね、えっとで【世界図鑑】は?」
「うん世界図鑑って言うのはねとても珍しい上に凄く便利で、多分持っている人は一万人に一人も居ないって言ってた。」
「えーとそんなに便利なの?」
「それは勿論!だって普通私の【植物図鑑】だと植物についてしか分からないけど【世界図鑑】なら神が決めた物なら植物でも、魔獣でも魔術でも分かるって事だよ?ただし神が決めた物だから、街の名前とかは乗ってないけどね。」
結構凄い事なんだと思いながらもどっか人事の様に感じていたエリカだったが、次にメアが言った言葉もまたエリカにとっては爆弾だった。
「エリカお姉ちゃんもしかしてステータスボードも忘れてるんじゃ。」
「ステータスボード、何それ?」
「やっぱり、」
メアは呆れと言うよりもどっちかと言うと困惑していたが何かを悟ったのか、メアがこっちに同情の視線を飛ばしてきて、
「エリカお姉ちゃんも結構大変だね。」と言った。
「何で私はメアに同情されているの?」
「大丈夫だよしっかり私が教えてあげるから。」
(はぁ、まあ教えてくれるならいいかな。)
「えーとじゃあ説明するね、ステータスボードって言うのはねこれだよ。」
そう言ってメアは空中に浮かした白い板を見せてきた。
名前 メア レベル2
年齢 9歳
職業 村人
体力86/86
魔力20/20
攻撃∶6
守備∶5
速度∶7
知力∶14
器用∶9
武器スキル なし
魔術スキル なし
スキル
【家事】 【解体】 【毒耐性小】
エクストラ 【植物図鑑】
「コレがステータスボードだよ。自分のスキルや能力を見る事が、できるの。」
「すごいなぁ私も見れるのかな?やってみよう。、どうすればいいの?」
「心の中でステータスって念じれば良いはずだよ。」
(よし。【ステータス】あ、出てきた)
名前 エリカ レベル4
年齢 14歳
職業 短剣士
体力136/136
魔力57/57
攻撃∶19(+8)
守備∶10
速度∶17
知力∶8
器用∶15
武器スキル
【短剣術】
魔術スキル なし
スキル
【毒耐性小】 【投擲】 【観察】
エクストラ 【世界図鑑】 【生命維持】
ERROR 【Error】
「私ってこんなにスキル持ってたんだなぁ、ってあれ?」
「どうかしたの?」
「いや、何か変なのがあって一つだけErrorってなってるんだよね、」
「そんな事聞いた事もないなぁ記憶喪失だからじゃないかな?」
(確かにそうかもしれないしそんなに気にしててもしょうが無いから、今は気にしないで置くか)
そうこの時エリカは考えるのを諦めて寝むってしまったのだ。
そう、(そういえば私の名前って、エリカであってたんだ。)そんなことを考えながら。
コレが後々大変な事になるとは知らずに。
翌朝私は目を覚ました。隣ではまだメアが眠っている。
「起こしたら可哀想だから何か取ってくるかな。」
私がシリビアの実をとってきて家に戻るとメアはもう起きていた。
「あ、!エリカお姉ちゃん、心配したよぉ」
「ゴメンゴメン、起こしたら悪いと思ったからね。」
「じゃあさっさと食べて今日中に終われせようか。」
「うん!」