妹がぁぁぁぁぁぁ!?
セルネアス王国の外れにある一軒家。
この家には私と妹が住んでいる。
住み心地は少し悪いけどそれ以外の文句はない。
地下の研究室は私のお気に入りの場所。
今日もまたここで魔法の研究をしている。
「んー……付与魔法の基本原理がこうだから……そこに人体を対象にするスペルを組んで……」
ダメだ。思いつかない。こんな時には愛しの妹を抱きしめて妹ポイントを補給しなければ……
そうと決まればすぐにでも妹の部屋へ!
テレポーテーション!
視界が光に包まれる。目を開けるとそこは妹のケリーの部屋だった。だが、肝心の妹はどこにも居ない。変だと思いながらも部屋から出て階段を降りる。とりあえずお昼頃というのもあり何を食べようか考えているとリビングのテーブルの上に一枚の紙が置いてあるのに気付く。
紙には妹の字で
しばらく家を留守にします。
心配しなくても構わんぞ!変態な姉よ。
妹より
と、書いてあった。
「え!?私は何も聞いてないのだけど……と、とりあえずテレポーテーション!……範囲内に居ない」
一人で慌てていても何も解決しない。分かってはいるが妹が突然どこかへ行ったのだ。姉として放っておくことも出来るはずがない。
「そ、そうだ。クエスト掲示板に依頼書を書いて貼ればきっと」
いや、待てよ。美しい黒髪を腰まで伸ばしたあんな可愛い美幼女をもし変態が見つけたら……。
それだけは阻止せねば何としても私の手で妹を見つけ出さなくては……となれば、着替えてすぐにでも探しに出なければ!
普段は着ない外行き用の服をロッカーから取り出し着替える。その間も妹が行きそうな場所をある程度絞込みをしていた。
「そう言えば一ヶ月ほど前に新しい友達が出来たと言っていたな……確か、ブリアンナとか言う名前の女の子だとかなんとか……」
とりあえず聞き込みをしながら探すことにしよう。
着替えを終えて玄関までやってきたところで謎の寒気を感じた。
それは単なる恐怖心などではなく。もっと大きく強大な存在がここに来る気がした。
でも、そんなものはすぐに忘れて私は靴を履いて外へ駆け出した。
「おっと危ない。鍵をかけ忘れる所だった」
この度は私の小説を読んでいただきありがとうございます!
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また、他にも7作品投稿していますのでそちらの方も目を通して頂けると嬉しい限りです。