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決心

「さて、これからのことを考えるとやっぱり戦い慣れていたほうがいいよね」


僕が、ミユのもとでお世話になることが決定したあと

僕は夕ご飯を頂いて、疲れが残っているだろうということでこれからのことは明日また話し合うことになった

いい感じの疲れのおかげでゆっくり眠ることができた


そして、朝

ミユが放った言葉がこれだった


「ここは、モンスターもかなり多いしね。生きるのであれば強くならないと」


ミユは笑顔でそう言う


いやいや、笑顔でそう言うじゃなくて


戦う?強くなる?

僕が?

確かに過程はいいとしてこういう世界にやってきたのだ

モンスターとかと戦ってみたいと思わないわけでもない

でも、でもだよ

急過ぎるんじゃないかな


「確かに、急すぎるとは思うけど強くなっておかないといざというときに動けないと危ないよ」


言ってることは分かる

って、あれ?


「僕が考えていることなんでわかったの」


そう僕が問うと、彼女は面白そうに


「顔にそうかいてあったよ」


顔に出ていたらしい、そうかそうか気をつけなければ


「あと、多分この世界の文字も分からないよね?ユキは今日から戦う訓練と文字の勉強をしようか!両立だよ両立」


両立か、全く素晴らしい言葉だと思います

いきなり戦うのは怖いけど

戦いたくないと反抗しても結果は目に見えている


「分かったよ、両立、戦闘も勉強もやるよ……これからよろしく」


ミユは、心底楽しそうに頷き言った


「うん、よろしく」   





それから僕とミユは、食事とトイレを済ませ

外に出た


ちなみに僕が今、着ている服(毛皮の服)はミユからもらった

なかなか暖かい


ミユと僕のいた家から遠く離れて

僕たちは、モンスターがいるであろう場所に移動を開始していた 


「……いやでも、やっぱりこの服着てても寒いなぁー」


僕が、クローベアに襲われたときとは違って

今日は、すっかり晴れていた

それでも寒いものは寒い


「いつか慣れるよ」


ミユは、そう言ってくれるが

慣れるものなのだろうか……




 


そんな感じで、ミユと話しながら移動していると

あっという間にモンスターがいるであろう場所に着いた


「うわぁー」 


思わず声が出た


そこには、いろいろなモンスターがいたからだ

白い毛皮を纏った獣

尻尾が異様に伸びている猿

嘴が大きい鳥


などなど


ミユは


「今日は本当にいっぱいいるね、どれと戦ってもらおうか…………ん、あれなんかいいんじゃないかな?」


と、白い馬に立派な角の生えたモンスターを指差す


「あれは、ユニコーンっていうレベル10くらいのモンスターだよユキなら倒せると思うよ」


「ちょっと、待ってほしい」


いきなり過ぎると思う

本当に

それに僕、今まででケンカとかしたことないよ(記憶喪失だから知らないけど)

そんな、人畜無害の鏡といっても、過言ではないような僕が

いきなり戦うだなんて……


僕は、深呼吸し、こう口にする


「無理です、ごめんなさい」  


心の準備もできてない




そんな情けない僕の様子を見てミユは

安心させるかのような声で



「大丈夫だよ、なにも素手で戦えなんて言わないし」


そう言い、肩にかけてあるカバンの中から


黒い30センチほどの刃物を取り出す

(持ち手12センチ刃の部分が18センチくらい)


その刃物は刃の色も持ち手の色も黒かった

いや、よく見ると持ち手には赤い刺繍が施されている


「武器を持つことによって、不安も少しは薄れるんじゃないかな」


ミユは、僕にその刃物を手渡す 


おお、確かに安心感が違う

いけそうな気がしてくる

それに相手は、レベル10だ 

僕がはじめに会ったクローベアなんてレベル80だぞ


大丈夫、大丈夫…僕なら出来る

 

「ふぅ…」


ユキは、刃物を片手に腰を少し落とす

そして


ユニコーンに向かって一直線に走った

刃物を構え全力で



………ちなみにこれは、あとで知ったことだが

このときのユキのレベルは、たったの1であった 


そんなユキが、レベル10のモンスターに勝てるはずもなく…

 



腹を角で頭突きされ、気絶したのは言うまでもなかった


    












「………っは、ここは」


「お、よかった心配したよ。おなかの調子はどう?」


 デジャヴとはこういうことを言うのか

僕が、最初ここに来たときも(いや、運ばれたというべきか)こんな感じだったと思う

っと、今はそんなことよりおなかだ

思い切りやられたけど

腰を左右に動かし痛くないか確かめる


「おなかは、うん、痛くない」


ミユは、申し訳なさそうに


「そっか、ごめんね。いきなりユニコーンは厳しかったかな」


「いやいや、こっちこそ心配かけてごめん」


ユニコーンについては、あえて触れないでおくけど

だって

恥ずかしいし、





いや、違うな

悔しかったから僕は、その話を避けたんだ

あのとき、

自分なりに全力で挑んだつもりだった 

けど

負けた

完敗だ



悔しい…  

なんでこんな気持ちになるのか 

そんなの分からない







でも……勝ちたい




ユニコーンに?


 

いや、違う




もっともっと強いヤツに




悔しかったから、すごくすごく、悔しかったから


ユキは一度味わったこの敗北感をバネにして


……絶対に強くなってやると決心した

 



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ミユ

レベル 258 

年齢 16歳

身長 156cm

体重 45kg

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