表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/7

[第6話:小さなウソ]

次の日。


藍璃はいつもより早く学校へ行き、連を待っていた。

連はいつも学校に早く来る。それを待っていた。


しばらく席に座って待っていると、廊下でキュッ、キュッ・・・という上履きの音がする。

藍璃は立ち上がり、教室の入り口を見つめる。

ガラッ・・・

連が来た。藍璃は連に走り寄る。連は「?」と首をかしげる。

「あのさ、連。」

藍璃は連に話しかける。

「何・・・?」

連がそう聞くと藍璃は、

「え?あ・・・えっとぉ・・・なんと言うか・・・」

と戸惑う。少しして、

「えっと、悪いんだけど、今日は音楽室に来なくていいから・・・っていうか・・・あたし行けないから。・・・ごめん。」

と言った。連は「え?」といって藍璃を見る。

「え・・・何で?」

連は困ったように聞く。そう聞かれてに藍璃も困ってしまう。まさか、

『咲斗に音楽室に来てって言われたから。連に話してる内容を聞かれたくないし。エヘッ☆』

・・・なんて言えないし。

藍璃は困って、「えっとー、だからー・・・そのー・・・」とブツブツ言う。そして、

「いや。今日吹奏楽部で音楽室使うらしいから。だからー・・・使えないんだ。音楽室。」

というウソをついた。それを聞いて連は「ふーん?」と言った。そして、

「わかった。じゃあ明日?」

と言った。

「え、うん。あしたは行ける。ごめんねー・・・」

と藍璃は笑ってごまかし、自分の席に戻る。そして、

・・・なっ何とかごまかしたぁあ〜!!ふぅ。・・・いや。バレないかな?いやいやいや・・・大丈夫だよね!連はいつも教室で本読んでるし。うん。大丈夫!ふぅ。

と心の中でほっとしていた。


連は今日は音楽室に行けないので、少し落ち込んでいた。・・・藍璃と少しでも話をしたかったなぁ。ピアノも弾けないなんて。はぁ・・・残念。でも明日行けるから、いっか。

と教科書をかばんから出したり、したくをはじめた。



藍璃はボーっと天井を見上げる。・・・そーいや咲斗は何を言うつもりなんだろう。ごめん!とかかな。いや、でもこっちは告白もしてないのに勝手にフラれるとか、何か悔しい。今は連のことが好きで、咲斗のことはもう好きじゃないんだし。うぅー・・・。

頭がモヤモヤとする。




藍璃がその後の授業に全く集中できなかったことは、言うまでもない・・・。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ