そして消えていった
和ホラーにしましたが、洋ホラーでもいけた気がします。
あと、1500字くらいの文章を急いで水増ししたので、どこかおかしいところがあると思います。
これは、とある屋敷で起きた話だ。
俺は大学生で、夏にやることがなかった。
バイトして金を貯めるという気分でもなかったし、実家に帰るというのも味気ない。
そんな時に、興味を惹かれるネットの旅行の記事を見つけた。
それは、
「夏に常夏のリゾートに行きませんか?
青い空!白い雲!そして綺麗な海!
今年の夏は今しかない!素敵な夏を過ごしましょう!
都会の喧騒を忘れ、優雅に過ごして癒されませんか?
ご当地の観光スポットを回ったり、グルメを堪能したり、
都会では体験できないレジャーなど企画は盛りだくさん!
そして、今!この時期にしか見れない美しい景色を見ませんか?
地元住民しかしらない絶景スポットもご案内さえていただきます!
宿泊予定のホテルは高層のリゾートホテルの○○ホテル!
お客様のニーズに答え和式でも洋式でも対応できるお部屋を用意しており、
ご飯では自慢のシェフたちによる海の幸に山の幸と今が旬の食材を
ふんだんに使用した料理をご用意しております!
お風呂は天然温泉を利用した大浴場があり、海を一望できます!
ご希望の方は こちらに 」
俺はその記事の旅行企画に参加することにした。
ちょっとした気分転換であり、ナンパなんてものにも挑戦しようかと浮ついた考えたもあった。
船に乗り、1週間の旅行。今まで貯めたバイト代と夏休み前期にバイトすれば金銭面では問題ない。
気分ウキウキで、楽しい夏休みになるはずだった。
旅行するリゾート地まではバスで近くに港まで迎い、港から船に乗って移動する予定であった。
しかし、港までは安全に行けれたが、運悪く天気が悪くなってしまった。
旅行会社の人は「リゾート地についている頃には雨はやんでいて、問題はないでしょう」という対応だった。
だが、天気は次第にどんどん悪化していき、最終的には嵐になってしまった。船は嵐に巻き込まれて船が沈んでしまった。
俺は命からがらに近くの島にたどり着いた。
急いでいたので荷物は何もない。
そして、どうやら俺と同じように船が沈み、なんとか同じ島に辿り着いた人が俺を含め7人いた。
俺以外の人はまず、女子高生のような制服を着た女の子。
次にサラリーマンなような気の弱そうな初老の男性。
2人組のチャラ男コンビ、とりあえずここは、茶髪のチャラ男Aと金髪のチャラ男B。
あと、70代ぐらいの高そうな紳士服を着た爺さん。
最後にかなりメイクのきついギャルである。
ここで、全員で簡単な自己紹介するが嵐がひどかったので、まずは雨をしのげるところに行こうと話になった。
「あれ、建物じゃないか?」
俺たちが沈んだ船からなんとかたどり着いた海岸から少し離れたところに屋敷がみえた。そこで俺たちはその近くの屋敷に助けを求めることにした。
チャイムを鳴らしたり、ドアを強くノックしたり大声で叫んだりしたが、応答はなかった。
しかし、ドアには鍵が掛かっておらずドアは開いていた。
どうしようかと思ったが、全員が嵐から命からがら逃げてへとへとだったことから、緊急事態だと自分達に言い聞かせて、失礼を承知で上がらせてもらった。
この屋敷はなかなか大きい二階建ての屋敷であり、なんと電気が通っていた。もしかしたらチャイムが聞こえていなかったのではないかということで全員で屋敷中を探しまわったが誰もいなかった。
生活感のない屋敷で、ゴミもなく綺麗に掃除されていた。
もしかしたら、ここのご主人が近い日に宿泊予定で、清掃業者とか家政婦でも雇って掃除をさせていたのかもしれないという、話になった。
屋敷の構造は一階はホールや食堂、キッチンなどで奥には主人の部屋みたいなところがあった。
二階はほとんど客室であった。何部屋かは使用人の部屋みたいで他の部屋より狭かった。
客室は一部屋ごとにトイレと風呂がついているホテルのような感じである。
屋敷の窓から外を眺めたが、嵐は勢いがまだ収まらずいる。
あのまま、船で助けを待っていたらもしかしたら波に流され死んでいたかもしれないな。
窓から見える範囲では近くには家はなく助けは呼べないでいた。
夜になっても明かりの気配もないことから俺たちが辿り着いた島はこの屋敷しかない無人島か島の裏側にしか村とかがないところかもしれない。
俺たちは、嵐から逃げることは出来たが、助けが来るまでここから動けない状態になってしまった。
とりあえず電話をしようとしたが、屋敷には電話がなかった。電話用のコンセントがあったことから昔はあったのだろうが、最近は携帯があれば家の電話機を使うことはそうそうない時代だ。
俺たちの携帯は全員がそれぞれの理由で使えない。俺は船の中に置いたまま脱出し、それ以外のメンバーも海に沈んでしまったり、海水で使えなくなってしまったりと誰とも連絡できない状況であった。
今回の事故はツアーの会社もきっとすぐに捜索してくれるだろうがいつになるかはわからない。
しかし、幸いにもキッチンには缶詰などの非常食がたくさんあり当分は大丈夫であろう。
俺たちは、濡れた服を乾かしたりなどするために客室をそれぞれ一人一部屋ずつ借りることにして一夜を過ごした。
朝になった。これからの不安と昨日の疲労で私はよく眠れず、時計をみたら10時になろうとしていた。
窓をみるもまだ嵐は収まっていなかった。嵐が少しでも収まれば助けを呼びにいったり
食堂に下りると他の人たちはもうご飯を食べたりしていた。
俺も空いている席に座りご飯を食べた。
「遅かったですね、あなたが一番最後ですよ」
右隣に座っていた女子高生にそう言われてしまった。
どうやら、俺が最後のようだ。
いや、一人足りない。…チャラ男Bがいない。
もしかしたら、一番最初に来てもう食べ終わったのかな。
俺は気になったので隣にいる少女にチャラ男Bがどうしていないか聞くと、
誰ですか?という反応を貰ってしまった。
俺は慌てて頭がおかしいやつと思われるのも嫌だったので、急いで誤魔化した。
最初からチャラ男Bなんていなかったという雰囲気である。
一番仲が良さそうなチャラ男Aがいないことに反応がないということは、もしかしたらチャラ男Bなんて最初からいなかったのかもしれない。
俺は疲れて幻覚か何か見ていたかもしれない。
次の日はサラリーマンが消えた。
やはり、俺の気のせいではなかった。だが、誰もこの事態に気づかない。
どうすればいいのか分からず次の日になった。
次の日はチャラ男Aが消えた。
さらに、次の日ギャルが消えた。
一日に一人ずつ消えるのはほぼ確定とみて明らかだ。
残りは俺と女子高生と爺さんの3人だ。
次に消えるのが俺じゃないという保証はない。
少しでもいいから抗いたいので、いなくなった人たちの部屋に入ったが、何も痕跡がなかった。
まるで、最初からそこに人がいなかったかのように…。
仕方なく自分の部屋に戻り、どうすればいいか考えた。
今までのことを整理すれば何か解決策が浮かぶのではないかと思った。
嵐。
旅行会社。
島。
大きい2階建ての屋敷。
チャラ男B。
サラリーマン
チャラ男A
ギャル。
爺さん。
女子高生。
誰もいない屋敷。
食堂。
大量の保存食。
綺麗な客室。
一人ずつ消える。
痕跡のない部屋。
いろんなことを考えると一つおかしなことに気が付いた。
2日目の朝にチャラ男Bがいなくなったと気が付いて、俺が話しかけた幼い少女は誰だったのかだろうか…。
屋敷には俺たち7人以外誰もいないはずなのに…。
俺がふと振り向くと…そこには少女がじっと俺をみつめていた…。
いかがでしたでしょうか。
主人公は女子高生のことを女子高生としか呼びません。
この後、主人公がどうなったかは想像にお任せします。
楽しんでいただけたら幸いです。