シャンプーとボディソープはこまめに詰め替え用を買っておいた方がいい
お詫び
キャラクター紹介を修正しました。
ルシアナ・ロングライド(40歳)
ジェームズ・ロングライド(44歳)
大変お騒がせして、すみませんでした。
・ロングライド家に当分厄介になることになった俺だが、居候させてもらい三食タダ飯をいただくだけってわけにもいかず、一応お手伝いさんとして 主婦ルシアナさんの家事炊事を手伝うことにした。(ルシアナさんは気にしなくていいと言ってくれたが、俺のわずかな良心がそれを許さなかった。)
この町になれたら商店街でアルバイトでも探して、お金を貯めて どうにか自力で生活しようと思っている。
そもそもその時までこの世界にいられるかはわからないけど、たぶん自分の意思で戻りたいと思うことはないだろう。
「ジョー君、ご苦労様。その辺でいいから、上がってお茶でもどう?」
ベランダで洗濯物を干していたオレに、ルシアナさんが言った。
「あ、は〜い。すぐ行きます。」
ルシアナさんは、紅茶(アールグレイとかいう、 宇宙人みたいな名前のやつ。あれリトルグリーだっけ?)のお供にクッキーを焼いてくれた。
お菓子作りが得意だと聞いたが、納得の美味しさだ。
「そういえば、ベルとルッキー君は?」
「あの子達は学校よ、商店街をずっと奥に行った先に、託児所と小中学校が隣設しててね。ベルが中学一年生、ルッキーが小学五年生。」
やはりこの世界にも修学制度はあるようだ。システムはともかく商店街で働く人たちが、世の生き方を学ぶ場は必要なハズ。
となると、ジョーはある事が気になった。
「中学校を卒業したら、すぐに働くんですか?」
「それは人様々。ベルみたいに、絵描きになりたいから中町のアカデミーで勉強する子もいるし、すぐに働く子もいるわ。」
あまり自分の進路選択と大差無いのが、ほんの少し意外だった。
「今日は午後までに帰ってくるハズ……あ!ウワサをすれば……。」
ルシアナさんがリビングの扉に目をやると、サッカーボール片手にカバンを背負ったルッキーが帰ってきた。その後ろには、制服姿のベルも控えている。
「ただいまママ、ジョーお兄ちゃん。」
「おかえりなさい。」
「おかえり、ベル、ルッキー。」
オレは確かにはルッキーにも挨拶をしたが、彼はわかりやすくそっぽを向き、ルシアナさんにただいまを言って二階に上がった。
「これルッキー!ジョー君がおかえりなさいと言ってるのに!」
聞こえてないのか聞いてないのか、ルシアナさんの叱咤を無視してルッキーは自分の部屋に戻った。
「ごめんなさいね、あの子人見知りで……。」
「仕方無いですよ、突然やって来てご厄介になる事になっちゃったし……そうだ、シャンプー切れてたから、買って来ますね。」
急いで外に出ようとしたオレを、ルシアナさんは呼び止めた。
「ジョー君、ちょっと待って!」
「と、言う訳で。今からベルとルッキーは、ジョー君とお買い物がてら、商店街を案内する様に。」
「なんでオレまで!」
しかめっ面で母さんに反論したが、当の母さんは堂々たる姿勢を全く崩さない。
「ジョー君はロングライド家の家族なのよ?ルッキー、あなたは違うの?」
「そうだけど……。」
「宜しい。では、気をつけて行ってらっしゃい。」
「行ってきま〜す!」
ノリノリなベルの姉貴とは対照的にオレの気分は一気に沈んだ。
悪いけど、オレはこの人を家族とは認めない。認めたくもない。
どう取り入ったか知らないが、父さんと母さんの信頼を得て、父さんに至ってはマイケルのアニキの代わりみたいに扱って、ほんとにムカつく。どこの馬の骨とも知れない奴を、アニキの代わりだなんて、父さんも酔狂だ。
アニキが死んでから二年。姉貴ほどじゃないが、オレだってあの人が大好きだった。だから死ぬほど泣いたし、相当落ち込んだ。
ようやく落ち着いたと思ったら、アイツが現れた。
父さんたちはアイツを身代わりに、アニキの事を忘れようとしてる。とんでも無い事だ。
アニキに似てるって?馬鹿いえ、アニキはあんなマヌケ面じゃないし、もっとかっこいい声だ。それに……。
思い出したらキズが痛む。今日サッカーの試合でひざを痛めた。
こう言う時、あの人はいの一番に気づいて、オレを気遣い、場合によってはおぶってくれた。
アイツはどうだ?家を出てからずっと、姉貴とベタつきやがって、オレなんか見向きもしない。
姉貴も相当なブラコンだったから、どこか似てる様な気がしたアイツをほっとけないのも分かる。
でも、それに漬け込んで、一生家に居座るつもりなら、オレが許さない。見てろ、よそ者。ロングライド家の全員がお前を認めても、オレは絶対に認めない。
オレのアニキはあの人だけだ……!