旦那さん、奥さんがヤケにハイテンションだったら、記念日だと気付きましょう。
3つの章を一日で更新するスペシャルです!
皆さんもどうぞ、 ロングライド夫妻の幸せを祈ってくださいませ!
・その日の昼飯は、またもやイザに呼ばれてしまった。せっかくベルと一緒に食べようと思ってたのに……。
(イザについては、ジョー、学校へ行く編で……いいハズ)
「よぉ相棒!おかず交換しよーぜ!」
「不平等だからヤダ。」
「なぁんでだよお!オレたちルッキー君と三人で、姫君を救った仲だろ~?いいじゃ~ん。」
わざとガキ臭く駄々をこねるイザ。この時、もしベルが呼びに来なかったら、殴ってた所だ。
「お兄ちゃん。放課後、予定空いてる?」
「おう。」
ベルに呼び出されて、放課後オレたちは万事屋ミリオン前に集まった。それはいいんだが……。
「なんで、ルイスカップルとイザまで居るんだ?」
「それがですね、私達にもよく分からなくて……。」
美季は、少々困った顔をしている。
「相棒居るところ、オレは地の果てまで駆け付けるぜ!ルイス、テメエは帰れ。」
「分かりました。では、僕とミキはこれにて……。」
美季と腕を組み帰ろうとするルイス。すると、イザの物言いは180℃逆転した。
「待ちたまえルイス君!帰るのは、ベルちゃんの用事を聞いてからでも良いだろう?」
「え?でも、お邪魔でしょうから……。」
「いいから残れっつってんだろうがバカヤロー!」
男のプライドってもんがないのか、ルイス達が仲睦まじく帰って行くのが余程我慢ならないのか、言うことが二転三転するイザ。全く、つくづくめんどくせぇなコイツは……。
「えー、皆さん。ご静粛に……。」
ベルが、格式張って言った。
「えー、皆さんに集まっていただきましたのは、他でもありません。お陰様で、この度晴れて……。」
「姉貴。堅苦しすぎ。要は、今日ウチの両親が結婚記念日だから、皆にも協力して欲しいんだ。」
「なるほどですね!ぜひ喜んで!」
「僕にも手伝わせて下さい!」
「オレもオレもー!」
皆の賛成を受け、くじ引きがスタート。美季、ベルは調理。オレとルイス、イザはパーティグッズの調達、ルッキーはお出かけ中のルシアナさんが帰ってきたりなど、緊急時に指示を出す役割だ。
「皆さんのご健闘を祈ります。では……解散!」
ベル指示の下、トランシーバー(なんでも、昔ルッキーが「サバイバーごっこ」なる遊びに使っていたらしい。どんな遊びだオイ……。)を片手にクラッカーや飾りを数種類買い集め、残すは万事屋ミリオンで買う予定の、『プレゼントの花』のみとなった。
店に入ると、バイトのボブが、慌てた様子でカウンターの下をあさっている。
「しゃーせー……っておわ!お前ら、もう来たのかよ!?やべー、どうしよう……。」
「やべーって……何?」
イザが問い詰めると、ボブは目を泳がせ始めた。イヤな予感がして鉢植えのコーナーを見ると、ベルの名札と『SOLD OUT』の看板が付いた鉢が空になっていた。
ただの空ではなく、ぐちゃぐちゃになっている所を見ると、単なる店側の不始末ではない様だ。
「何が……有ったんすか、コレ……。」
ボブの口が開くより先に、二階から店長ミリオンさんが下りてきた。
「ボブ、やっぱりねえかィ……って!志島さん!?皆さんお揃いで!」
「あの……ベルが予約してた鉢植えって……。」
「……どうもすいやせん!実は……。」
ミリオンさんが言うには、今日はボブが午後出勤で、ほんの一瞬倉庫に出た間に消えてしまったらしい。
「消えるって……。」
至急ルッキーに連絡を入れると、意外な返事が来た。
『だから言ったでしょ店長、その店防犯甘すぎって……良かった。カメラ仕掛けといて。姉貴がへそ曲げるとメンドクセエから。』
「カメラ!?そんなモンどこに……!?」
『店で一番背高い樹の、葉っぱの中。』
ルッキーの言う通り、小型カメラは葉の中に仕掛けられていた。
「いつの間に……参りやしたぜルッキー君。」
カメラには、ほんの一瞬、小さな少年が花を根から抜き取る様子が映っていた。
「すげぇ器用……モノの一瞬だ。」
「イザ、感心してる場合か!この子が誰なのか、突き止めないと……。」
と、映像を見たボブが背後から叫んだ。
「そのガキ、前に『プレゼントの花』買いに来ましたね、店長!」
「ありゃ、いつだったかボブ……。」
とにかく、この少年が持ち去った事は間違いない。商店街で彼について聞きこむ内に、彼が西区の豪邸に住んでいると分かった。
ルイスの自宅、ジョナサン家もすぐ近所だ。
さっそく西のアーケードから、くだんの豪邸に向かう。その途中ですれ違った老人から、思わぬ収穫を得た。
なんと、少年を知っているという。彼の自宅は、この先にある火消し組屯所の真裏らしい。
おまけにその家とは……。
「火消し組総長の家じゃねえかああああああああ!」




