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転生ですか?ではどうぞ、ネズミの国へ  作者: 芭蕉桜の助
2nd EVENT ジョー、学校へ行く
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親友と災難は一緒になってやってくる

気がつけばブックマーク3件!


読んでくださった皆さん誠にありがとうございます!

・屋上で対峙する二人の男に挟まれ、オレはただ呆然と二人を見守っていた。


「つまり……どゆこと?」


「え〜っとですね、ジョー先輩。僕とイザ先輩は……。」


「一人の女を取り合い日々競い合う強敵(とも)って訳だ。」


「その読み方辞めろ!カッコつけの為にルピ変換する作者の身にもなってみろ!」


ヤバイ。気付かない内にまたツッコミ役になってる。


「すみませんジョー先輩。妙なご心配おかけして……。」


魔王のように意気込むイザと対象的に、ペコペコ謝るルイス。


「別にオレに謝る事ァねーよ。だがお前、自分の彼女をここまで真正面から横取りしようとするヤツがいて、やり辛くねーの?」


「この先輩(ヒト)、僕とミキが付き合い始めたその日に殴り込んできて、以来このテンションです……まぁ、ミキに惚れるのも分からないでも無いし、向かってくるならこの人より男を磨けば良いだけなんんで……。」


「ふてぶてしい奴め!お前にゃなおさらミキを任せておけん!」


タダ同然で人の卵焼き食ったヤツが何を言う……。

それにしても、オドオドしてはいるが、ルイスの目には本気を感じる。やっぱり、イザやミキが思ってる以上に、ルイスは強いのかもな……。


「んでルイス。アドバイザーってなんの話だい?」


「ああ……それなんですが、今のところ、僕がミキと付き合ってる以上、そう毎回両者からのアプローチが被ると昼ドラっぽくなっちゃうかなと……。」


「そこでだ!毎回オレとルイスが様々なテーマで対決し、勝った方にミキへのアプローチ権を得る!

そのジャッジと勝者へのアドバイスを担当してくれって訳だ。」


大声ではっきり、しかし何を言われてるのかさっぱり分からない。


「え、何?要はミキを口説く為に競争するから、勝敗判定をオレにしろって?」


「その通りで……。」


「いや、さすがジョー!理解が早いぜ!」


マジかコイツら……既に彼女確定中の女を取り合う!?しかも片方は現役の彼氏、判定者は元許嫁って……なんだコレ……ヘタな昼ドラよりよっぽど酷じゃねぇか……!!


「悪いけど……オレはパス。」


「なぁんでだよぉ〜!?」


すまなそうに頭を下げるルイスと、図々しくもほおを膨らませ、卵焼きを盗み食うイザを残し、オレは屋上を去った。


冗談じゃねぇ。アイツらは悪いやつじゃねぇけど、だからこそオレが甲乙付けるだなんて、冗談にしても悪過ぎる。

とんでもない事言い出したモンだ。


廊下を歩いてる最中、オレは背後から声をかけられた。


「アンタだよね?ジョー・ロングライド……。」


振り返ると、そこには明らかな服装違反に、ムダに長くまつ毛を伸ばした女生徒が数人、悪態をついて立っていた。


「そうだけど……何?」


「アンタだよね、ウチの彼氏傷物にしてくれたの……。」


「傷物……あぁ!あのカツアゲ犯ね!その件は悪かったね、ついマジでやっちまって……。」


バァン!


オレの言い方が悪かったのか、そばにあったカラーコーン(なぜこんなとこに)を思い切り蹴飛ばし、オレに思い切り迫って来た。ウワサの壁ドンってヤツか?いやちょっと違うな……。


「カツアゲ?アレは『公正な取引』だっつーの!アタシらがミキに当たらないであげてんだから、彼氏を通じてアタシらに貢ぐ。

それはアイツとアタシらの取引なんだからさ……部外者が口挟まないでくれる?」


こんなモンを取引だ?こんなモンを公正だ?


ふざけやがって、反吐が出る。オレには主義があるから、どんなクズいメス豚だろーが女は殴らない。


だが……。


このメス豚共にせめてもの敵意と憎しみ、その全てを表そうとした時。


「テメェ!何がおかしいんだよ!」


「死ね!マジ死ね!消えて無くなれ!」


オレはいつの間にか笑っていた。袋叩きにされても、四人がかりで蹴られても、オレの笑みは止まなかった。


「覚悟しろよ!このアタシを怒らせたんだ。ミキも、彼氏も……どうなってもしらねーから!」


罵倒も、脅迫も、オレの耳には届かない。やり返しも、言い返しもしないまま、ただ笑っているオレに、なぜかオレ自身が戦慄しているのがよく分かる。


彼らが立ち去ったあと、オレはしばらくその場に倒れ、天井を見つめていた。

我に返ったのは、部活帰りに通りかかったベルに起こされてからだった。


心配が尽きないようで、血相変えたベルに色々と聞かれたが、全てを笑ってごまかした。


直感的に、事件はまだ終わっていない。このままでは、ベルを巻き込みかねない。そんな気がしたからだ。


幸か不幸か、それが英断であったと、オレはこの後思い知らされる……。











エリート、完璧生徒会員。どれも私のあだ名らしいが、どれもこれも的外れ。

私は、彼氏一人守れやしない。わかってた。彼が、なにかの事情でやむを得ず、怪しい連中と付き合ってる事くらい。

一緒に住んでて、男として彼を見る意識が徐々に薄れて来て、彼を知ろうとするのが徐々にナーナーになって来てた。


そうだとしても、彼は自分にとって、大切な人だったハズなのに……。


2週間ほど前、病院で彼に再会して、今日また彼に諭されるまで気付かなかった。自分がどれほど彼が好きで、彼に愛されていたか……。


帰って謝ろう。そして、ちゃんと話そう。


怪しい連中と、授業を抜け出して何をしていたのか。


これから、お互いどう接するべきか。


「ちょっと君ィ……ミキ・ジョナサンだよなァ……!?」


明らかな悪意がこもった呼びかけに、私は警戒した。


「そうですけど、何か?生徒会ではない生徒は、全員下校時間を過ぎていますよね?」


私は振り向かずに質問を返した。相手は私の方へゆっくりと近づく。軽やかだが無駄がない、不気味で不自然な足音だ。


「固えなァ……もーちょい楽にしろって。アンタは彼氏と違って、痛い目見ない手筈だからよ……。」


「……!?あなた、何を言って……!?」


とっさに振り返ろうとした時 私は顔全体を白い布で覆われ、突如睡魔が襲い、何も見えず何も聞こえなくなった。

薄れゆく意識の中、私がただ感じていたのは、夢とも幻ともとれる、ルイスの笑顔だけだった……。




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