表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生ですか?ではどうぞ、ネズミの国へ  作者: 芭蕉桜の助
2nd EVENT ジョー、学校へ行く
18/86

カツアゲ犯は合計金額ではなく札の枚数にこだわる。

新章開幕です。


と言っても何が変わるわけでもなく 相変わらずのネズミの国です。

強いて言えば、ジョー君が志島の苗字を捨てて、ついにロングライドを名乗る事かなぁ。


……!? これ結構重要だったかなぁー。

・ロングライド家の朝は早い。と言っても、オレが早く目ぇ覚ましちゃうだけなんだけど……。

この日の朝も、皆で朝食を摂った。ベルも、ルッキーも、ルシアナさんも、ジェームズさんも、みんな揃って。


いつもと何も変わらない、平和で穏やかな朝。


だが、オレにとってその景色は、昨日とまるで別物に見える。


何せ、向かいに座っているベルの気持ちが分からず、飯の一粒も喉を通らないのだ。


そう。オレはどうやら事もあろうに、妹同然の少女相手に恋をしてしまったらしい。


引かれてる、引かれてるな……読者の皆さんに……。


引かないで!ここに来るまで色々有ったって!ロリコンでもシスコンでもないんだって!


むしろ悪意があったのは桜の助の恋愛描写の方なんだって!


「お兄ちゃん、さっきから何言ってるの?」


「え!?……い、いや?なんでも!?」


「あ!ほら、ご飯粒ついてるよ……。」


3歳下の女にご飯粒とられるのもどうかと思うが、ベルのこういう所も可愛かったりする。


「お、おう……わりィな。」


「どうしたの?顔色悪いよ?」


顔を赤らめるオレを見て、ベルの母、ルシアナさんがクスッと笑った。ベルの美形顔は、この母ちゃんから

来てるのかもな。

考えて見れば、父ジェームズさんもよく見れば、かなりの草食系イケメンだ。ルッキーも然り、この家系はとにかく顔が良い。


「それじゃオレ、先行くわ。」


「あらルッキー、気をつけてね。」


ボールとスパイク、学生カバンを持ち、ルッキーが出て行った。その数分後、作業着に着替えたジェームズさんと、学生服のベルが出て行った。


さて、オレも仕事に……。と、台所に行こうとした時、ルシアナさんに呼び止められた。




「編入……すか?」


「そう、ベルの中学にね。もしかしたらジョー君の学習レベルに合わないかもだけど、こっちでお友達ができると良いなって思って……。」


確かに、一日中ココにいるよりか、この社会について学ぶのもいいかも知れない。だが……。


「学費とか、大変じゃないスか?今でさえオレの養育費大変なのに……。」


「あら?学費を工面しての養育費じゃない?私は、ジョー君をウチの子だと思ってるもの、ベルたちに与えてるモノは、ジョー君にもあげなくちゃ……ねぇ、ここに制服あるけど、着てみない?」


優しいミルクティー色の学ランだった。これほどセンスのいい制服は、近所じゃ見たことない。


転生前の母校のは、ものすごく田舎臭かったのをよく覚えている。


「採寸してないから、マイケルのお下がりなんだけど……どう?」


「すごく着心地いいです。」


嘘ではなかった。本当は採寸してたんじゃないかって位、オレの体によく合っていた。そういえば、顔も体格もマイケルさんにそっくり何だっけ、オレ……。

肌で感じるのは、これが初めてだった。


「ねぇ、良かったら、行ってみない?学校……。」


「今からスか!?でも……。」


まだ洗濯物が……。


そう言いかけた自分は、この世界の学校への興味に負けてしまった。


ルシアナさんに案内され、商店街の先、『紅葉公園』の先にあった。


cushew(カシュ―)school』とデカく書かれた門の看板の向こうに、学ランと同じ優しいミルクティー色の建物がある。

三階部分と思しき壁に時計が付けられている。


「なんだか、懐かしい……。」


「ふふ、前の学校もこうだった?ちょっと待ってね。」



ルシアナさんはオレを校庭に残し、校舎に入った。何でも、校長先生に話があるらしい。

ふと、校庭の真ん中に目をやると、サッカーボールが転がっていた。


何の気無しにボールを蹴っていると、裏門らしき壁に当たってしまった。


「あちゃ〜!」




ふと、右奥のうんていの前に、生徒が何人かたむろしているのを見た。

ルシアナさんの話では、確かまだ授業中だったハズ……。


こっそり近づいて見ると、この学校の制服を着た青年たちが、同じくこの学校の制服を着た、ひ弱そうな青年を取り囲んでいた。


「この前、言われた通り払ったじゃないですか……!」


「あれしきで調子こいてんじゃねぇよ。参考書にしか金使えないなんて、使われる金の方も可哀想だろ?だから、俺たちが派手に遊んで成仏してもらってんだ……。」


「そんな……勝手なこと……。」


「ハァァン!?文句あんのかゴルァ! じゃあお前の彼女がどうなっても知らねぇぞこらァ!」


「ジョニー君のカノジョ、恐いぞ〜!お前の彼女、一体クラスでどんな目に遭うか……。」


「やめて下さい!ミキは関係ない!」


「じゃ金だせっつってんだろゴルァ!」


リーダー格らしい青年が、ひ弱そうな青年の胸ぐらを掴んだ。


話を聞いてる限り、どう考えてもカツアゲだ。一瞬ためらったが

なぜか彼を他人と思えず、気が付くと両者の間に割って入っていた。


「お兄さん方、この人怖がってるよ?良くないって、カツアゲなんてさ……今時流行んないよ?」


当然、ヤンキー達はオレに睨みを聞かせる。


「んだテメー、ここの生徒かよ?」


「いやまぁ、編入予定者と言いますか……。」


オレは腰を低くし、あくまで下手に出た。 盗人猛々しいと言うか、注意されてこういうもの腰に出るやつは、喧嘩になるとクソがつくほどめんどくさい。


「じゃとっとと失せろよ部外者……!」


「殺されてぇのか……ぁァン!?」


取り巻きの一人が、オレの胸ぐらを掴む。早速入ったな、盗人猛々しいスイッチ。オレは色んな意味で焦った。


「まぁまぁ、ココは平和的に行こうや……オレ、ケンカとか嫌いだしさぁ……。」


「ああ、そりゃいいや……ウソだバーカ!」


右手の拳をオレに思い切りぶつけるリーダー格。


オレは後悔した。 俺が手を出さなきゃいけなくなる前に、うまくなだめられなかったことを……。


気が付くと、四人組はまとめて白目を向いてノビていた。


自分で言うのもなんだが、オレはケンカで負けた事が無い。よろず屋ミリオンのバイト、ボブに絡まれた時も、気が付いたらオレの方が彼をのしていた。


幼い頃からいやいやこなして来た武道稽古が、まさかこんな所で役に立つとは……。


「何事ですかー!?」


校舎から、校長らしきメガネの爺さんネズミが走ってきた。


後ろには、ルシアナさんも一緒だ。


「あらまぁ……。」


「また君たちですか、三年生!後輩を相手にカツアゲなど……指導します!校長室に来なさい!」


校長は気絶したままの四人の首根っこを掴み、校舎の方へ引っ張っていった。


よくもまああの大柄な生徒たちを、片手で首根っこ掴んで引っ張れるものだと、 俺は冗談抜きで感心した。


「ルイス君、そこの編入生君に校内を案内して差し上げる様に。頼みましたよ。」




ようやく我に返った青年は、ズボンに付いた砂を払い、改まってオレに自己紹介した。


「あらためまして、生徒会書記、二年松組のルイス・ジョナサンと申します。」


「ジョー・ロングライドだ。宜しく……。」


「では、ロングライド先輩、こちらへどうぞ……。」


二年松組、ルイス・ジョナサン。覚えた。とりあえず、彼を指針に、CUSHEWS CHOOLでの新生活に、身体を慣らして行くとしましょうか……!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ