プロローグ
ユーザーの皆さん初めまして、芭蕉桜の助です。
この話は 某ネズミのファンタジーをモチーフに作ってありますが、キャラクター、世界観その他は完全に私のオリジナルです。
いずれ物語がきちんとした流れに乗った時、そもそものこの話を作った経緯や、キャラクターのモチーフが誰なのかなどそんなふうに考えながら 進めていきたいと思います。よろしくお願いします。
・オレが瓦礫に埋もれて、何時間経ったのかは分からない。
突然の首都直下地震に巻き込まれ、住んでいたアパートから逃げるヒマもなく、そのまま生き埋めだ。
人々の悲鳴や怒声が聞こえる。瓦礫の隙間から、火の海になった街が見える。
昨日までは普通に高校生やってたのに。
全く……運がない。
いや、運がないのなんて今に始まった事じゃない。
こんな時だからか、これまでの人生が映画のようにフラッシュバックする。これを走馬灯と呼ぶのだろうか
金がなくてもいいから、愛情を注いでくれる両親のもとに生まれていたら。
誰かに自慢できる子じゃなくて、オレを必要としてくれたら。
高校進学の下宿という名目で、家から追い出されるほどの落第生じゃなかったら。
家族の中で唯一優しくしてくれた、兄が生きていてくれたら。
たらればなど不毛の極み、思うだけムダ。そんなことはわかっているのに、あの時ああしていれば、もう少し幸せになれたかもしれない。そんなことを思っていると、涙がとめどなく流れてきた。
もうすぐ死ぬ。
誰が言ったわけでもないし、自分は医者でもないが、自分の体のことは自分が一番よくわかっている。
誰がなんと言おうと、もうすぐ自分は死ぬのだ。理屈ではなく直感的にわかった。
醜く生きたいとは思わないし、これ以上不幸なこの世で生きながらえたいとも思わない。
ただ一つ、神様なんて奴がいるのなら、俺はこう願っていただろう。
もし生まれ変わるのなら、どんな世界でもいいから、俺は幸せに生きてみたい……。
オレは、幸せになりたい……!