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 プロローグ

初作品です。


「はぁ……。」


 俺、北上真斗、31歳独身(彼女いる)仕事は建設関係だ。


 子供の頃から勉強が嫌いで、遊ぶ事しか考えてなかった。

 中学に入ってもそれは変わらず、同じ様な友達と学校の授業には出ず悪さばかりしていた。

 もちろん高校には行かず、就職を選んだ。

 職に就いた俺だが今まで好き勝手生きて来た奴がまじめに続く訳なかった。

 同じ様に仕事を辞めた友達と寝てる時以外は悪さばかりする日々だった。

 何度警察の方にお世話になったか分からない。

 とにかくどうしようもない奴だった。


 そんなツケが回ってきたのは大人になってからだった。


 20歳ぐらいになると、俺もまじめに仕事をする様になったが、付ける仕事も学歴がないため肉体労働系しか無かった。

 そのまま何と無く続いていた会社が不景気により仕事が減ってきていた。

 もちろん給料もまともに無い訳で、なんとか家賃と生活費があるだけだった。

 会社を変えようにも今さらこんな俺を雇ってくれるところなんてあるのか?

 やはり勉強して学歴を付けて優良企業に就職していれば…なんて何度も思った。

 

 本当にこの先どうしたら良いのか路頭に迷っている状態だ。


「はぁ〜」


 今日も又、仕事がなく金も無いので最近ハマっている異世界物の携帯小説を家で読むしかする事がなかった。


「俺も転生してぇよ…」


 誰もが一度は思った事があるだろう。

 こういう小説を読んでいるとより強く思ってしまう。

 だから声に出してしまった。


『ならば儂の質問に幾つか答えよ』


「……ん?」


 何処からか女の声が聞こえてきた気がするな


『お主の答え次第で儂が転生させてやろう』


 やっぱり何処からか声が聞こえるんだがどういうことだ?


『ほぉ〜今迄の奴と違って随分冷静な奴じゃのぉ〜因みに儂ゃ神じゃぞ』


  神……だと?


『儂の質問に幾つか答える。儂が気に入れば転生、気に入らなければこの記憶を消し今迄の生活にもどる。どうじゃ、やるか?』


 なるほどなるほど……!!

 ということは、俺が今迄読んでいた転生物のような事が実際に起こっているというのか?

 俺は次第に胸が高鳴っていくのがわかった。

 しかし、実際に転生するとなると、俺には心残りな事があるんだが…まぁまだ転生すると決まった訳でわないが…いや、そもそも神に気に入られて転生出来るってどれぐらいの確率なんだ?


『たまにしかやらんが大体100万人に1人ぐらいじゃな』


 ……なんだよそれ!ほぼ無理じゃねえかよ!

 この胸の高鳴りどうしてくれんだよ!ならさっさとやっていつものくだらない生活にもどるとするか。


「わかった。ならさっさとやろうぜ」


『むぅ。なんか投げやりな感じもするが、まぁいいじゃろう。……おほぉん。なら聞くぞ?』


 ……それから俺は永遠と質問に答えて言った。

  そぅ…永遠だ!なんだよこれ、いつ終わんだよ。

 もう何年経ったか分かんねぇよ。

 それぐらい長く感じたのだ。

 それでも眠気や食欲が来る事がなかったから、精神世界というものなのだろうか? 初めから俺の家だが…そんな事を考えていると突然神がーー


 『あぁっはっはっはぁひっひっひっひふっふっふふふひひ』


 笑ったかと思えば壊れた。


『いや〜面白かったわい。それにしてもお主ほんっと〜に馬鹿じゃな。いつも儂の予想の斜め上の答えが返ってきよる』


 めっちゃ馬鹿にされてんだけど……


「それよりいつまでやんだよ!」


 いい加減シビレを切らした俺は声を荒げて聞いてみた。


『むぅ!……そうじゃな、楽しい時間もここまでにするかのぉ』


 神が残念そうに肩を落としながら言った。


『では、そろそろ最後の質問をするかのぉ…』


「最後……」


『うむ。名残惜しいが次の質問を最後とする』


  つまり次の質問に答えたら神とのこの楽しいじか……いや、質疑応答が終わるということか。

 とても、いや、少し、ほんのちょびーっと、残念な気もするな。


『儂もとても残念じゃ』


 心を読むんじゃねぇ!


『しかしお主の為にもそろそろ終えるとしようかのぉ〜 ……おほぉん。』


 神が咳をすると場の空気が変わった。


『お主が転生するとして次の世界は、剣と魔法の世界じゃ。もちろん魔王や魔物なんかも、うじゃうじゃいる。それでじゃ、お主が欲しい物を一つだけやる。無理な事はないぞ?儂ゃ神じゃからな。さぁなにが欲しいかな?』


 剣と魔法の世界か…魔王、魔物もいる。

 つまり常に死と隣り合わせの世界ということか…剣と魔法ってことは人体能力や魔力なんかも無いと魔物には勝てないよなぁ。

 んーここはあれか?よくあるチートを望むところか?例えばなんだ?…不老不死、いやそれは行き過ぎか。

 じゃあ人体能力最強?いや魔力無限か?それとも創造した物が手に入るとか?あとはなんだ?んー……むずい。

 一つだけって所がまた、難しいな。

 ただ、ひとつ、俺にはどーしても欲しい物はある。

 しかし、それが果たして本当に役に立つのかは分からん。

 でも俺にはそれしか思い付かないんだから仕方ない。

 んーどうするかなぁ…………


「よし、もうこれでいいや」


  永遠とも言える時間に答えて来た俺は、もう考えるのが面倒になり途中から直感で答えるようになっていた。

 だから今回も直感に従うことにした。


『決まったようじゃの』


「ああ」


『では聞こう。何を望む』


「……今迄の記憶を」


『…………は?』


 「……え?」


『いや、今何と言った?』


「だから俺の31年間の記憶だよ!ついでに神、あんたと過ごした時間もな」


 『…………く……く……く、く、く、ふふふ、は、は、は、わぁっはっはっはっはっーー』


 それから神はひたすら笑い続けた。

 この精神世界の時間は俺には分からんが、ただひたすらこの部屋に神の笑い声が響いていた。


『ふぅ〜。いや〜お主は本当に面白い奴じゃな』


「いや、そんな面白い事言ったつもりないんだが、つか笑いすぎだし」


『だってお主、記憶って。ぷっ」


 く、なんか腹立ってきたぞ。


『ふふ、まぁそう怒るでない。訳を話そうて。まずお主、転生物の小説読んどったじゃろ?そこでは皆、転生しても記憶はそのままじゃったろ?』


 ーーそう言われればそうだったな。


『だから普通の奴はそれが前提の回答をしてくるんじゃよ。だから強い力を求める者が殆どじゃな』


 そうだったのか。じゃあ記憶はそのままなのか?


『いや、それはお主ら人間の妄想の中の話しであって、実際はそんなことはせん』


 なるほど、じゃあ俺の回答もあながち間違いでもないのか?


『間違いどころか、大正解じゃ。転生した所で今の記憶が無ければそれは生まれ変わるのと一緒じゃ。それでは転生の意味がないじゃろう』


 たしかに俺もそう考えていた。

 今のこの記憶が、この駄目だった人生の記憶があれば次こそは間違った道に進み難いのでわないかと。


『じゃから大正解なんじゃよ。……よし、お主が望めば転生させてやろうでわないか。何よりだいぶ前から儂はお主を気に入っとる。いやぁお主とのやり取りが楽しゅうてこんなにも長引いてしまったわい』


  やっぱりかよ!長引いたなんてもんじゃねぇよ!永遠だよ永遠! っと そんなことより


「転生……か」


 そりゃしたい。

 したいがひとつ心残りな事がな…


『お主の彼女じゃがな、お主が居なくとも、旦那と子供、幸せな家庭を築いとる。そんな未来が見えるのぉ』


 ーーなんだ、そうか。

 愛していたけど、それ以上に俺は自分の将来に絶望していたからな、その方がきっと良かったんだろう。


「よし、転生するよ」


 俺は覚悟を決めた。


『わかった。で、お主の欲しい物は記憶でいいのじゃな?』


「ああ、たのむ」


『ふむ。……じゃが儂はお主を気に入っておる。そんなお主に何かあっては儂が落ち着かんわい。じゃから何かもう一つ上げたいんじゃが何が良いかのぉ』


 神がもう一つ何かくれるらしい。

 それはとても有り難い。

 正直、記憶だけでは、心許ないと思っていた。

 魔物に襲われたりしたとき、役に立つか分からないからな、馬鹿だし。


『……そうじゃ!お主には、希望をやろう』


「希望?」


『お主は希望が足りんと思っておったのじゃ。それはのぉお主がどうしたいのか、どうなりたいのかなど、望む事に、より速く辿り着くようになるものじゃ。』


 ふぅ〜ん、まぁたしかに俺は希望より絶望の方が多いな。

 どうやら俺にぴったりのようだ。


「ありがとうな。有り難くもらっておくよ」


『うむ。ではそろそろお別れとするかのぉ』


「ああ、あんたとの時間なかなか楽しかったぜ。結局姿は見えなかったけどな」


『ふふ、儂も楽しかったぞ。お主が望めばいつか逢えるじゃろうて』


「望めば か、わかった。じぁあまたな。だな」


『ああ、また、なのじゃ新しい人生、今度は後悔無きようにな…………英○を経て○の世の○てを○べる世界○になる者よ』


 そして、俺の意識が落ちる。

 最後の言葉を聞けぬままーーーー

どうでしょうか?感想、アドバイス貰えると嬉しいです。勉強致します。

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