―我、何処カ―
俺には邪悪なる力が宿っている――。
邪蛇ニーズヘッグの力が宿る、呪腕のチカラァ!
そう間違いなく宿っているはずだ!
この「邪答院降魔」の右腕にィッ!
思っていたんだ……。
俺は。
だが違った……!
別のチカラだったんだ……!
こんなコトになるなんて!
夢なら今すぐ覚めてくれとか月並みなコトバは言わない!!
どうしてこうなったか、誰か教えてくれ!!!
――――だが、教えてくれる者は誰もいなかった。
もう、どうすればいいんだよ!
「にいちゃん、だいじょうぶかい?」
俺が目覚めると、銀髪の女の子がのぞき込んでいた。
翡翠色の服を着た美少女……だと思う。
「……?」
俺はどこにいるんだ?
身体を起こして周りと見渡す。
ログハウス……か?
壁が丸太を垂直に重ねたような感じだ。
「きこえてる?」
おい……ちょっと待て。
ついさっきまで俺は日本にいたはずだ!
けど、この女を見てみろ。
ろくでもない話だが、どうみても見た目は西洋人のそれだ!
青い瞳! 銀髪! 透き通るような白い肌ぁ!
「ノルスド語しゃべれる?」
「いや……聞いた事は無い。英語ですら分からないのに。日本語しか分からないよ」
「ニホン語? よく分からないけど、しゃべれてるじゃん」
どうやら、俺は無意識のうちにノルなんとか語を喋っているらしい。
俺からすると日本語で喋っているようにしか感じていないのだけど。
「それよりさぁ、森で倒れてたけどどうしたの? あと、名前は何て言うの? どこから来たの?」
「邪答院降魔。日本から来た……ジャパンって言った方がいいのかな?」
「ゴーマ? 面白い名前だね。よく分からないけど、どんなとこなの?」
「えー、うーん」
俺はとりあえず島国である所から、最近の出来事。
好きなアニメやゲームやら、とにかく質問攻めされたので、知っている限りの事を教えてやった。
最後に学校の事を教えてやった。
「がっこー? そういう所があるのは聞いた事があるけど、ゴーマは何してたの?」
「ぐっ……!」
こいつは俺に聞いちゃぁいけない事聞きやがった……!
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