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バーチャルな世界
「おい、新ー!!お前もやるか?」
クラスの男子が何かを持って近づいてくる。
「VR?買ったの??」
その男子が持っていたのは
ゲーム機だった。
しかも最近発売されたばかりの
バーチャルな世界観を楽しめる
頭につけるタイプのVR。
「へへっ!昨日な!新もやってみろよ!!」
自慢げに話す男子をスルーして
とりあえずVRを装着した。
今思えば、その日はすごく暑くて
みんな汗をかいていた。
いつもならみんなの汗が付いたものなんて
触れたくもないのに…。
「…か?…すか?…の……ですか??」
何か遠くから何か聞こえる。
聞き覚えのある声に似ている。
「あのー大丈夫ですか?」
やっと覚醒してきたところで
目を開いた。
眩しい陽の光が俺を包んだ。
どこだ、ここ…。