異変
マ「ねぇ、良太と梨沙は付き合ってるの?」
良梨「うぇ!?」
ラ「やめなさいよ、マックス。2人とも困ってるわ」
マ「そうか、ごめんよ。2人とも」
良「だ、大丈夫! なんとも思ってないから」
梨「そ、そうそう。私たちは付き合ってるのわけじゃないよ! ……そうなりたいとは思ってるけど」
良マラ「えっ!?」
しばらくの間、そのままでいると突然梨沙が、
「ねぇ。手、繋いでいい?」
と、そんなことを聞い てきた。
「な、なんだよ。突然」
「いいでしょう。私が繋ぎたいの。・・・それとも私と繋ぐのは嫌?」
「そ、そんなことは」
「ならいいでしょ」
梨沙は半ば強引に手を握ってきた。俺はほとんど無意識に手を握り返していた。ーーこの時、梨沙が頬を赤くしたことは気付いていないーー
「ねぇ。このまま報告に行かない?」
「えっ!? そ、それはちょっと……」
「なぁに? 私と手を繋いで歩くのがそんなに嫌なの? それなら私は悲しいな」
「だから、そんなこと言ってないだろ!?」
「じゃあ、いいでしょ」
梨沙は俺と手を繋いだまま歩きだした。俺は引きずられるように梨沙の後を追った。
「ったく。受付に着く前に離すぞ」
「いいよ。それで」
俺は梨沙の隣に並んで歩いた。俺たちは終始無言だった。手を繋いで歩いていることが恥ずかしかったからだ。
ふと、梨沙の方を横目で見れば、梨沙の顔は耳まで真っ赤だった。きっと想像にもつかない勇気を出して俺に言ってきたことがありありと分かった俺は梨沙の左手を強く握り返した。
受付に着くと俺たちは任務の報告を行った。
手はもう離している。
報告を終えると、同期のエリッサ・マクスウェルが近付いてきた。
「おやおや、2人揃って仲良く報告かい? 余裕あるねぇ。君たち」
明らかに敵意のある目線で嫌みを言ってきた。
「おい、エリッサ。どういう意味だ。返答しだいによっちゃあブッ飛ばすぞ!」
「いや、なに。僕は君たちと違って才能があるからねぇ」
エリッサは俺と梨沙の同期で入隊試験の1位だった男だ。それまでずっと1位を保っていたが、瞬く間に俺のチームが1位を奪い去り、それを妬ましく思っているのだ。
「あっという間に僕のチームが君たちを抜いてしまうということさ」
エリッサはこの嫌みな性格から同期だけでなく、他の人からも煙たがられている。
「はっ。安心しろ。テメーのチームは一生俺たちを抜くことは出来ねーよ」
「ぐっ。言わせておけば! ふんっ。せいぜい足掻くんだな。いずれ僕たちが抜いて見せるから」
そう言うと、エリッサは何処かへと去っていった。
「ったく、なんなんだアイツ。毎回絡みやがって」
「まあまあ。帰ろう、良太」
「ああ、そうだな」
俺たちが帰ろうとした直後、突然甲高いサイレンが地下倉庫に鳴り響いた。
短くてすいません!!
今回はエリッサのうざさが分かったでしょうか?
ちなみにエリッサはこれ以降出てきません。(もしかしたら、出てくる……かも?)
次回はいよいよ戦闘です!良太と梨沙の連繋を書いてみようかと思っています。
更新がいつになるかは分かりませんが、楽しみにまっていてください。
もしかしたら、ラブコメがある……かも!