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こうして世界は破滅する  作者: カイ・ナナミ
第1章〜世界の破滅〜
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試練

 試練の内容は簡単な駆除作業だった。子供のヴァリアント・モンキーが出たので倒して欲しいとのことだった。ーーちなみに試練はチームによって違うーーまだ子供のヴァリアント・モンキーでも危険には変わりない。

 子供のヴァリアント・モンキーはヒトは食べないが、それでも腕を降り下ろしただけで人を殺せる。


 主な主食は作物で、農作業をしている人の被害が多数出ていた。

「ったく。何だってこんな時に農作業をしてんだよ」

「仕方ないよ。こんな状況で、しかも今はまだ足りているかもしれないが、この先いずれ食糧も尽きる」

 隊長のフリックが周りを見ながら答えた。

 フリックは入隊試験の成績上位者だ。合格者があまりに多かったため、チームを10組に分け、10位までの合格者をチームの隊長に任命した。

「それにここいらの地域はヴァリアント・モンキーの被害が少なかったからね」


 フリックの言う通りヴァリアント・モンキーがもたらした被害は僅か10日間だけだった。

 それ以降、ヴァリアント・モンキーはその姿を減らした。宇宙船に帰ったと言われている。

 都心部にはまだ大量のヴァリアント・モンキーがいるが、少し離れた所ではほとんど出てこない。

 だが、時々こうして子供のヴァリアント・モンキーが作物を荒らしに来るのだ。


 すると、遠くの方で何かの唸り声が聞こえた。

「っ!? 何か聞こえたぞ!! あっちの方だ。行ってみよう!」


 林の方へ行くと、少し開けた場所に出た。

「あっ! いたぞ!! ヴァリアント・モンキーだ!!」


 それは、8メートルある子供のヴァリアント・モンキーだった。


「うそっ!? あれで子供!? でかくない!?」

 副隊長の浜田沙月が驚愕の声を上げた。

「皆、武器を構えろッ!! 来るぞッ!!」

 こちらに気付いたヴァリアント・モンキーはものすごい速さで向かってきた。


「作戦通りに行くぞ!! 散開!!」

 フリックの合図で俺たちは敵を囲むように回り込んだ。

 ヴァリアント・モンキーは力が強く、どれも知能を持ち合わせていない。

 こうして回り込むことで判断を鈍らせることができるのだ。


 ・・・この瞬間までは


「ようし、このまま行くーー」

 その時、ヴァリアント・モンキーが急激な速さでフリックを襲った。

 勢いのある力強いパンチにフリックの上半身が消し飛んだ。

 僅かに遅れて、重力により下半身が倒れた時、一同は騒然とした。


「いやぁあああああああああ!! フリック!! フリックが!!」

「落ち着け、沙月さん!! まだ作戦の途中だ!! 死ぬぞ!」

 フリックの突然の死に動揺を隠せない沙月に再びヴァリアント・モンキーがもうスピードで襲った。

 そして、そのまま身体を吹き飛ばされ絶命した。

「くそッ!! 梨沙、あいつの足を攻撃してくれ!! もしかしたら、スピードが落ちるかもしれない!!」

「うん。わかった!」

 梨沙はヴァリアント・モンキー目掛けて銃を撃った。


ーー後から聞いた話だと少し前から普通の”宇宙人”とは違う種類の“宇宙人”が増えていた。

 その“宇宙人”たちは力、堅さ、速さなどと言ったステータスが1つだけ異常に発達していて、この時のヴァリアント・モンキーは速さに特化した“宇宙人”だったらしい。

 その“宇宙人”たちはちゃんとした弱点がある。

 一部のステータスが上がっている分、その部分の防御性が極端に低くなり、倒しやすいのだーー


 梨沙の放った銃が見事足に命中し、ヴァリアント・モンキーがよろけるのを見た俺は一気に畳み掛けるように指示をした。

「梨沙、おそらく足が弱点だ! 俺が攻撃するから銃で援護してくれ!! これで終わらせる!」

 足が弱点であることを一瞬で判断した俺は、一気に加速した。

「これで終わりだ!! うおおおおお!! 魔神瞬迅殺!!!」


 目にも止まらぬ速さでヴァリアント・モンキーを八裂きにした。

数秒後、ヴァリアント・モンキーは絶命した。

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