表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チートじゃないです実力です。〜外見詐欺勇者冒険譚〜  作者: 竜胆
幼女とか閻魔様とか狼とか。
4/10

スラム街にて絶叫中

「さっきっからうっせぇなぁ‥‥ここに何しにきたんだよ?ガキンチョ。とりあえずそこ通ってんだったら通行料な。60リル。」

うわぁ‥‥なんかすごい強面のお方に絡まれちゃったよー。

ここのお金の単位はリルなのかね。

というかガキって言われた。ガキって。

僕今何歳?

「聞こえねぇのか?さっきまであんだけギャーギャー言っておったんに。とっとと金だしな。財布ごと持ってって欲しいのか?」

「いや、あの僕お金持ってませんので‥‥失礼します。」

多分断られるとは思ってなかったのだろう、強面が揺らいだ。

その瞬間脱兎のごとく駆け出した。

あー怖い怖い足がガクガクでもつれそうだ。

「あんのガキャア‥‥!待ちやが…ん?っなんでっ‥‥やめっやめてくれっ!!助けてくれっ!!!」

強面の悲鳴が聞こえた。

同時に獣の鳴き声。

振り返ると、そこには服を噛まれて動けずにいる強面と、とても大きな狼がいた。

‥‥そういえば閻魔様から狼を授かってたね僕。落ちた時にどっか行っちゃってたのかな。

ちょっと狼に申し訳ないことをしたと思いつつ助かった。

‥‥あれ、でも狼ってこんな大きくなかったような。

もっとちっちゃかったのに。

強面をくわえて振り回していた狼は僕に気づくと、強面をくわえたままこちらに駆けてきた。

遠目で見ていたから分からなかったけど、こうして近くで見るとおそらく普通の狼より遥かに大きい。

僕なら普通に乗れそうだ。

少しその迫力にビビりつつ話しかけてみる。

因みに強面は恐怖のあまりか失神した。

「えぇと‥‥貴方は閻魔様のとこの狼さんですか?」

肯定するかのようにガウと一声吠える。

その拍子に強面が地面に落とされた。

さっきっから少し不憫だ。

まぁでも悪いことをしようとした罰と思ってもらおう。

「僕の仲間、ですか?」

またも肯定するように吠える。

こちらの言葉は理解してるんだろうなぁ‥‥

狼が喋れればいいんだけど。

ファンタジーだからそれくらいできないかなぁ‥‥

「貴方は喋れますか?」

ダメ元で聞いてみる。

すると狼は一瞬逡巡した後に肯定の意を示した。

‥‥まさか、鳴き声で喋ってるつもりとか?

ちょっと待ってそれじゃ僕は残念ながら理解できない。

少し困っていると、唐突に狼は粒子状に崩れて始めた。

「待ってなんで!?」

どこにそんな要素あったの!?

もしかして人を一回助けたら成仏するの!?

待って成仏って既に死んでる!!

狼は焦る僕を尻目に「まぁ見てろ」とか言いたげな視線をよこした。

粒子が風に舞うように形を形成し始める。

そして狼の粒子は瞬く間に人へと形を変えた。


ー全裸の女性へと。


「服着てえええええええええええ!!!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ