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チートじゃないです実力です。〜外見詐欺勇者冒険譚〜  作者: 竜胆
幼女とか閻魔様とか狼とか。
2/10

閻魔様とあれこれ。

ふわふわ。

漂っているかのような感覚。心地いい。

「‥‥ん!…うくん!優くん!」

「ん‥‥?」

名前を呼ばれた気がして、目が開く。

「おはよーゴザイマス!中峯優くん!」

目の前にショタがいた。

「これから君の裁きをするよ!寝ぼけてるかもしれないけど頑張って!」

「いやあの‥‥ちょっと待ってください?」

意気揚々と巻物を懐から取り出したショタにストップをかける。

「どうしたの?‥‥あ、ごめん普通に説明飛ばしてた!ごめんごめん!!」

テへペロとでも効果音のつきそうな顔で謝られた。

「君は死にました!」

果汁100%!って感じのCMに出てそうな弾ける笑顔で言われても。

「ここは死んだ後の行き先を決める場所だよ。閻魔様の間、みたいなもんかな。」

「あ、やっぱり死んでる‥‥」

ベッドに寝てるっぽいしここはどっかの病院でしたオチとか期待した。

まぁ、こんな和風こってこてな病院はないわな。

「で、今から君の今後を決めます!」

「なるほど‥‥今後を決めるのはわかったんですけど、閻魔様は?」

裁きをすると思われる閻魔様の姿が見えない。

場所自体は閻魔様の間って言われて納得いくんだけど。

なんか大きい机にこてこての和風装備。

ショタも着物着てるし。

ハッ閃いた。

もしかしてお前みたいなしょぼい人間にはわしが裁きを下すまでもないわ的な?

傷付くわぁ‥‥

「むぅー‥‥やっぱりお父さんの情報しか伝わってないのかぁ‥‥」

む?なりやらショタが拗ねている。

‥‥もしかして。

「貴方が、閻魔様ですか?」

パァァァッと顔が輝いた。

違うよ?発光したわけじゃないよ?

「そうとも!!僕こそが四代目閻魔円起!」

「エンギさん、ですか。」

なんて書くんだろう。演技?縁起?

「いやぁ嬉しいねぇ。現世ではまだお父さんの絵しか広まってないからねぇ。」

「エンギさんはいつから閻魔をしてらっしゃるんですか?」

「かれこれ200年ぐらい?」

「思った以上のお歳でしたねごめんなさい。」

ショタじゃなかった。

何?童顔って言うべき?

でも体も普通にちっちゃいんだよね‥‥

いや僕が言えた話じゃないけどさ。

「もー、子供だと思ってたの?君の倍以上の時間生きてるんだよ?

まぁいいや、裁きをはじめるよ!」

「はい!」

僕の今後を決める話。

要は天国か地獄かと言う話だろう。

こんな和やかにやることなのかは知らないけど。

「君は中峯優くんで間違いないよね?」

「間違いないです。」

「よし。君は16歳で事故により他界。‥‥16歳で?」

「きっとまだ成長期が待ってたんですよきっとそうなんですよ触れないで下さい。」

身長体型顔面についてはコンプレックスの塊だから。

高校生になってから何回私服の時に「あら?ボクどこの小学校?」やら「お客さん!払い過ぎですよ。子供料金は110円です」やら言われたと思ってるんねん。

「ごめんごめん。で、事故の詳細は‥‥居眠り運転の車から幼女をかばってはねられた、と。」

「幼女って言うなし。」

「君善人だねぇ‥‥罪も両手で収まる。」

「収まんないってどういうこと。」

両手以上にはどうあがいてもならなくないか。

「ステータスは‥‥」

「そんなゲーム的な表示されんのか。」

「さっきっからツッコミ頑張るねぇ。いいんだよ?ツッこまなくて。」

「いや、衝動的にというか‥‥」

周りに変な人しかいなかったから染み付いてるのか?

「まぁいいか。君ステータスすごいことになってるよ。何個武道やら格闘技習ってたの?極めすぎだよ?」

そう言ってエンギさんが見せてきた巻物には

弓道・Lv.125

剣道Lv.117

薙刀Lv.108

槍道Lv.108

テコンドーLv.102

柔道Lv.96

合気道Lv.71

ボクシングLv.70

ムエタイLv.64

との表記。

確かに改めて見てみるとひどいなこれは。

というか上限どこ。

「親が総合格闘技ファンというのと精神統一と身体能力向上のために色々‥‥」

一番の目的はゴリマッチョののっぽくんになることだったんだけども。

それに実家は槍道道場だったしね。

槍道って非公式だけどちゃんと表記されるんだ。

「それにしたって凄すぎる。チートだよチート。もう勇者になりなよ。」

「いやでも優勝したことあるの弓道ぐらいですよ?他はせいぜい2位どまりですし。」

「こんだけやっといて2位まで行くの‥‥?頭おかしいでしょ‥‥?何大会?」

「全国」

「僕は全国の皆様に同情しとく。」

何故だ。

「もういいや。大した問題もないし君は転生ね。ジョブは勇者で固定ね。はい書類記入して。」

「わーいあっさり勇者になったぞー。思ってたんとちがーう。」

僕はもっとこう、厳格にお前は地獄じゃとか言い渡されるんだと。

とりあえず書類と、差し出されたペンを手に取る。


[転生者記入用紙]

貴方は転生することに納得していますか?

→〇

貴方は希望する能力などありますか?

→×

希望する、と答えた方はどのような能力か具体的に書いてください

→[ ]

貴方は容姿などに希望はありますか?

→[男らしく ]

貴方は生前アレルギーを持っていましたか?

→×

貴方はRPGは好きですか?

→〇


[これで記入は終了です。]


「出来ましたよ。」

「おぉーすんなり。どれどれ?‥‥‥‥え、能力いらないの?確かに既にチートだけどさ。」

「能力を持っていたら己の鍛錬を忘れてそれに頼ってばかりになってしまいそうではないですか。」

「うわぁ顔に似つかわしくない男らしいセリフ。まぁ全部このとおりになるわけじゃないからね。閻魔様の力にも限界があるの。

おおよそはこれの通りになるけどさ。」

そう言ってエンギさんは用紙をビリビリっと破り捨てると、それに息を吹きかけた。

紙はふわりと浮き上がり、まるで生きているかのように集まり形を作った。

それにエンギさんが触れると、それはしっかりとした生き物になった。

「犬‥‥?」

「まだ子供だけど狼だよ。僕からの餞別。」

銀の毛を持つ子狼はエンギさんのてから僕の方にぴょんと飛び移る。

そして頬ずりをしてきた。

可愛い‥‥。

「じゃあ転生するよ。準備はいい?」

「スピーディですねぇ。大丈夫です。」

「よし、いくよ!」

「ちなみにどうやっ」

落ちた。

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