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第23章

「今、本国と連絡を取っているところだ。なあ、人質の無事を確認したいから、こっちに顔を見せてくれないか」

「話し合うから待て」

私は、砲兵長たちに待つように合図を送りながら、最後の交渉に臨んでいた。

その時、持ってきていた電話に誰かから連絡が入った。

「船長だ」

「伊川です。ドーン・テーンを捕まえました。人質は無事です。隔離させます」

「了解した。必ず見張り続けろ」

「了解」

電話はそれで切れた。


山田は何も言わずに、また数分が経った。

「今からそっちに人質を見せる。いいか、見せるだけだからな」

「ああ、わかった」

その山田が言った言葉には、攻撃をするなというニュアンスが含まれているような感じがしたが、私は言わなかったためにその部分を無視することにした。

彼らが人質を見せるための準備をしている間に、私は砲兵長へ、突入するための態勢を整え、位置につくように指示をした。

タイミングは一瞬。

逃したら、人質の命はないだろうと、私は考えた。

「今から見せるからな」

そう言って、覆面をした男が銃を握り、河内テールを後ろ手に縛りながら私の前に現れた。

彼らが完全に廊下に出てから、砲兵長に合図を送った。

「突入しろ!」

すぐに、配置についていた彼らが人質を覆面から引き離すと同時に覆面男を抑える。

「こっちです」

人質の安全を確保してから、第3貨物室へ突入をする。

「俺も焼きが回ったな」

私が貨物室に入ると、イワンフ・セカルドと思われる人物が、全身真っ黒で部屋の中央に立っていた。

「焼きが回ったんじゃない、こちらがお前よりも強かった。ただそれだけだ」

「だがな、俺もまだ終わったわけじゃないぜ」

そう言って、彼は手のひらに隠し持っていたであろうナイフらしきものを、扉のすぐ横にある部屋の中の電灯のスイッチに正確に当てた。

目の前が真っ暗になり、徐々に暗闇に慣れてきたが、再び電灯をつけるまでは何も見えなかった。

次に電灯がついたときには、イワンフはいなくなっていた。

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