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プロローグ「絶望とチート転生」

最強チートを付与されたけど代償として

前世を無茶苦茶にされた主人公が

¨転生¨させた神を殺しに行く話




プロローグ「絶望とチート転生」





そう君は¨彼女の命¨を生贄に………




ーーーーー最強チートで転生するーーーーー




今から8年前

東京新宿区那珂町第2病院




ーーー意識不明の重体ーーー



「ミア……ミア……ミア……!」



「………なんで、、どうして

こうなった………!!」



声が震え、喉が裂けそうだった。




「……残念ですが……手の施しようがありません」

医師の声は、やけに遠く聞こえた。

モニターの電子音が、無慈悲に鳴り続ける。



「17時58分25秒……ご臨終です」


その瞬間、世界が止まった。

カナタは膝から崩れ落ちた。

「……あぁ……あぁぁぁ……!」





それは突然の出来事だった。




カナタが帰宅すると、

カナタの彼女

月影ミアはベッドの横で倒れていた。



「………ミア!」




名前を呼んでも返事がなかった。

カナタはミアの肩を叩いた。


「…………!!!」



そこで気がついた。すぐに救急車を呼んだ。何度も名前を呼んだ。

だが、彼女は二度と目を覚まさなかった。




「………ミア!!ミア!!ミア!!ミア!!」



大きな声でミアに声をかけ続けた。



「助けて、、助けてくださいミアが!!

ミアが!!」



おぼつく足で駆け付けたのを覚えている。



ーーだが2度と目を覚ますことは無かったーー





彼は友達がいなかった。



彼はお金も持っていなかった。



彼には家族がいなかった。



だが



彼には愛するーー¨彼女¨ーーがいた。








「…………………っ」

これが何かの事件である事はカナタの目から見れば間違いなかった。



「……………ミア」



昨日までのミアの笑顔

昨日までのミアとの思い出

昨日までのミアへの感情


その全てがカナタの気持ちを逆撫でしてくる


「……………」


怒りが度を超え言葉すら出なかった。





(ーー¨月影ミア¨死亡事件ファイルーー)



発生日時2017年9月28日 午後4時32分頃

発生場所東京都新宿区那珂町 ○丁目○番地木造2階建て住宅 2階寝室

概要28日午後4時過ぎ、当該住宅に住む男性(20)が帰宅したところ、2階の寝室で同居人の女性A(20)がベッド横の床に倒れているのを発見。女性Aは呼びかけに反応せず、顔面は蒼白、体温は著しく低下していた。

男性が119番通報。救急隊到着当時

女性Aは心肺停止状態で、

寝室内に争った形跡はなし。だが水の入ったコップ、

¨大量の開封済みの薬剤ボトル¨が確認された。

直ちに女性Aは区内の病院へ搬送されたが、

17時21分、医師により死亡が確認された。




彼女の死亡原因は








「………自殺だな」




「……………は?」




一瞬の沈黙、カナタは警察の取調室にいた。




「何度も言わせるな………!納得したくないのも分かる、、信じられないのもだ、だが鑑定結果99%自殺、、こう出てるんだよ」



刑事は重い表情で答えた。




「………お前、、ミアが、、ミアが自殺したって言ってんのか………???」



カナタは表情を固めて刑事を見た。




「薬の大量摂取による¨オーバードーズ¨つまり自殺だ。悪いが鑑定結果が出たんだ。」





「ふざけんな…………ふざけんな………!!!」





「…………神宮さん!!」


横から若い警官が止めに入った。

カナタの手をグッと抑える。



「結果はもう出しました。我々の方で

これ以上は………」


少し溜めて若い警官が言う。


「受け止められないのも分かります………でも取り敢えず今は落ち着いてください。」




「…………………っ」


カナタは表情を一切変えず、部屋を出た。

だがその後を誰も追わなかった。



「大丈夫ですか?西村さん」



「あぁ…………大丈夫だ」




「ただまぁ無理もない………君も彼の経歴は見ただろ………」


「………………はい」






カナタはその後3日間

何度も何度も司法解剖を受けた。

カナタにとっては当然だった。




ーーーーー納得できるわけがないーーーーーー




「…………これで8件目」



ーー自殺ーー自殺ーー自殺ーー自殺ーー自殺ーー自殺ーー自殺ーー自殺ーー




「…………………」




9件目の病院に向かった時、車においてある

2人で作った写真立てを見てカナタは我に帰った。



「………辛かったのか、本当に…………」



カナタは写真を見て

涙が堪えれなくなった



本当はわかっていた。

なんらかの原因で自殺していた。と

最初の解剖の結果を聞いた時点であとは理解するしかないのは時間の問題だったのだ





カナタは認めるしかなかった。

そして認めたその時から


カナタの精神はぐちゃぐちゃに引き裂かれた。カナタの未来は、あの日一瞬で失われた。

もうミアは二度と戻らなかった。




ミアを失ったあの時から、俺の世界は全て灰色になってしまった。


大学は辞めた。だが仕事だけは、どうにかして生き延びるために必要だった。

手を動かすことだけが、まだ俺を生かしていた。 企業にいる間は自分のことを考えなくていい

止まるわけにはいかない。 生きるため、金を得るために、俺は絶望の中で這いずりながら働き続けた。

ただ


ーーー働く、働く、寝る、働く、働く、働く、寝る ーーーーー働く、働く、寝る、働く、働く、働く、寝る ーーーーー働く、働く、寝る、働く、働く、働く、寝る ーー働く、働く、寝る、働く、働く、働く、寝るーー働く、働く、寝る、働く、働く、働く、寝る


何もかもが、その繰り返し。





時間だけが経ち気づけば30歳になっていた。


鏡に映る自分の顔に違和感を覚えた。疲れ切った目、落ち窪んだ頬、笑うことを忘れた唇。

「…………もう終わりだ」鏡の中の男は、ただ生きているだけの 存在に過ぎなかった。 友人もいなければ、寄り添う

家族もいない。


誰かに名前を呼ばれることも、 抱きしめられることもない。 孤独は日々の重荷になり、心の奥を蝕んでいった。ミアの痛ましいあの姿、あの小さな生命の消えた音、病院で手を握った無力な手。

答えは返ってこない。

世界は無情であり、何も救いはない。

これが8年間での答えその内に身体に変化が現れ始めた。過労とストレスで、体調が崩れ、病院に行く余裕すらなく、気づけば末期の病が忍び寄っていた。

だが、それすら俺にとっては既知の絶望でしかなかった。

身体も、心も、すでに限界を迎えていた。 過労と睡眠不足が続いたある日、そして会社のトイレで吐血した。鮮やかな赤がタイルに散った瞬間、 自分でも驚くほど冷静に思った。



病院には会社から渋々送り出された。 病院で検査を受け、その結果を聞いたとき、医師の沈黙がすべてを物語っていた。 「……末期の癌です。進行は速い。……治療をしても、時間を稼ぐ程度になるでしょう」



胸の奥が、何かに深く沈んでいくようだった。驚きも悲しみも怒りも、湧かなかった。どこか安堵にも似た感情が浮かんだ。

医者は続けた。

「……ストレスや環境的要因が強く関係していると思われます。かなり無理をなさってきましたよね?」

その言葉を聞いた瞬間、喉の奥が震えた。



ミアを失ってから、俺は体に無理を強いてでも働き続けた。

生きているんじゃない。ただ、死ねないから、働いていただけだ。 その代償がこれだ。 帰り道、夕焼けが街を朱に染めていた。



そして今日に至る。


歩道を歩く家族連れ、恋人たち、笑い声。全てが美しく、遠く、俺には手の届かない世界だった。

家に戻ったが、部屋はいつも通り静かだった。

冷蔵庫のブーンという音が、やけに大きく聞こえる

ミアのマグカップは、棚の端で変わらずそこにある。ミアのために買ったぬいぐるみは、埃をかぶっていた。


誰もいない。誰も帰ってこない。 静寂が、内臓を締めつけるように痛かった。 そして今日俺は覚悟を決めた


「もう……いいんじゃないか。十分、生きた。」 いや、正確に言えば、十分、苦しんだ。


ベッドに横になると、天井が滲んだように歪んで見えた。涙は出ない。


泣き尽くした後に残るのは、乾いた砂のような感情だけ。死が怖いのではなく、

このまま生き続けることのほうが 何倍も恐ろしかった。 部屋に戻り、椅子を中央に置き、

ロープを天井の梁に結ぶ。 こんなにも静かなのに、耳鳴りだけがどこまでも響いた。 椅子に足をかけ、息を吐く。

胸の奥には、不思議なほどの安堵があった。 俺は天井を見つめ、ミアの顔を思い出し、

 「ミア………ごめんな」 ロープに首をかけた。

もはや、カナタに迷いはなかった。




この8年間を振り返る。ミアとの思い出が

錆びついていく。そして

そうだ「俺は死にたかったんだ。」


そひてついに首に巻きつけて自害しようとした

その瞬間






「………………!!!!!」



空間が破裂した。

音が消えた。重力が消えた。空気の冷たさも感触も、すべてが消えた。


視界が砕け散るように分裂し、代わりに広がったのは——白でも黒でもない、光でも闇でもない、“混ざった何か”。


色の概念そのものが溶け落ち、形の曖昧な光が螺旋を描き、重力の代わりに空間そのものが脈動している。

息が止まり、喉が震えた。


そして——声。

耳ではない。頭の奥底に直接流れ込んでくる声。

「……よく、生きたな」

背骨を冷たい手で撫でられたような感覚に、全身の毛穴が総立ちになった。


視界がひとつの点へと収束する。

そこに——“少女”が立っていた。

だが、ただの少女ではない。

白銀の髪は風もないのに揺れ続け、

瞳は星を宿すように輝き、肌は光そのもののような純白。

だが、その外見に惑わされる暇はなかった。

存在そのものが異常だった。


人間としての常識、空間の法則、温度、音、あらゆる“理解”が少女の周囲だけ別物になっている。



ーーーーーこれは神だーーーーー


呼吸が圧で潰されるような感覚。胸の内側がきしみ、膝が自然と震えた。

少女——神は微笑む。

その微笑みひとつが、世界を支配する力そのもののようだった。


「人の子よ。 お前の三十年……実に見事であった。 苦悩に耐え、失い、それでも歩み続けた。 まさしく、僕の寵愛にふさわしい」


言葉のひとつひとつが空間に色を与え、光の粒となって周囲へ流れていく。

カナタは喉を震わせ、なんとか声を絞り出す。

「まさか……俺は……死んだのか?」



少し時間が経った後に神は答えた。


「ああ…君は死んだ。

しかし安心していい、

これから君を、チート満載の“勇者”として転生させるつもりだからね」

空間がふるふると揺れた。


「……勇者? なんの話だ……」

神は指をひとつ鳴らした。その挙動だけで、空間の奥に見えない波紋が広がる。


「君の身体は既に、“分岐点”だった16歳に戻されているはずだ」





「……なんでお前……そんなこと……」



「神だからだよ。 君の人生のすべてを見てきたさ」


軽く言い放つその態度が、胸をざわつかせた。

カナタは拳を震わせながら言う。


「……いい。そんなことはどうでもいい。 ミアは……どこだ。 早く会わせろ……頼むから……」


声が震え、息が浅くなり、指先が冷たくなる。

神は小さく首を傾ける。


「……ほう」

そして、微笑む。


「では告げよう。 君の恋人¨月影ミアの死¨ 僕が与えた“試練”である。」


空間が止まった。

理解できた。意味も分かった。

だが、心がそれを受け入れなかった。

「……………は?」



神は慈愛の微笑みを浮かべて続ける。

「君の人生はこれからなのだよ。 これまでの30年はただの“前座”。 良い条件で転生するための準備期間だったのさ」



準備。前座。

その言葉が、頭の奥で爆ぜた。


「じゃあ……ミアが死んだのはお前のせい  お前の“試練”だって言うのか!!?」



「そうだとも。 君を“最強”に仕上げるための……ね」




拳が震え、喉が焼けるように痛む。


「俺のため……? ふざけるな……ッ!!」



涙があふれる寸前でこらえた。

神はどこまでも無垢な笑みを浮かべた。




「誰がこんな事を頼んだ……!」


カナタは己の運命を呪った。



「ミアはどこだ……!! 答えろ……!! 早く……答えろ!!」


空間の空気が震え、声が吸い込まれる。

神の瞳が冷たく細められた。






「君の大好きなミアは記憶を消した状態で異世界に転生してるよ」




「………何っなぜだ答えろっ答えろ!!」



「…………それが異世界のルールなのさ」




「君は記憶ありで転生させようと思ったけど……やっぱり彼女の記憶は消した方が面白そうだね」


その声音はまるで命を告げるような

淡々さだった。


後ろに浮かび上がる石。紫と金の光を脈動させる、不気味な結晶。

——忘却のストーンーー


「さぁ、これを取りなさい。このストーンは記憶を自由に操作できるストーン、、、 これを使えば、過去の苦しみも……ミアのことも……全部忘れて生き直せる」


優しい声。だが、底知れぬ強制力。

胸の底で怒りが爆ぜた。

「お前ミアを……忘れろだと?」



「………ああそうだとも君のために言ってるんだ。。カナタ、君にはこの¨世界¨を救ってもらわねばらならないからね、、、その為に君には記憶を無くしてもらう。」






「ダメだ…………!」






だがカナタは気づけば身体が前へ走り出していた。神が手を伸ばした瞬間——カナタはその腕をすり抜け、

ストーンを掴み取った。


「ッ!? な……!」

神の瞳がはじめて揺れた。

掴んだ瞬間、脳に電流が走る。ストーンの脈動が記憶を逆流させ、ミアとの全部が脳裏を駆け巡る。


カナタは反射的に走り出した。

虚無の空間なのに、足音が響いた。

「返せ……カナタ!!! それは君のための石だッッ!!」


神の怒声が空間を歪ませる。

ストーンの光が弾け、カナタの視界の端で空間が切り裂かれ——

底の見えない闇が口を開けた。




この天界、上空から落ちればどうなるか分からない。死ぬかもしれない。魂ごと消えるかもしれない。

それでも。




「俺が、、俺がそんなことさせない」


またミアに会えるなら


もう一つの世界にミアがいるなら 





「……ミア……待ってろ」

歯を食いしばり、涙をこらえながら、カナタは闇を見据えた。

「絶対に……取り戻す……!!」


迷いなく飛び込む。

暗闇の中、神の絶叫が響く。

「カナタァァァァァ!! 戻れ!! チートの付与儀式はまだ完了していないッ!!」  


カナタの視界が震える。怒りで、涙で、殺意で。

「殺す……」

そこにあったのは、言葉ではなく、本能の叫びだった。


「たとえ——地獄が相手でも…… お前を絶対に、殺すッッ!!」



光と闇が入り乱れ、身体が引き裂かれるような痛み。だがカナタは、ストーンを決して離さなかった。


——落ちる。——落ちる。——もっと深く。


そして。

闇の底で、一筋の光が開いた。新たな世界の入口が、カナタを待っていた。

「待ってろ……必ず助ける……!!」

——こうしてカナタは、忘却のストーンを奪い取った。



神宮カナタ(18)


HP100

MP0


スキル (忘却)

「相手の記憶を操作することができる」


持ち物 忘却のストーン

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