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―序―
不思議な話を聞いてくれますか―――?
この科学文明の発達した、全ての事象に説明がつくような現代に、私は自らを鬼と言う人に会いました。
とてもとてもきれいな人でした。おそろしげな鬼とは似ても似つかない、まるで夜空に輝く月のような雰囲気、端正に整った美しい顔立ち・・・私は一目で心奪われました。
しかしその後、その人は忽然と私の目の前から消えてしまったのです。何度も何度も謝りながら・・・。
信じられないかもしれないんですが本当なんです。
そして彼の語った物語も到底信じられないものでした・・・。