2ロンソ
足を踏み込む。
なにこれ....
そう言いつつ、周囲の状況の理解を早めた。
今馬車が倒れ込み、数人の金髪の人が倒れ込んでいる。
そしてそれを囲むように馬車に隠れた1人、
囲んでいる騎士が見えるように4人、
全体を把握するための高所に弓兵が2人。
状況的には恐らく弓兵が指示役の可能性が高いだろうが、そんなことはどうでもよかった。
私に興味があったのは、.....
な、なんだあいつは
そう こいつだ
切れ長の耳、整った容姿、金髪碧眼
エルフと呼ばれる種族が豪奢な鎧に120cmもあろう大剣を一切の震えもせず立ち上げている姿に私は見惚れた。
そして、
逃げろ!! お前はかn...
かん ロンソを女に向け、引き抜いた。
なんだお前は お前も暗殺者の一人か!!??
剣戟が発生する。
私は牽制の引き抜き一発、切り下げ、そして突きを放した。
騎士は引き抜きの一発には横一列にし、線を塞ぎ、切り下げには斜めに構え動きを逸らし、突きには上への持ち上げで剣軸を上げた。
軽々と見慣れたこなしで剣戟を避ける。
手練れだ♪ 普通その剣は重く、恐らく3kg近くの重さを軽々と剣戟に合わせ振るっているのだ。
いい剣筋、よき戦を果たしたと言えるほどの実力者。
なんだなんなんだこいつ
私を見るやいなや 助けもせず、私と戦っている。
彼奴らはあまりの状況に戦いに参戦もしてこない?
なぜだ味方ではないのか?
お前は誰なんだ!!
....エルフ語わっかんねぇ何言ってるんだ?
そう不可思議な顔をしている。
なんだその顔は!! こめかみに血が入った騎士。
だがその状況を好機と見たフードを被った弓兵の一人が騎士に向け矢を放つ。
ぱしゅ 殺気を放った矢はこの状況のなかでも集中していた女騎士には切り払うほどの些細なものでしかなかった。
が、それこそ殺意のない攻撃の囮になるのである。
馬車裏に隠れていた暗殺者は騎士が切り払った瞬間に逆手で持った曲がったダガー、ファルクスと呼ばれる剣で騎士の背中、甲冑の隙間、脇にその一矢を差し向けた。
矢は届かず、暗殺者の視界は気づくと自分の背にあったはずの馬車が写っていた。
女騎士は切り払った瞬間に、余った左手で自身の背中に向け、裏拳を放ったのである。
女騎士は言う。
貴様ら暗殺者が学ぶその技術には心得がある。
死角の一撃。
脇はもっとも骨が弱く、砕けやすい
そのために脇から肺へ心臓へと辿り着きやすい。
だが騎士は鎧を着込む性質上決まった角度、決まったタイミングにしかその一矢は放てん。
ならそれを知っていれば、対策はできよう。
裏拳で体勢を崩した暗殺者はくっと声を上げた。
そう言った矢先に、私はもう一度も剣戟を入れる。
なんなのだお前は!
私は踏み込みで距離を詰め、両手で柄を握り、剣先を地に付かせ、線を作り半円を作り上げる円月を放つ。
騎士は太刀筋を読み、左手に避けた。
そして両手の構えを外さずに柄を首元まで持っていき、突く構えを見せた。
なんだこの男、牽制にしたら暗殺者とは違う太刀筋をしている。
質が違うのではない、ジャンルが違うのだ。
私が呼びかけても声もかけやしない。
だが、ー
リーチの長さはこちらが有利だ!!
騎士は後ろに一歩下がるのと同時に剣を薙ぎ払った。
ブンっ大剣を払うとは思えないほどの速さでくる一閃。
依然構えを崩さずに、右手から来る一閃を剣を傾け、剣と大剣を合わせる。
カァアンと鳴る金属音、来る衝撃を滑らすように上へ上へと金属が削り合う音と火花を散らし逸らしていく。
騎士はその一撃でこの男の力量が分かった。
ただ強いというくくりではない。
経験値が違うのだ。
今まで見た剣術、相争った強者たちと同格以上の力量が見えた。
そしてそれを証明するかのように、
騎士の重い薙ぎ払いを逸らしたすぐにも構えを崩さず、剣先をゆっくりゆっくりと回していたのだ。
構えというのは、型や基本 それがなければ戦えぬものである。
依然私も王国騎士として訓練を受けた身、
エルシュ王国流剣術が一般的であり、その剣術にも無論構えがある。
私達が持つ構えは剣を両手ではなく、出来る限り片手で持ち、敵相手に両肩を見せるという構えだ。
これは相手に隙があると見せる戦法と共に片手が空いていると意識させる牽制も含めた極めて合理的な構えである。
だがこの構えの欠点は無論弱点がある。
この構えは誇り高き我々は一対一にしか想定しておらず、戦馴れしていない兵士だと平然と切り捨てられるという諸刃の剣でもある。
だが、強者は空いた腕を武器に戦う者が多く故に
エルシュ王国流剣術を扱うもの 二刀流なり
と言われるのだ。
だがこの男の構えはなんだ。
これは人間の王国における一般的な構えであるらしいが、基本的には構えは一線
己を含めた一つの筋とし、震わさずに一矢を放つことでその威力を増すという。
だがこれは....
男は剣先を回し、いざ剣先は上に向けばすぐさま肘よりも下まで下げ剣の腹を私に叩きつけた。
依然この攻撃読めるが、すぐさまに構えを戻し、剣先の軸をいきなり左右に揺らし、上から切り下げを行った。
読めない。
上から来るのか左右から来るのか構えの一つ一つが知っているからこそ知識が邪魔をするのだ。
構えは知られると弱みを知られやすいとは知っていたが、こうも│剣筋《定石》を見せない構えがあったのかと惚れ惚れする気持ちにもなった。
私は片手で構え、両肩を相手に見せる余裕はなかった。
さきほども言ったようにエルシュ王国流剣術は多対一に弱いのだ。
だからあえて構えを崩し、周囲に暗殺者どもに牽制しつつ目の前の謎の男の対峙を行っている。
だがこの男は距離の詰め方、集中の切らせ方がうまくこの場から離れずにもいた。
この異常さに痺れを切らしたのか数人かの暗殺者が逆に男のほうを襲うことを優先とした。
走り出したは長さは違えど、手に携えた剣は両手にファルクス、ロングダガー、太刃のナイフの持った者たちが男へと向かい、
小さな枝のようにほそいナイフを投げた。
男は騎士へと向けていたが、精度の高い投擲はまっすぐ飛ぶため足の位置をずらし回避した。
暗殺者たちの一人が持ちてにあった太刃のナイフを逆手に変え、切りつける仕草をした。
男は構えを崩し、右手にあったロンソを左手に移し替え、その攻撃に応対する。
持ちかえたすぐさまに斜めの薙ぎおろし。
太刃持ちは一歩後ろにステップし、すぐさまにこちらに突進をし距離を詰めてきた。
男は剣の腹を当てようとしたが、
至近距離に詰められたせいか、逆手に持ったナイフと腕の間に持ち手の手の甲を絡め取り、身動きを制限した。
その隙を伺ったロングダガー持ちが首めがけて一直線に突き刺そうとした。
同時に至近距離で男を抑えた暗殺者はさきほど投げていたナイフを取り出し、指の間に挟み男の腹目掛けて刺そうとした。
だが女騎士の長い突きに阻まれ、腹に傷を食らう暗殺者。
そしてその隙で抑えた逆手を内から引っ張り、そして外側に投げるように腕を押し出した。
すると暗殺者はさきほどの体勢を崩し、その隙に空いた左手で一歩踏み込みのみぞうち。
がはぁそう言った暗殺者は腹を抑えた、倒れ込む。
が男は容赦なく剣を突き立て肩を外した。
これは相手に立ち上がらせなくさせる一種の傷付けだ。
殺せば不安の一つが減るが、問題はこの大人数、暗殺者を一人殺したいら向こうは無情にもこいつを置いていくだろう。
だがこうして生きていると依頼主などを吐かれる心配もある。逃げられないようにする。
そのための意識への縛りである。
これで相手は5人となった。
私は怪訝に思った。
痺れを切らしていたのは3人じゃなかったのか
依然近づいた位置から変わらず動いてもなかったファルクスを持った暗殺者は冷静に構えていた。
ヒュンと矢がこちらに飛んでいく。
スパスパとこちらのほうに向けているが、たまにとんでもない方向へと矢が飛んでいた。
精度が悪いのか、そう思った矢先に騎士は速攻倒れた暗殺者を庇うように矢を薙ぎ払った。
弓兵の一人は遠目から少し俯いた。
そう向こうも不安要素を排除しようとしていたのだ。
逆に言えばこれは向こうにもちゃんと聞いているという意識表示でもあった。
騎士は言う。
やはりか、貴様ら有力な一派の一人であろう。
聞いたことがある己の教律を乱す者を容赦なく排除し、味方すら乱す者なら平然と暗殺する一派があるという。
伝説だとは思ったが貴様らだったのか...
そしてファルクスを持った男は言う。
我ら神を信ずればその律は此れ絶対遵守するもの 此れ乱す道徳を持たない者は神の名の元、刃となって貴様らを屠らん。
そう祈る仕草をすると周囲の暗殺者も皆さきほどの言葉を言った。
我ら神を信ずればその律は此れ絶対遵守するもの 此れ乱す道徳を持たない者は神の名の元、刃となって貴様らを屠らん。
私はハッと気付く。
騎士にも向けて大声で叫ぶ。
詠唱を止めろ!!!
そう言ったが、言語の違いは理解を超えられなかった。
騎士は声に驚き、立ち止まる仕草をしてしまった。
目の前にいるファルクスの暗殺者を切ろうとした瞬間、余った左手で隠れていたもう一つのファルクスを取り出し十字でその剣を抑えた。
│ヤークトテルシェ《刃は汝のもとへ》
グサリ、グサリ、グサリ、グサリ、グサリ
5人分の刺さる音が聞こえる。
体の内側からナイフが突き刺さる感覚が伝わってくる。
ファルクスはちっと舌打ちをした。
対象を騎士へと向けていたが、先ほどの攻撃で意識が男のほうへと向いてしまったのだ。
騎士は男の傷がない服の下から、滴り出る血液から魔法だと察した。
さっきの叫びはこれのことだったのか!
騎士はすぐさま近くに居た暗殺者に斬りかかろうとしていた。
私はファルクスを抑えたが、さっきのダメージが大きく一切の仕草も出来ずに居た。
恐らくこの魔法は詠唱主が対象を決め、連続詠唱に回避不可の傷付けを果たす。
だが精度はそれほどに高くないのだろう。
背中に2つ、腹に1つ、太もも、足に一つづつに刺し傷を貰った。少々ランダムに近かった。
確認しようもないが深い傷跡は確かだろうとしかできなかった。
ぐう...
暗殺者はその仕草をよく観察していた。
十字に抑えたファルクスを持ち上げ、男の体勢を崩した。そして剣の上段を抑えるかのように右手のファルクスを上にかざし、そして左手のファルクスで切り払う。
私は体勢を崩したが、すぐさま距離を詰め左手に剣を持ち替え、右手で相手の手元を抑えた。
拮抗状態となった。
ロングダガーの暗殺者はそれに参戦するように背中目掛けて走ってきた。
ー
ブンっと大剣を振り回すがファルクスの暗殺者はすらりと舞うかのように後ろへ横へと避けていた。
その最中でも矢は一矢一矢と飛び交う状況。
ふと男のほうを心配となりかすりげに目を向けるが、男は敵方を盾に矢が飛んでこない状況にしていた。
立ち回りというのも上手いとも感じた。
だが、この暗殺者も中々の手練れ
どうにかしてこの戦況を変えないとジリ貧だと感じた。
だがやはり弓兵が煩わしいと思い、弓兵2人に向けて走り出した。
ダッ///ダッ///ダ//走るとさすがの暗殺者も付かず離れずに私を追いかけてきた。
その状況を見た2人は弓を携え、牽制を含めた矢を放った。
一つは右手側の足元へ
そしてもう一つは胸元へと。
これは騎士の動きを制限し、暗殺者が居る左手側へ足先を向けようとした一撃だった。
それは功を奏した...かのように見えた。
騎士と暗殺者の位置はほぼ同じとなった。
暗殺者はファルクスを持ち、下から首へと剣を切り上げた。
だが、
騎士はずうんと暗殺者の胸ぐらを掴み、押し出す。体勢を崩し先の一撃をうやむやにした上で、内側に持ち寄り持ち上げた。
そして弓兵の方向に暗殺者を向かせ、盾とする。
誇りとは、何かと言わんばかりの蛮族性。
だがそれはかなりの有効打となった。
人を持ち上げているのにも関わらず、スピードは落ちずにいた姿を見てしまった弓兵達は動揺の最中弓の弦を後ろへ引っ張り矢を放った。
ば、化け物 そう言い放った弓兵。
手が震えたせいか矢はうねり、すらりと風で避けられてしまい、1発2発3発とどれだけ矢を放ってもかすりもせずにこちらに真っ直ぐ進んでくる。
ファルクスの暗殺者は勢いと衝撃により、身振りが制限されていたが、どうにか騎士を斬りつけようとしたが大剣は目的を着くと同時に暗殺者を斬りつけその体を弓兵たちに当てるように投げ入れた。
ぐぅ...腹を抑えた暗殺者とその光景にあてらてた弓兵。
一人は避けきったが、リーチの長い大剣によって斬り伏せられた。
この状況を見ていた弓兵はこれで終わったと思うなよ!!と言ったあと、突きの一刺しで事切れた。
大丈夫だ私で終わらせる。
そしてうずくまる男を引きずりながら、馬車の方向へと足を進めた。
―
切っ先の長いダガーを持った暗殺者が飛び込んでくる。
この拮抗状態にそのまま受ければ、致命傷と言える。
私は深く身をよじり、右半身一歩踏み込み、相手の左足に引っ掛ける。
思いの外、相手は力を入れていたのか膝を曲げると途端に力を抜いてしまい、腰を落としてしまった。
その隙に体の方向は180°c後ろの方向へ向けれるように半身を動かしたので左手でその剣を暗殺者に斬りつけた。
突進と共にやってきた一閃は都合よく顔を切り裂き、そのまま倒れた。
膝を落としたファルクスの暗殺者は下唇を噛み、もう一度も立ち上がる。
両手に携えたファルクスを逆手に持ち替え、腰を深く下げ、構えをした。
私は首だけをファルクスに向け、ロンソを左半身で隠すように立っていた。
そしてくいっと手首を捻らし、来いと誘った。
ファルクスの暗殺者はすぐに左横払い、右切り下げの連撃を行う。
私は右半身を後ろに下げ、一撃を避け、二撃は一歩後ろにステップし距離を稼ぎ、空振りを誘った。
そして暗殺者は私に背を向け、脇の隙間から右手側の逆手で持ったファルクスの一突きを放った。
私は左手にあったロンソでその一撃を逸らしたが、その隙を狙ったかのように左手を順手に持ち替え、鎌のように直角にしファルクスの峰で私のロンソを引っ掛けたのだ。
これをされたら、私は右手が後ろにあるため、この男と一手出遅れる形になってしまう。
その一瞬、その一瞬を見計らいロンソを引っ掛けた勢いを利用し、ロンソを逆手に持ち替えた。
なっ!!?? 驚く暗殺者。
その勢いのまま、左手首を斬りつけた。
ごとりと金属を落とす音がその場で響く。
くっと逆手に持ったファルクスを握り、左手を抑え、3歩下がった。
すると周囲をみやると騎士が一人を引きずる姿が高所から見えた。弓兵の姿が見えない。
撤退。 そう判断するほかがなかった。
だが果たしてこの男は逃がすのだろうか?
....そんな疑問が最も死に近い男に対して持ってしまったのだ。
だが、失敗したということは報告しなければいけない。
これは律を遵守する以上絶対である。
だから私は....ザシュ/////
足が赤く広がる感覚に飲まれた。
足を見ると先ほど一緒に戦ってくれていた暗殺者のロングダガーが右足に刺し込まれていた。
私は黙った。この男は殺さなければならない
何がなんでも.....そう言わしめるほどに律を乱す人間だと判断した。
刺してあったダガーを抜き、投げ捨てる。
お互い引きずりながらゆっくりと近づいていく。
男はロンソを右手に携え、暗殺者もファルクスを右手の順手に携えた。
互いに絶命の距離。
剣戟が始まる。
カァアンと鳴り響いた初撃は暗殺者が薙ぎ払いを行った。それを防ぐかのようにロンソを縦に携えた。
私はロンソをそのままの勢いで円形に回し、縦からの切り下げを行った。
暗殺者はファルクスを盾とし、その剣線を逸らした。
一手、一撃二撃と剣戟が続く。
まるで板遊戯かのように、
横薙ぎ、斜めの切り返し、指狙いでの切り下ろしが素早くなっていく。
無論私も縦での防御、その返しに応報するように斜めの切り返しをし、胸元を守るためあえて斜めの縦防御をした。
それを読んだ指切りがあったが、直線上に指はなく剣の腹のみがあった。
だが戦いは唐突に終わる。
腹で受けた瞬間に剣を押しあげ、相手の脇を上げさせる。
暗殺者はファルクスを防御位置に戻すにしろ時間が居る。
そのための最速での切りおろしをした。
無論距離は近いため、この切り下ろしを許せば絶命は避けようがない運命であった。
だが私が狙ったのは、足首を捻らせ前へと膝を曲げた。
そして腰からうねりを混ぜた左拳を左脇、その隙間にぶち込んだ。
ガハッ一瞬の気の緩み、ファルクスの握りを緩めたが依然気迫は消えず切り下ろした。
私はそれに返すかのように右から上への切り上げをした。
カァアアンと金属がぶつかり合う音が響く。
私は腰を下げていたおかげが頭を横切り、首元に切り痕が残り、
そして暗殺者は脇腹から剣が重なった部分まで綺麗に切り痕が残っており、そこから血が溢れ、足元に血溜まりができた。
暗殺者の目はもう光を映さず、そのまま私に倒れ込んだ。
......かなりの強さを持っていた。
感慨に耽ると騎士が戻ってきた。
戦うか?.....
なぜだか言っている言葉が分かったような気がした。
いいやと首を振り、そのまま帰路へと辿ろうとしてた。
そうして土へのダイビングをかました。
エルフの女騎士はそのままゆっくりと近づき、緑色に輝く霧の魔法をかけた。
するとみるみると体の傷跡が消えていき、肉が埋まっていった。
再生魔法をかけたようだった。
騎士は魔法をかけ終えると身動きの取れない暗殺者達の尋問を施した。
そしてそのあと、彼らを殺した。
......そうか私は.....そう言いつつ、鎧を脱ぐことにした。
焚き火を知っているさなか、
ふと隣で眠っている男が気になった。
なんとも間抜けな顔をしている。
急に喧嘩をふっかけ、即座に互いに敵を処理していった。わけがわからない。
沈黙がやってくる。
パチリと木が崩れ火花が散る。
もう少しこの男を知ってみようと考えた。