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人狼に転生した主人公が犬の振りしてお屋敷に転がり込む話(仮)

人間モードを持たない人狼のお話とか如何?


 思い出したくもねぇ話だ、今でも夢に出る。

 ほとほと思うんだが、賊なんぞ割に合わねぇ。食い扶持は安定しねぇし、悪事が過ぎりゃ騎士だの冒険者だのに追い掛け回されて殺される。運よく生け捕りにされても縛り首か重労働が関の山、それなら畑でも耕してた方がよっぽどマシだ。まぁそれすらできなかった奴が山賊だの盗賊だのになるんだろうよ。


 そんな賊稼業でも長くやってりゃ運のいい日もそれなりにあんのさ。

 忘れもしねぇ、その日は最高にツイてた。ツイていたと思った、ってのが正しいか。日も傾きかけた頃に一台の馬車が遠めに見えたのさ。

 金持ってる奴の馬車だってのは一目でわかった。馬車事態は地味だったが小奇麗だったし御者の身なりも良かった。何より馬車の周りに護衛の影が無かったのが決め手になって、馬車を襲うことに反対は出なかった。


 御者は一目散に逃げた。こりゃ中身に期待できねぇなと思ったが、お宝はあった。


 歳の頃は10の半ばくらい、着てる服は見搾ぼらしいが器量はそれなりに良い女が居た。

 そう、女だ。そりゃニヤけもすんだろ。

 良さそうな馬車のわりに護衛が居ねぇから、多分捨てられる予定だったんじゃねぇか?女も怖かったのか失神しちまったんで、俺たちゃマワして良し、売って良しの分かりやすいお宝を抱えてアジトに引き返した。

 可哀そうになー 代わりに俺たちが可愛がってやるからなー ...って俺たちゃ期待に股間膨らませてそれなりに慣れた森の中へと分け入った。


 

 ―――――今日はツイてると思った。この時まではな。


 

 何が起こったかって言われりゃぁ、先頭切ってた奴が横なぎに吹っ飛んだ。...いや、何かに吹っ飛ばされた。

 嫌な音がしたぜぇ、ごしゃっ、ってよ。見てみりゃ吹っ飛ばされた先で痙攣しててよ、半回転した首がこっち見てやがった。

 んでその後にまた音がしてよ、こっちは随分軽い音だった。たいして中身の入ってない麻の袋が落ちたみてぇな、そんな音だ。


 全身を覆う青みがかった毛並みに切れ味の良さそうな爪。視線をゆっくり上げりゃぁ、そこに狼の頭がついてやがった!!


 そんなでけぇ狼が居るわけねぇだと!?...ッ、いや悪ィ。なんて言や良いんだ...、そうだ。

 狼は四本足だろ?ソイツは()()()()()()()()()()()()()


 嘘ならもうちょいマシなのを吐くぜ。ソイツは俺達を睨み付けると唸りをあげると大きく吠えやがった。逆立った産毛が撫でられるような圧があってよ、薄暗い森に幾重も木霊して...今でも耳にこびり付いてやがる。

 そん時思ったのさ。俺たちゃ食う側だろ?魔物の肉とかパンとか、常に食う側だった。あぁ、多分他の奴らも思ったんじゃねぇか?食われる、ってよ。



 それからはもう一目散に散った。折角手に入れたお宝を手放して、ソイツが女に夢中になりますようにって祈りながら俺たちは森の中をひた走った。

 足が痛くなっても 肺が潰れそうになっても 息する音がおかしくなっても 走った。


 結果あんたらに拾われた。感謝してるぜ。

 だが、思うんだ。狼ってのは鼻がいい。二本足でもツラは狼なんだ、多分あれもそうだろ。...臭いを追って、いつか此処に来るんじゃねぇか。それが俺は恐ろしいんだ...。




[世界観]

ごくごく普通のファンタジー世界でいいかと。ただし獣人に関しては作者の任意とする。

獣人が存在する場合:主人公のロールプレイの幅に“獣人の振り”が追加できる。

獣人が存在しない場合:主人公の獣人化に枷を嵌めることができる。


[導入]

シンプルに転生もの。その場合犬が好きを通り越して犬になりたいという動機付けが必須。

人外が好き、特に狼男なんて最高など。

ヒロインとの初会合はテンプレで良き。少なくとも犬一匹飼える位の経済力があるとよし。

後普通の狼に変身、擬態できるスキルなどをどうにかして取得すること。

ヒロインに拾われたらきちんと首輪をしてもらう事。身バレフラグの一つ。

人語の禁止と完璧な人間モードは回想以外に出さない事。(厳守)


[主人公]

犬になりたい(確信)

性格的には穏やか、かつ荒事が苦手だと良し。土壇場で人を殺さねばならい場合の葛藤に使える。

スペックとしては狼モードで高いスタミナと圧倒的な足の速さを。

人狼モードで圧倒的な膂力と鋭い牙と爪を。主人公の前世に格闘技経験があるならそれも組み込める。牙や爪の鋭さに怯えて掌打を覚える、など。

背の高さや全長は各々で設定、ステータス云々もお好みで。


[お披露目]

テンプレに従いお嬢様を襲った盗賊を一蹴する二足歩行の狼が登場のシーン。インパクト大事。


[ヒロイン]

決め切れらなかった設定、その1。ヒロインに追従するのが主人公の行動指針の一つなので、物語の進行とイベントの大半を担うキーパーソンでもある。

だからこそ作者の技量が試される。がんばってくれ。


[日常パート]

お嬢様とキャッキャウフフしたり、家主の狩りについて行ったり、食事を用意してくれる人と戯れたりと作中のメインパート。

イベントの発生時には自身の嗅覚や身体能力を駆使して問題の発生に対応したり、人間側の騎士団などに問題を放り投げるなど可能な限り人間側に解決させるように誘導する。

何故か?主人公はあくまでヒロインの犬だからである。自分が動くと身バレの可能性があるからネ!


[戦闘パート]

人間側の組織で対応できていない状況を自身の力で打破する暴力パート。ヒロインが攫われたり危険に晒した犯人に鉄槌を下したりするのが主眼になる。...が、設定次第では問題が出てくる。

獣人(若しくは人狼)が居ない世界の場合、身バレと飼い主を守るために口封じをする必要がある。初めてのコロコロである。→葛藤の描写

狼男モードのスペック次第で無双したり名勝負したりできる、ある意味作者の匙加減次第。凡そは人間相手、もしくは原生生物と。魔族などが存在するなら設定次第で相対するころになるかもしれない。

お嬢様に身バレするシーンも凡そ戦闘パートの後だと思われる。


[葛藤]

此処は主人公の心持ち次第だと思われる。

それでも思いつく限りでは

・自身が狼ではなく狼男であることをいつまで隠せるのか、隠していていいのか?

・戦闘パートで振るった自身の力への恐怖と初の殺人への忌避感

・それに慣れてきた頃の心象的変化

等々。


[終点]

決め切れなかった設定、その2。どこで終わらせてもいいが山場を越えて終わらせるのは必須。

ヒロイン邸に転がり込んで犬として生きていく主人公を想定してるため着地点がないのが問題。山場を越えてヒロインの元に帰ってくる、というのが奇麗な終わりだろうか。




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