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4話 主人公との出会い

未明 日本皇国 中京都 渥美半島沖



AWACS(エーワックス)"クロウアイ"より、グリフォン隊に通達、六時の方向、奴等の群れがまっすぐ突っ込んでくる』


 基地より飛び立った八機の日本皇国統合自衛軍、"二式戦人機 晴嵐"が編隊を組み、海面近くを飛行し突き進んでいく、まだ夜明け前で視界も暗いにも関わらず戦人機は全く躊躇うことなく突き進む。


『高度に注意しろ、奴らの目は"高さ"に敏感だ』


 隊長機の指示、編隊はより高度を下げ海面スレスレを滑るように飛ぶ。


 マッシブな体格をしている"二世代型純国産機、晴嵐"。青々としたカラーリングに頭部はまるで昔話の"鬼"を連想させるかのような二本ツノが特徴のその機体の一機に彼女、町屋ユウミは登場していた。


『二手に分かれる、コーヒー、ライス、ジンジャーは私についてこい、残りの機は別方向から、二方向で叩く。第二小隊の指揮は……メビウスお前がとれ』


 隊長機からの指示が飛ぶ。


『了解』


 "メビウス"のTACネームで呼ばれたパイロットがそう返答する。


 "メビウス"こと、町屋ユウミ少尉、日本皇国統合自衛軍 中部航空方面隊 第一戦術戦人機飛行団 第101戦人機飛行隊、通称"グリフォン隊"の晴嵐パイロットである彼女は第二小隊のメンバーとともに隊長機率いる第一小隊から離脱した。


「全く……深夜に襲来とかほんと勘弁」


 ユウミがそうボヤく。


『あいつらはこっちの事情なんてお構いなしっすからね』


 軽薄そうな男の声が通信に入る、同じく第二小隊の僚機である彼の声に、ユウナはコックピットに表示されているレーダーの情報を確認しながらうんうんと頷いた。


AWACS(エーワックス)"クロウアイ"より、グリフォン隊へ、敵はアルファ級のみ、周辺に重力子雲なし、高度制限を解除、早めに片付けてくれ』


 空の目である早期警戒管制機(AWACS)から情報が入る。戦人機の戦いにおいて、空から情報支援と管制を行う彼らは欠かせない存在であった。


『なんだよ雑魚だけか……これならこの規模で出張ってくる必要もなかったじゃねえか』


 先ほどとは別の男の声がそんな不満を漏らした。


『上は臆病よね、大阪の悲劇が忘れられないのかしら……本当なら一個小隊規模で十分なのに』


 さらに別の女の声。


『グリフォン6、グリフォン7、作戦中の私語は慎め』


 クロウアイからコールサインでお叱りが入る。


「雑魚だけなら機関砲も誘導弾もいらないか……」


 ユウナは余裕そうにそう呟きながらコンソールを操作、右手に装備していた"九四式30mm短機関砲"をサブアームを使い、飛行ユニットのハードポイントに懸架されたパイロンに格納、代わりに機体背部に装備されている大型の長刀を装備する。


 "二十一式試製大型長刀 天羽々斬(アメノハバキリ)"、日本皇国統合自衛軍技術開発研究部が開発した最新型の大型長刀。


 長刀は日本軍機の特徴であり、この最新型長刀は実証評価の為この飛行隊に先行配備されたばかりのものであった。


「サンダーは私に続き前衛を、ミストとアイスは後ろから援護、雑魚だけだが数は多い、第一小隊の射線に気をつけろ」


 TACネームで僚機に指示を出す、ユウミの指示に『了解』の返答が重なる。


「はぁ……さっさと帰って朝食の用意しないと」


 ユウミは気怠そうに呟きながら機体を飛ばす。そのうちコックピットのモニターに"敵"の姿が映った。


「目標を視認、それじゃ、戦闘開始!!!」


 戦闘が始まった。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


"町屋ユウミ"

年齢 17歳

誕生日 12/9

出身 日本皇国 中京都 小牧市


 本作のメインキャラの1人、日本皇国統合自衛軍に所属するパイロット、階級は少尉。主人公が属する試験小隊の隊長。


〜『蒼き詩のガングレーヴィア』設定資料集より〜


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 朝、私は心地よい鳥の囀りに誘われ目を覚ました。


「ん……ふぁ〜…………」


 大きく伸びをし、枕元の時計を確認すると時刻は八時を過ぎていた。私はベットから降り、そこである事を思い出した。


「……そういや、昨日風呂入り忘れた……」


 と、乙女にあるまじき失念。朝シャワーでも浴びてこようかな……


 私は部屋を出てお風呂場に向かう、お風呂場は部屋と同じ二階にありすぐに辿り着いた。


「はぁ……」


 私はため息をつきながら脱衣所でパジャマを脱ぎお風呂場に入った、中は意外と広い、浴槽も女の子四人くらいなら余裕で入れるくらいのゆとりが存在していた。


「結構立派だなぁ……」


 立派といえば……


 私は自分の胸を見つめた。


「……うん立派」


 今まではこれが普通でなんとも思ってなかったけど、前世の私と比べると格段に巨乳だ……決して前世の私が貧乳だったわけではない!


 そんなことを考えながら私はシャワーを持ち水を出す、そのうち水はちょうどいい感じのお湯となっていった。


「ふぁー……気持ちいい……」


 シャー


 という、心地いいシャワー音、そしてちょうどいい感じのお湯が私の身体を包んだ。


「〜♪」


 私は上機嫌に、ある曲を歌う。次第にテンションが上がってリズムに合わせて軽い踊りをする。


 ガララ……


 と、その時、お風呂場の引き戸が開かれる音がした、ユウミさんかユキさんかな?と思い私は入り口の方を向く。


 ……え?


 入ってきた人物を見て私は固まった。


「わぁ……」


 お風呂場に入ってきた少女、ショートの茶髪で活発そうな雰囲気を漂わせるその人物は……


「あっ、あの私、さっきここに来たばっかりで……名前は湯島ハルカ、春から百合ヶ浜の一年生! よろしくね綾瀬さん!」


 そう、蒼グレの主人公、"湯島ハルカ"であった。

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