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17話 戦乙女の戦技

↓の曲は実在しないオリジナル曲です

 スタートポジションに立つ、そして私達が初めて作った“ Shooting Star!!!”の前奏が流れ始め……そうして、歌詞の入り、私達は歌い始めた。



“夜空に手を伸ばし、描いたあの夢を……”


“追いかけ続けて……走り出す、Shooting Star!!!”



 静かなテンポから始まっていくこの曲、サビまでは落ち着いた曲調ではあるがダンスの動きは多い。私達は練習通りにこなしていく。リズムに乗せ体を動かしていく。ここでステップ、ここでターン……ポジションも間違えない様に…………



 ……いける、ちゃんと動けてる!



 そうしてサビに入る。今までの抑え目な感じとはうって変わって激しい曲調と踊り。この落差がこの曲の特徴でもある。客席を見る、観客も盛り上がっていていい感じだ。と、その時。ハルカが少しバランスを崩す……危ない……!


「……ッ!」


 私は違和感のない様に動きハルカをフォロー、ジェイミーも同じようなフォローをしてくれたため、ダンスのバランスを崩すことなくカバーが出来た。



 そうしてラスト、ターンからの決めポーズ……やり遂げた、最後までやり遂げた!


「「「ありがとうございました!!!」」」


 私たち3人の声が重なる。観客席からは拍手が上がる。


「良かったぞ〜!!」「ヒュー!!!」「マイちゃんー!!推しになるー!!!」「3人とも良かったぞ!」


 感性を背に受け、私たちはステージ袖に下がった。



「…………ッッッ!!!」


 パシッ! パシッ!


 そうしてハルカ、ジェイミーとハイタッチ、汗だくなのも気にせず抱き合う。私達も初めてのライブは無事成功したのであった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


ライブ前



「綾瀬マイ……! 何故あんなところに!」


 驚愕する少女、彼女は赤坂エリナ。日本皇国が誇る重工業メーカー赤坂重工、それを率いる赤坂家の御令嬢であり、本人も幼い頃より兵器開発などに携わる天才少女である。


 この日も仕事の関係で放課後、中京基地を訪れていた。基地に訪れてから、なんとなく基地内の浮かれた雰囲気を感じ取った彼女。基地内で一番騒がしかった場所に来てみると、そこには仮設のステージが存在した。


「あの隣の()……いつも綾瀬マイと一緒にいるわね、もう1人は見たことない……」


 そうして、この彼女の目にあるものが見えた。


「第一試験音楽小隊、模擬ライブ……」


 彼女はそばにあった看板に書かれていた文字、如何にもにも急造感のある看板であった。


「……一体何が始まるんですの」


 疑問を持ちながらステージを眺める彼女。と、その時。センターにいたマイが一歩前に出た。エリナの注目は彼女に集中する。


「えーっと……私たちは第一試験音楽小隊(仮)です! 戦乙女になるために今日は頑張ります! よろしくお願いします!!」


 元気よく挨拶をする彼女を見てエリナはクビを傾げる。何故こんな場所で? 彼女の頭は疑問でいっぱいになった。


「アイドル……? 何故こんな場所で…………」


 そうして彼女たちのステージが始まった、エリナはそれを遠くから眺める。


「……」



 結局彼女は試験小隊のライブを最後まで見ていた。そしてライブが終わり、エリナは気が付かれない様にその場を立ち去る。


「綾瀬……マイ……」


 彼女の脳裏にはマイの歌と踊りが焼き付いて離れなかった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「えーっと……今日の結果をお伝えします」


 私達の隊舎に現れた千駄木司令がそう言った、ライブから一時間。もう結果が出たのか、早いな……緊張してきた……


「3人ともよく頑張りました、合格です」


 と、勿体ぶる事もなく結果を伝える彼女。


「ふぅー…………」


 私は安堵の息を漏らす。ジェイミーは「当然ね」と大きなリアクションもせず、ハルカは派手にガッツポーズをして喜んでいた。実に三者三様なリアクションだなぁと思った。


「喜ぶのは早いわよ、二週間後には戦人機の実技テスト。ジェイミーは言うことなしだけど2人は頑張らないと」


 司令が現実を突きつけてくる、そうだ……忘れてた。司令も意地が悪いなぁ、今日くらい忘れさせたままにして欲しかった。合格の余韻が一気に消え去る。


「戦乙女は歌と踊り、そして戦人機の扱いが出来て初めて一人前と言ってもいいから、戦乙女(アイドル)試験に受かったくらいで気を抜かないことね」


 軽いお説教。私とハルカはうなだれてしまった。それを見たジェイミーは私の肩ポンと叩き。


「大丈夫よ! 私がついてるって!」


 ジェイミーの励まし。彼女は私の手をとり絡めてくる。なんだか距離がとても近い気が……そうして……ジェイミーが色っぽく私に抱きついた!!!


「なんなら……この後、夜通しで“レッスン”してもいいのよ……♡」


「じ、ジェイミー……!!!」


 完全に不意打ち、私の顔は赤くなっているであろう。私って本当にこの手のことに耐性がない……


「はいはい! 離れて離れて!」


 私達の間に強引に入って割るハルカ。なんだか見たことのある光景だなぁ……もはやお決まりのやり取りになってしまうのかこれ。





 そうして戦乙女(アイドル)試験は無事終了した、これからは本格的に戦人機の訓練頑張らなくちゃ!!!

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