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1−3)新学期〜その3

貴司が1年C組で学活を行っている頃、1年D組は…



憲人は静かに教壇へ昇り、深呼吸をしたあと口を開いた。

「はい、起立。」

そう言うと生徒は辺りを見回し戸惑った様子を見せながらオロオロ立ち上がった。

「気をつけ、礼。」

全く揃ってはいなかったが、30人全員頭を下げた。

「はい、始めまして。このクラスの担任になった野宮憲人です。えーと、担当は…なんでしょう?何の先生に見える?」

憲人がそう言っても生徒たちはしばらく黙っていたが、一人の男子生徒が

「数学?」

と言った。

「残念、数学じゃないな。数学は、後藤先生という若くてイケメンの先生が教えてくれるよ。

はい、他には?」

すると、一番後ろの席の女子生徒が

「美術ですか?」

と言った。

「美術!?(笑)ハハハ、初めて言われたよ。違うよ。」

すると次に、目の前に座っていた男子生徒が

「体育でしょ?」

と言った。

「はい、お見事。正解。」

そう言うと、生徒たちは「へー」「体育なんだぁ」と言葉を発した。


「うん。先生は2年前にこの学校に来てずっと男子の体育を教えています。得意なのは…なんだろう。一応、体育の先生だからスポーツは大概できるけど、強いて言うなら球技系が得意かな。」


すると、先ほど「体育でしょ?」と正解を言った生徒が

「部活はなんですか?」

と聞いてきた。


「部活は、女子バレー部の顧問です。この学校の女バレは結構強くてね、去年は都大会まで行ったよ。まあ、1回戦で負けちゃったけどね。」


気付くと、多くの生徒は興味津々の視線で憲人の話を聞いていた。


「この学校で、他に強い部活は何ですか?」

ある女子生徒が質問した。


「強い部活か…なんだろう(笑)男子バレー部も去年は都大会行ったよ。あとは、野球部も都大会行ったんじゃないかなぁ。えーと、部活のトロフィーとかは職員室前の廊下に飾ってあるから、それを見ればいろいろわかると思うよ。帰りにでも見てみなよ。」


そんな風に雑談をしているうちに時間は過ぎて行った。


「あ、ヤバイ!!もう時間ねぇや。明日の連絡と入学式の説明しちゃうね。」



憲人はかなり生徒と心の距離を縮めることに成功した。


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