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異世界モノ作りアングラー  作者: 砂野ちや
第1章 ミステイク
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47 出動要請

「いよいよ、要請が来たよ」

 ミステイクの全員が、食堂に集められた。

「第二連隊長だったマッケル将軍からだが、半月後に首都ゲルトで市民活動家達がホフマンの革命政府に対して蜂起するらしい。その手助けをして欲しいとの要請だ」

「革命政府内の内乱ですか?」

「そうだね、ホフマンの半独裁政権への反発だろうね。この後、マッケル将軍とエスパール伯がどう動くかは気になるが、彼らは貴族特権の抹消に一応は同意を示している。ホフマンがいなくなった後、私兵軍を持つ大貴族は彼らだけだから、彼らがホフマンの二の舞を踏まなければ、一応は民主化の成功といえるだろう」


「俺たちと、海野さんが預かる三千人の兵は第三勢力として、是非とも味方に付けておきたいってわけか」

「海野さんは、どう思っているんですか?」

「僕は、市民の味方でありたいと思う。元々、市民活動家は革命を起こすためにゲルトにいた時に僕が声をかけた人たちだからね。僕は一人でも行こうとは思ってるよ」

「海野さんが行くっていうんなら、一緒に行くしかないだろう」

 柿沼さんがそういうと、池宮さんも頷く。


「それで、この国はよくなるんでしょうか?」

「直ぐに、よくなるわけがないじゃないか。俺たちは神じゃない、やってみないと分からねぇだろ? みんなより良くしようと考えているだけじゃないのかな? 欲や不満は原動力にはなるだろうけど、まさかそれだけで革命を起こしているわけじゃないだろう? みんな、答えは分からないけど、今よりも幸せになりたいと思うから行動しているんじゃないのか? 国がどうなるかよりも、自分がどうしたいか、だろう?」

 俺が聞くと、亜湖さんが答える。他のアリサをはじめ、勇者以外のミステイクの面々もうんうん、と頷いている。そうだ、俺はいつの間にか部外者の立ち位置で考えていた。ここは、もう俺の国じゃないか。このままでいいのか? って話しだよな。

「そうですね。俺は間違った方向に手を貸すことが怖かったんです。分不相応な力って慎重に考えて使わないと怖いじゃないですか」


「うん、分かるぞ、裕介。はっきりしているのは、ホフマンは悪いヤツだ!」

 柿沼さんが、単純明快な答えを出してくれる。みんなが笑いだす。

「じゃ、俺も行きます」


「では、ミステイク十七人は、要請を受けるという事で良いだろうか?」

 海野さんが確認すると、全員が頷いた。

「今回は、馬で駆け付けなければ間に合わないので、ミステイクだけで行こうと思います」

「千五百人は居残りですね」

「ええ、ここを空っぽにするわけにもいきませんからね」


「では、明朝出立します。各自、武具の手入れを済ませておいてください。どこで敵と鉢合わせするか分かりませんから、敵の情報は分かり次第お知らせします」


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 アリサの後ろに乗り、馬で駆けている。馬だと早い。五日もあればゲルトに到着するのではないだろうか? ブルケンの手前まで来た時に、サーズカルを目指して歩いている兵士達に出会った。

「誰かと思えば、ミステイクじゃないか!」

 腹を減らせて、トボトボと歩いていた兵に食べ物を分けると、嬉しそうにそう話した。

「一体、どうしたんだ?」

「どうもこうも無いですよ。ホフマン将軍に意を唱えた大隊長四人は、秘密警察に捕らえられて、俺たち兵隊はヤバイと思って逃げて来たんですよ」

「他にも大勢いるのか?」

「四大隊のかなりの兵が逃げたんじゃ無いですかね? 故郷へ帰ったのもいりゃ、潜伏したのも、俺たちみたいに行く当ての無いのもいるでしょうね」

「そうか、サーズカルに行け。食べ物も寝る場所もある」

「有り難い!」


「ホフマンは、どのくらいの兵力を持っているんだ?」

「そうっすねぇ、前第二連隊と親衛隊の寝返り兵を入れて、六千五百人くらいですかね?」

「それと、王宮魔道士」

「分かった、ありがとう。気をつけてな」

「ハイ!」


「王宮魔道士か。厄介なヤツらがあっちに付いたな」

 王宮魔道士は、俺たちを召喚した際に粛正された、召喚術士だけではない。魔法陣や、研究された大規模魔法などを行う集団もいるらしい。


 この世界の人は、生活魔法に頼って生きているため、マッチやライターも必要なければ、水道も箒すら必要がない。魔力を通せば光る石があり、かなりの明るさが必要な時以外は電気も必要ない。魔法で生活が賄えるため、ほとんどそういった機械や学問が発達しなかったのだ。

 その代わり、魔法を扱う学問は発達しているそうで、それを勉強する大学や、研究機関も多く存在するらしい。但し、勇者や賢者と違って、人ひとりが持つ魔力は限られているため、大規模な魔法を扱う場合は、複数の人数で魔法陣などに魔力を注ぐ必要があるそうだ。大勢で船を漕いだり、重いものを運んだりするのに似ている。


 王宮魔導士は、そういった学問のエキスパートを集めて研究している国家機関の連中らしく、召喚魔法のような大掛かりな魔法も研究しているそうだ。

 だから、今回は俺たちが大規模な攻撃魔法を食らう可能性も出て来た。

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