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異世界モノ作りアングラー  作者: 砂野ちや
第1章 ミステイク
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24 河川工事

 出発して二日目の夕方、川を渡り、始めてフレーブに入って目的地に到着した。

「とりあえず、ここで野営をして明日の朝から工事をしましょうか」

 食事を済ませると海野さんがミステイクの男たちに嬉しそうに言う。

「ここね、温泉があるんですよ、入りませんか?」

「温泉!」

 俺と、池宮さん、柿沼さんの三人は目の色を変えて喜んだ。他のベーグル出身の兵たちは、なんだそれ?と言った感じである。

「エクレア曹長も行きましょう!」


 俺が誘うと、横から涙目になったグレッグ中尉が言う。

「私は誘ってもらえないのですか?」

「いや、グレッグ中尉は女だから、裸の付き合いだよ。行く?」

 それを聞いて、アリサはカーっと赤くなった。

「行きません!」

「でしょ? ワハハ、ヒルトン中尉と二人で後から入ればいいよ」

「でも、私たちは温泉なんて知りません!」


「見たいのなら、別に見てもいいぞ」

 と柿沼さん。ほんと、女だと思ってないんだな。

「見たくありません!」

「後から、教えてやるよ」

 俺がコッソリ言うと、アリサは何を勘違いしたのか、赤くなってモジモジしている。


「うひゃ~!! 生き返るなぁ~! 久しぶりのお風呂だよ」

「ぐははは、そういうことか!これはいいのう!」

 エクレア曹長が、タオルを肩にかけてノシノシと歩いてくる。俺と柿沼さんは、その股間を見て絶句した…。

「勇者級!」

「いや、魔王級だ!」


 俺たちが上がった後、俺はアリサの手を引いて連れてきた。

「ここで、服を脱いでこのお湯に浸かるといいんだ」

「あぁ、そういうことでしたか」

 やっと分かってもらえたようだ。

「亜湖さんがいないから、安心だし」

「ウフフ」

 後で聞いたら怒るだろうなぁ~ 亜湖さん、憧れの女風呂だもんな。

 柿沼さんもスケベだけど、亜湖さんのように闇の力に支配されていないから、紳士だ。たぶん。


 アリサとヒルトン中尉が温泉から戻ってきた。

「すごく気持ち良かったです」

 とヒルトン中尉。

「でしょ、俺たちの故郷の風習なんです。みんな大好きですから」

 アリサは、なんだかションボリしている。うん、きっとあれだな。俺たちと同じように魔王級を見てしまったんだな。慰める言葉もない。


「敵襲~!」

 夜が明けて直ぐのことだった、見張りの兵の叫び声で目覚める。

 敵の騎馬兵が七人。丘の上に立っている。俺たちは跳ね起き戦闘態勢に入る。

「池宮さん、頼みます」

「了解!」


 ゴォォ~!!!


 竜巻が起こり、敵兵を馬ごと跳ね飛ばした。エクレア曹長と部下が直ぐに駆け出し、ロープで捕縛する。なんとなく、ミステイクとして見慣れてきた光景だな。

 ヒルトン中尉他の将校は、初めて見る勇者の魔法に言葉を失っていた。一瞬で敵を殲滅したのだから、無理もない。じゃぁ、今日は俺も、もっと面白いもの見せるよ~!


 文字通り朝飯前の戦闘が終わり、朝食を取る。敵に土の勇者の魔法は見せるわけには行かないと、将校二名とミステイクの兵二名で、先に捕虜を連れ帰ることになり出発した。

 戦利品として、馬七頭をいただく。治癒魔法は馬にも効果があり、骨折しても直せるのでありがたい。


「じゃぁ、柿沼さんの火魔法で、川を作るルートを焼いて決めてもらえますか?」

 柿沼さんと海野さんで、高低差を睨みながら正式なルートを決定していく。土木技術者の三人が相談しながら大体のルートを決めながらここまで来たが、その具体的なルートは俺には分からない。

「じゃ、焼くぞ!」

 柿沼さんが火魔法で、前と同じように八百メートルを焼いた。

 ヒルトン中尉他は、またも口をあんぐりと開けて驚いている。


「この焼け跡の幅で、十五メートル、掘り下げてくれ」

「これだと、二回に分けないとしんどいかも」

「おう!いいぞ」

 俺が砂に変える。池宮さんが吹き飛ばす。

 気化することも出来るが、どんなガスに変わるか分からないので、砂や液体に変える方が無難なのだ。

 こうして、一セクション目の工事は三十分で終わった。

 ヒルトン中尉他は、腰が抜けたようだ。アリサが、フフン! っと得意そうにしている。何でお前が得意がるんだよ!


 この調子で、最後のラビル川分流地点までやって来た。これを抜いたら、パストゥールの水攻め開始だ。

「じゃ、抜きますよ~!」

 川の接続部を、液状化する。ちょうど川の曲がり角だったので、ほとんどの水が開通した川に流れ込む。気持ちよく流れて行ったようだ。

「お疲れさま」


 ヒルトン大尉他三人が、俺たちの前にやってきて敬礼する。

「勇者ミステイクの御力を確認いたしました!」

「うん、ご苦労様。僕たちは、この後、工事の完成とトンネル工事の現場を視察して帰るから、マッケル連隊長によろしくね」

「はっ!!」


 エクレア曹長と部下二人を残し、ヒルトン大尉と他の兵は先に帰って行った。

「じゃぁ、馬でまた温泉のところまで戻ろうか」

 俺たちは、その夜も温泉に入り工事の完了を祝った。

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