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異世界モノ作りアングラー  作者: 砂野ちや
第1章 ミステイク
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11 ウサギ肉のシチュー

「なんだって、この野郎! もう一度言ってみろ」

 戻ってきた亜湖さん達にステラの話しをしたら、半ギレで羨ましがられた。


「十九歳の巨乳美女に抱き付かれて死なないで、待ってるからって言われたって?」

「だから仕事上の話で…」

「柿沼さん、こいつ死刑にしていいっすかぁ~!」

「おう、死刑だ死刑だ。亜湖、あたま持て」

「ほらほら、柿沼くん、亜湖くん、そのくらいにして、夕食だ」

「へーい」

 池宮さんに呼ばれ、みんなで配膳を手伝う。


「一度作ってみたかったんだ、ウサギ肉のシチューだ。旅の間はゆっくりと料理が、できなかったからね」

「おぉ、あの指〇物語のヤツっすか」

「異世界の旅だからねぇ~」

「美味い!!」

「これぞ異世界って感じっすねぇ~」

「たくさん作ったから、どんどんお替わりしてくれ」


「海野さん、調べものは終わったんすか?」

「うん、だいたいね」

「何を調べてたんっすか?」

「この世界のことだよ」

「聞かせてもらっていいっすか?」

「いいよ、じゃぁ大体のあらましを話すから、食べながら聞いてくれ」


 この世界はレコンドって言うらしい。今年がレコンド歴1660年だ。この世界も12か月で一年、一か月は30日で月がちょうど30日で満ち欠けするから、太陰暦だな。


 この国は知っての通りベイグルという、人口150万人、首都はゲルトで軍の編成は第一から第三連隊の三連隊で合わせて2万3千人と王直属の近衛兵が2千人だ。国王アブサル・フォン・ゲルトは軍事クーデターで20年前に国王になって以来、東のフレーブに侵攻しようとして戦争しているが、ラビル川岸の要塞である上流のパストゥールと下流のルルドを落とせずに小康状態で攻めあぐねている。


 パストゥールには第三連隊が、ルルドには第一連隊がそれぞれ、リンゲとサーズカルという要塞で川を挟んで正対しているが、パストゥールの方は相手は山に囲まれた天然の要塞で、対してこちら側は湿地帯だから、下流のルルドの方が攻めやすい。


 対してフレーブは総人口130万人ってところで、ベイグルに比べると温暖な気候で作物にも恵まれている。ベイグルとフレーブがこの中央大陸の中央山脈を挟んで北面にあり、南面には、ベイグルと唯一国交のあるオスタールが一番西に位置していて、山脈の端っこの狭い回廊に位置するアミザというオスタールの港町を介して交易している。

 オスタールの東には、肥沃な水田地帯を持つアルバス、でかい湖を挟んで宗教国家スレブと砂漠の国ネプル、その東に大国イスロンがあり、その北がフレーブで大陸を一周する。


 まだ、他にも大陸はあるそうだが今のところ判ったのはこれくらいだ。

 フレーブとは一番広く接しているから、戦争をやめて友好を結べば、ベイグルもかなり良くなると思う。元々、アブサルの前の国王タスクルの時代はそうだったらしい。

 ここまで話せば、革命を起こしてアブサルを退ければ良くなるのは、誰にでもわかるのだが、問題はアブサルに加担している一部の貴族達だ。特に第二連隊の連隊長バルト・キスリング将軍と親衛隊長のハイツ・ブロッケンはベイグルの名門で、大臣や要職もこのキスリング家とブロッケン家の二家でほとんど占めている。


 この二家の独占状態に不満を持っているのが、これから行く第一連隊の連隊長ザイス・ホフマン将軍と第三連隊のべリス・マッケル将軍だろう。それと西の端国境地帯を収めるエスパール辺境伯ってところかな?それもたぶん、もう限界にきている。このベイグルって国はもう抜けかけた歯みたいなものなんだよ。


 僕はこの三家を反政府側に巻き込めれれば、革命に成功できると思っている。まだ、誰もあったことはないけどね。先ずは僕たちミステイクが武功を上げて勇者と賢者のパーティーだということを知らしめれば、相手の方から接触してくるんじゃないかな。王の側も離れたし、もうここからは、隠さずに勇者を世間にアピールしながら行くことにしよう。

 先ずは第一連隊長の懐柔からスタートだね。フレーブと大きな戦で勝利して停戦に持ち込むのは、その後だよ。


 海野さんって人は、ビッグマウスなのか?

 なんで同じように二年前に召喚されてきた人がここまで計画出来るんだろう?


「海野さん、もう話しいいか? ご馳走さま。裕介、明日俺たちもステラちゃんに会わせろよ」

「そうだ、お前、今からアクセサリーを作れ、明日一緒に持って行こう」

 柿沼さんと、亜湖さんだ。この、脳筋と脳エロはちゃんと話しを聞いてたのかよ?!

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