早速ルカの正体
ちょっと短め。会話回です。
翌日、特に遅刻することもなく普通に出席してきたクラスメイト達と朝の雑談を交わす。こいつら不良感丸だしなのに、意外とちゃんと出席するのね。
最初の試練だった[同部屋のパイセンがどんな奴か運試し]は、ワンもラフィも外れは引かなかったようで何よりだ。
「で、リュートんとこはどんな奴だったんだよ?」
と、ラフィが聞いてくる。こいつ、おちょくってキレさせてる俺が言うこっちゃねーけど、馴染むのはえーな。根が素直なんだろうな。
「なんか優しそーではあったな。でもたぶんヤベー奴だなありゃあ。あ、丁度あそこ歩いてんじゃん!オーーーイ!ルカくーーーーん!!!ここーーー!!オーーーーイ!!」
たまたま近くの通路を歩いていたルカくんを発見し、手を振ってみる。フツーに笑顔で手を振り返してくれるルカくん。やっぱパッと見は良い人なんだけどなー。なんかヤベー奴感あんだよなあの人。
「へー、確かに優しそーな感じじゃん。どこがヤベー奴なのよ?」
「いや、なんつーか、オーラみたいな?フルネームだとルカ・クラインベックってヒトなんだけど聞いたことない?」
「「クラインベックゥ!?」」
ワンとラフィが同時に驚く。なんだよこいつらいつの間に仲良しだよ!?
「な、なによ。そんな大袈裟にしなくてもよ。いや、わかるぜ?ナントカ団みてーなののアタマなんだべ?でもフツーに良い人そうだったし」
「お前なぁ……」
「リュートくん、マジすか……」
「え?え?なに?なんで呆れてんの?そんなヤベー奴なの??」
こりゃー、超ドデカ地雷踏み抜いた予感がするぜ。ははーん、アレだな。理事長の息子とかいうアレだろ?優しそうに見えて実は裏の顔があったりして、ちょっと逆らうとすぐ権力で退学させられる的なよ?まぁ、その程度この俺が上手く飼いならしてやるけどよ。
「……お前、この国の王サマの名前知ってっか?」
「オイオイ、さすがにそりゃ俺の知能を下に見積もりすぎだろ。ゴブリンから生まれたワケじゃねーんだからよ。王サマといやあ、アレだろ?クラインベック王…………クラインベックゥ!!?」
「(こいつ)」「(この人)」
「「(すげーバカだな)」」
死ぬほど呆れた目で俺を見つめる二人。だからオメーらいつからそんなに仲良くなったの……。
「いやいやいや、たまたま同じ姓なくらいでよー?王族リスペクトの愛国心強いご家庭なんでしょ?」
「クラインベックを名乗れるのは、王位継承権のある直系の人らだけらしいっすよ……」
無駄に一般常識のあるワンにトドメを刺される。ぐぬぬ。
「お前、マジで大人しくしとけよ?その人、ほんとの王族だぞ。たしか第六王子だったか?」
「そうっすよ。脅し文句じゃなく、ナメた真似したらガチで一族郎党ぶっ殺されますよ?」
「ひぇぇぇ、俺、フツーに"ルカくん"とか言って気さくに話かけちまったよお」
「ご愁傷さま。骨は拾ってやるよ」
「短い間でしたけど、世話になりましたっ……!」
「ちょ、俺死ぬの!?極の刑ってヤツ!?やだよ!助けてよ!俺らトモダチじゃん!!ねえ!」
「「………さようなら」」
「ねええええええええええええええ!!!!!!」
権力にもの言わせて退学どころか、人生退場させられちまうよ!!部屋帰ったら土下座しとこ。許してくれるよね?ね?ね?
次回、いよいよ魔法の授業!魔法(物理)じゃないよ!
-------------------
少しでも「この作者バカだな」と笑っていただければありがたいです。
感想・評価、できればブクマもお待ちしております!!