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寮生活

連載始まって以来の落ち着いた回(当社比)


「へぇ、意外と綺麗じゃん!」


 学生寮初見の印象。学院の荒れ方から予想すると、壁一面に落書きがあって、窓やらドアやらが破損していて、タバコの吸い殻とか注射器とかがポイ捨てされまくってると思ってたけど、全然普通でした。


 ワンとラフィ、その他大勢一緒に来たクラスメイト達もホッとしているようだ。


「やったーー!!屋根がある!!」


「おいおい、嘘だろ!壁があるぞ!!」


 と、一部の連中が騒ぐ。お前ら今までどんな環境で暮らしてきたのよ(涙)



「で、部屋番号は?どっかに貼り出されてるんか?」


「たしか学生証に書いてあったはずッスよ」


 意外と真面目なワンが教えてくれるも、まったくピンと来ない。学生証……?そんなん貰ったっけ??


「お前、リーナちゃんの話全然聞いてないのな。これだよ、これ」


 ラフィが自分の首にかけた小さな銀色の板を指す。すっかり忘れてたけど、確かにホームルームのときに貰ったわ。


「このフォルム、学生証というか認識票なんですが……」


「見かけよりかなりタフな作りみたいですよ。何十年か前に魔法の授業の事故で教室ごとぶっ飛んだことがあったらしいんすが、現場には学生証だけが綺麗に残されていたとか」


 学生証がどうとかよりその授業がこえーよ。どんな禁術使ったら、教室ごとぶっ飛ぶような事故になるのよ!


「今は対策されて、教室はぶっ飛ばないらしいっすよ!」


「生命の方を守ってくれよ………」


 ラフィの切ないツッコミが響く。


 そして認識票……いや、学生証には確かに部屋番号が刻まれていたので、各自部屋に向うことになった。残念ながら全員バラバラらしい。



◆◇◆◇◆◇ 


 学生寮の敷地はなかなか広い。生徒全員を収容可能で、最大2400人まで入寮できる。が、3年目までに半数が辞めてしまうので、かなり広々使えるようだ。流石に個室とまではいかないようだが。(ワン情報)


「さて、同居人はどんなヤローかなっと。失礼いたしま〜っス」


 上級生相手なことを予想して、とりあえず挨拶しつつ部屋に入る。同部屋の人とくらいは仲良くしておきてえからな。まぁ、こっちが年下だからつってナメたことしてくるようなら、そん時はそん時だ。


「ん?ああ、1年生。今日からだったっけ。ツイてるねキミ、この部屋は俺と君だけだから、どのベッドでも自由に使っていいよ。もちろん俺のベッド以外だぜ?」


 そう話しかけてきたのは、この学院の生徒とは思えないような、落ち着いた雰囲気の人だった。パンチでもリーゼントでもないし。これならまともな寮生活が送れそうな予感。


「了解っス!リュート・ヴァルツァーです!本日から世話になります!!」


「ははは、元気いーね。俺はルカ。ルカ・クラインベック。3年だよ。1年が学院に慣れるまで同部屋の先輩が面倒見る習慣になってるから、何かあれば言ってきてくれ」


「はい!よろしくお願いしまっス!……ところで他の先輩方は?」


「この部屋は元々俺と5年と6年の先輩がいたんだけど、二人はもう騎士団入りしたからいねーんだわ。二人以外にも上の方の人は優秀だと卒業前に騎士団からお呼びがかかるから、こう言っちゃなんだけど、5年6年の人はフツーの人が多いかな。だからいろいろとシキってんのは俺と同じ3年か4年の人ら。ムチャな勧誘してくる連中もいるから気をつけろよ」


「勧誘……?」


 なんじゃそりゃ。マルチ商法的ななんかか?このボールペンを使うと成績が上がる的な。


「あぁ、派閥みたいなもんだよ。どこの出身だとか、学院の外で加入してるグループとか、貴族の連中なら親同士の繋がりもあるしな。まぁ、悪いコトばっかじゃねーよ。派閥に入ってりゃ、他の厄介な奴らから目をつけられなくなるしな」


「へー、なんかめんどそうッスね」


「だろー、いろいろ面倒なのよ。まぁ、困ったら俺の名前出していーよ。ルカと同部屋だって言っときゃ余程のバカじゃなけりゃ引き下がると思うからさ」


「……もしかして、ルカくんって実はヤベー奴なの?」


「へ?い、いや、そんなことはねーよ。ただ、3年も学院に通ってりゃ、知り合いも増えるだろ。それだけ」


 超嘘クセー。あるよなー、フツーっぽいキャラが実は一番キレた奴みたいな展開。ラフィの萌え萌え団?みてーな、謎の団体の長だったりすんだよどうせ。アブネー、あんまふざけたこと言わんとこ。


「じーっ……」


「な、なんだよ急に静かになっちまって。そ、そうだ、もう寮長に挨拶したか?これから長けりゃ6年間世話になるんだから、きっちり挨拶しとけよ?」


 露骨に話をそらしやがったな。ハイ決定。コイツ、スーパーヤベー奴。


「ルカくんがヤベー奴なのは確定として……寮長?どんな人なんすか?」


「それは確定なのか……まぁいいわ……。寮長、見た目はコエーけど優しい人だよ。他の教員連中より歳も近いから結構話せる人だし。たしか今年の一年の担任もやるとか言ってたかな」


「どこかで聞いたことあるプロフィール……ま、まさか!?寮長ってリーナ"ちゃん"ッスか!?」


「コゾォ……今、言っちゃいけねえ言葉を言ったなァァァ!?」


「ゲェ!?リーナ"ちゃん"!?どうしてここに!?」


 突如背後から現れるリーナちゃん。マジかよこのオヤジ、俺に気配を悟らせねーとは!!この学院に巣食う悪霊かなんかか!?あ、やべ、また"ちゃん"付けしちま


「愛のムチィ!!」


「ハバラッ!!?」


「あーあ、言ってはいけないことを……」


 本日何度目かの殺人拳を喰らった俺は、そのまま意識を失った。最後にケチがついたけど、それなりにまともな寮生活になりそうッス……。


だんだん名前がパッと出なくなってきた……。


そろそろ何かで設定管理しなくては。




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少しでも「この作者バカだな」と笑っていただければありがたいです。

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