入学式本番
作者に語彙が無いのではなく、キャラクター達がそういう人達なのです。本当です。
(((((ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!)))))
「なんか雄叫びみたいなの近づいて来てない?」
「そりゃー、あんだけ煽ったらみんな集まりますよ……どうするんすか?流石にリュートくんでも一学年全員敵に回すのはヤベーんじゃ」
「余裕っしょ。新入生全部でもせいぜい50人くらいの話だべ?」
「いやいやいや、1教室40人で10組ありますからね?全員が登校してるワケじゃねーにしても300くらいはいるでしょ」
嘘だろ!?この教会、マックス詰め込んだって100人もはいれねーぞ!?最初から誰も来ねーの織り込み済みかよ。あーやだやだこれだから底辺校って。
……300、、300かあ、、、まぁ、なんとかなるっしょ!!!!人数多い方が祭りって楽しいジャン!?
「オッケーオッケー。でーじょーぶだ!オラに任せろ!リュートに不可能は無い!!逆スリーハンドレッドや!(?)スパルタの戦士並みのジツリキ舐めんなよ!?」
「マ、マジすか!?やっぱリュートくんパネエ!!よ、よっしゃこうなったら、俺も微力ながら加勢いたしますぜ!!」
くぅ〜〜〜っ!なんて熱い奴、ワン公、付き合いは短いけど最早マヴだぜ!マヴ!
(((((ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!)))))
フッ、どうやら団体様の御出ましみてえーだナ!?いっちょかましたるか!!!
「ワン公……覚悟はできてるか?」
「ハッ、誰にモノ言ってんすか、俺はリュートくん第一の舎弟、ワン・グロスマンですぜ!!いつでもイケますよ!!!!」
「そのいきやヨシ!!!ワン公!!…………今からお前がリュート・バルツァーだッ!!」
「押忍ッッッ!!!!…………えっ?俺?え?え??」
困惑するワン、しかし時の流れは無情。悩める若者を置き去りにして、現実は恐ろしいほどのスピードで進んでゆく。
「「「「「オラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」」」」」
新 入 生 入 場 で す !ドンッ!
予想通りチンピラのバーゲンセールッ!モヒカンアイパーリーゼント!!悪魔も魅了するチョイ悪ヘアカタログ!!!開幕したばかりの21世紀が既に末期の様相だァァァーーーッッ!!!
「リュート・バルツァーとかいう田吾作はテメエかゴラアアアアッッッ!!!?生まれてきたこと後悔させたるわジャリがァァァッッッ!!!」
先頭のモヒカンが恫喝をはじめた!やったね、会場のボルテージはアゲアゲだ!でもまだまだこんなもんじゃねーだろっ♪
「この人がリュートです。皆さんのことをミジンコ以下の脳味噌しかないクソバカと言ってました。あとワンパンで殺せるって言ってました。この人がリュートです。」
と言いつつ、ワンを指差す俺。全てを察して白目を向くワン。
「ちょ、ちょ、ちげーって俺はワン・グ(ウベエェェェッ!!?」
「うるせええええええええええええ!!!クソナメたこと抜かして今更ビビってんじゃねえぞ死ねやァッッッ!!!!」
名乗ろうとするワンを問答無用でぶっ飛ばすモヒカンくん。やっべーよさすが低能、話通じねー!!
「あ、ゴメンゴメン。間違えた、後ろの彼がリュートでした」
モヒカンくんの後ろに立つ、別のチンピラを指名してみる。
「てめえかあああああああああああああああゴラアアアアアアアアア!!!!!!」
「え!?いやそんなワケねーだろ!?俺は今テメーとココに(チャパァッッッッ!?」
「ウゲッ……いっってえなテメエ!!!!?オルァ!!!!」
「てめー俺のダチに何してくれてんだこのカスゴラァアアアア!!!!」
後ろの彼をためらいなく殴りつけるモヒカンくん、吹き飛ばされた後ろの彼に当たってキレる別のヤンキー、横から参戦する後ろの彼のお友達。混乱の連鎖が無限に広がってゆく!!!
「オイ……この俺にお茶目してシカトこいてんじゃねーぞモヒカンてめえ!!!オラァ!!ストレス解消パンチ!ストレス解消パンチ!ストレス解消パンチィイイイ!!!!」
「ウゲェホァッ!!……こ、こいつよく見たら地獄の番犬のグロスマンじゃねーか!こいつも入学してやがったのかよ!!!」
おおおっ、ワンも復活!!盛り上がって来やがった!!ワンちゃん、モブザコかと思ったら意外とヤルじゃん!地元で有名なのはフカシじゃなかったのね!!
「いーね!楽しくなってキタァ!!俺っちも混ぜてぇな!オウ、ワン公!俺の"杖"持ってこい!!」
「はいよ、リュートくん!」
みんな忘れてると思うけど、我らが母校は"魔法"騎士学院だぜ?戦う魔法使い養成所の喧嘩が、杖無しじゃ始まらねーっしょ!!
「オラァ!!ファイア!ファイア!ファイア!ファイア!ファイア!ファイア!!!」
「くぺっ」
「ちゃもっ」
「だへぇ」
「っぁいぃ」
倒れるザコキャラ達。フフフ、どーよ俺の魔法の味はァ!?おかわりもまだまだあるぜえええええッッッ!!!!!
「ファイア!ファイア!ファイア!もひとつファイア!追加でファイア!ファイアマシマシ!オラァ!!!」
「ちょ、オイ、どこが杖だよテメー!?鉄パイプで殴りつけてるだけじゃねーか!!誰かこのバカ止めろ!!囲めっ!一斉にかかれッ!!!」
「スッゲー!リュートくんのファイア(物理)半端ねー!!」
粉々のステンドグラス、砕け散る銅像、飛び交う怒号、衝突するそれぞれの想い───
「うるせえな、入学式くれー静かにできねーのかカス共」
────この騒がしい乱闘会場で、やけに耳に残る冷たい声。
その主は─────。
「あああ?"マジオくん"かヨ?今何かナメたこと言ったように聞こえたんだが気のせ(ハッバララッへブ!!?」
地味にタフで今だに乱闘の主力だったモヒカンが、火星のあたりまでブッ飛ばされた!?
「誰が"マジオくん"だテメー!?こっちが心を入れ替えようと大人しくしてりゃつけあがりやがって。わざわざ似合わねーメガネまでかけてきた俺がクソバカみてえじゃねえか!!!?まとめてぶっ殺してやんぞゴミ共がァッ!!!いくぞテメーらァ!!?」
ヒェ、最初っから入学式に参加していた"真面目クン"が、ブチギレやがった!?奴のツレも一斉に乱闘に参加してるし。超サプライズじゃん!!
「げ!コイツ、殺戮天使のラフィ・シュタイナーじゃねえか!!?化けてやがったなテメー!?他の奴等も殺戮天使の連中かよ!!?」
うんうん、なんだか知らねーけど、楽しそうでイイね!やっぱ入学式はみんなで盛り上げねーとヨ!?
「っしゃあ!僭越ながら新入生代表として、このリュート・バルツァーが挨拶を務めさせてもらうぜ!!俺たちみんな、清く正しい学院生活を送って、立派な魔法騎士になりまぁす!!!よろしくゥ!!!」
壇上にて代表挨拶をつとめる俺。やべえ今俺、超輝いてる。死んだ親父も喜んでるだろうなァ。(死んでない)
「あぁ!やっぱアイツがバルツァーじゃねえか!?ブッ殺せ!!!」
「テメーが余計な煽りかまさなきゃフツーの入学式だったんだよこのクソボケがぁっ!!!」
「とにかく死ねカス!!!」
同級生達からの暖かいエールが止まりません!6年間の学院生活、最ッ高なコトになりそーだぜ!!!
「うるっせええええええ!!!!まとめてかかってこいやあああああッッッッ!!!!!」
「「「「「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッ!!!!」」」」」
〜入学式、完〜
※用語メモ
"マジオくん"とは、"真面目でおとなしい" あるいは、"マジ、オタクっぽい" など、DQN(死語)の方が一般生徒を馬鹿にするための言葉です。
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少しでも「この作者バカだな」と笑っていただければありがたいです。
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