入学式序章
地の文というのが苦手で筆が止まってしまうので、もう気にしないでとにかく話を進めようと思います。
「す゛ひ゛は゛せ゛ん゛て゛し゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
さっそく忍者ヤローを見つけた"俺"は、先程はできなかった"アイサツ"をしてさしあげた。
なんと彼は同じ教室で学ぶことになる同級生かつ、クラスに一人はいる謎の事情通でとても便利そうだったので、これからも仲良くしていこうと思う。
「なんだっけ?サスケくん?俺、何も知らねーで入学しちまったから、いろいろと教えてヨ」
「一文字も合ってねえ!?ワン・グロスマンですよ!!これでも地元じゃあ、ちったあ知れた名なんすよ!」
「はいはい、ワンちゃんね。リュート、オボエタ、ワンチャン、マイフレンッ」
「はぁ、まあいいや。とりあえず、入学式とかどーします?ほとんど誰もいねーし、行っても意味ねーと思うけど」
「誰もいねーって何よ?いくら荒れてる学院だっつっても入学式くれーは出るもんだろ?親とか来る奴もいるだろうしよ」
「うちの学院はそういう次元のモンじゃないんすよ……」
こうして俺は、意味深なワンちゃんを引き連れ、待望の入学式に出席することとなった。
前世の記憶が流れてきたショックで、多少曖昧になってはいるけれど、たしか俺はこの学院に入学するのをめちゃくちゃ楽しみにしていたはず!
同級生にかわい子ちゃんがいるとええなあ〜〜っ!!!!
「うち、男子校っすよ」
フンッ、どんな奴等がいるかわからねーが、すこしは楽しませてくれよナ……!?ビキッ
「切り替え早えーなー」
◆◇◆◇◆◇
入学式の会場は体育館というわけではなく、異世界らしく(?)学院の敷地内にある教会で行われるようだ。
「というわけで、現着ッ!やべーよワンちゃん、俺ら遅刻じゃねーの!?」
「どーせ誰もいませんて。せいぜい教会のお偉いさんと、学院長くらいのもんでしょ」
「バッカ、一生に一度の入学式ぞ!?思い出じゃん?記念じゃん?ハスにかまえてんなよハスによ。この一瞬を生きろよワン公!」
「俺ァ、ガッカリしてもしりませんよお」
白けた表情をしつつ、お先にどーぞというジェスチャーをするワン。
やーね、思春期の若者ってみんなこんなに冷めてるのかしら?
「まぁ、ええわ!いくで!たのもーーーうッ!!!オラァッ!!」
教会のドアをぶち破る俺。
普通に開けてよと引き気味のワン。
また馬鹿が増えたという疲れた目の先生方。
もはや悟りモードの教会関係者。
そして、新生活に目を輝かせるピカピカの同級生達…………は、えーと、、、5人くらいかな?
「ワンちゃん、この学院は荒れてるって嘘だべ?"真面目クン"みてーな奴らが姿勢正しく座ってるだけなんだが?そして人口密度少なすぎなんだが?過疎地の仲良し学級か何かだっぺか?」
「だから、誰もいねーって言ってるでしょ。サボりッスよ。サ、ボ、リ。ジジイのダリー話なんざ誰も聞きたくないっつーの」
オイオイオイ、入学式ほぼ全員バックレって荒れてるなんてレベルじゃねーぞ。
つーか教員は何を教えてんのよ!?無理矢理にでも出席させろや!?魔法騎士を育てられるような技量の先生方が、入学したてのクソガキくれー管理できねーのかヨ!?
ふざけんなよ、俺の青春の1ページ目にこんな寂しい景色を刻んでたまるか……!
「俺はキレたぜ!!オイ、先生様よ!なんか学院中に指示を伝えられるような魔道具的なヤーツあんだろ!出せ!!」
「えっ?あ、あぁ、それならこの水晶に向かって話してくれれば、全校生徒に放送ができるよ」
普通に存在する便利魔道具、普通にそれを貸してくれる先生。超助かる!ありがとね!
「アー、アー、マイテスッ。マイテスッ。聞こえるか?」
いつの間にか外に出ていたワンが、〈オッケーすよぉ!〉と叫ぶ声が聞こえる。なんて察しの良い奴。
「あー、入学生諸君。はじめまして。俺の名前はリュート・バルツァー、君達と同じ1年だ。単刀直入に言おう。俺が今日からテメーらの"アタマ"だクソボケがッ!!仕方ねーよなぁ?だって俺の方が強いんだもん。文句がある奴は今すぐ教会まで来てね。まぁ、ビビって誰も来ねーのはワカってるけどね、バ〜〜〜〜カ(笑)以上!!」
ふぅ。よしっ、良い仕事したっ♪これでみんな集まってくれるかしら?アタイとワン公だけの入学式じゃ寂しすぎるもんネ?
「な、な、な、なんてことを、良い仕事したっ♪じゃないッスよ。大変なことになりますよこりゃあ………!?」
焦るワンちゃん、即座に逃げ出す先生、教会の皆様。呆然とする真面目ボーイ達。
さあ次回、どうなってしまうのか────!?
男子校にしちゃったら萌キャラ出せねーじゃんよ……。
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少しでも「この作者バカだな」と笑っていただければありがたいです。
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