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騒動の代償

ルカ様の出番がなかなか来ない…


「ルカくん、ただいまぁ〜〜〜、だっりぃ〜〜〜」


「おかえりー。何だよやたら疲れてんじゃねーか?」



 4組征伐を終えて、ようやく寮に戻る。ナイフ野郎をぶっ倒した後、乱闘を続ける10組メンバーに完勝報告をして、廊下の争いを止めさせた。


 その後、リーナちゃんもいねーし、午後は帰って寝ちまおうとしたのだが、フツーにこんな騒動を先生方が見逃してくれるはずもなく……。



「いやぁ、俺らと他の組でかち合っちゃってさぁ。連合で4クラスくらい敵に回ったから疲れたよ。そいつらは潰したから良いんだけど、止めに来た先生達に捕まって、今までずっとキレられてた……」


「へえ。キレられただけで済んだのかよ?そんだけの人数の騒ぎを起こしたなら、反省室にぶち込まれて数日は帰ってこれなそうなもんだけどな」


「人数が多すぎて今すぐどうにかできないから、とりあえず今日は帰って良いって言われたんだけど……。もしかして俺ヤバイ?ま、まさか、退学!?っていうか反省室って何??」



 あぁー、そうだよなー。あれだけ好き勝手して何もお咎め無しはねーよなー。死ぬほどキレられたけど、それだけだもんなー。


 短ぇ学院生活だった……。辞めた後どうしよ。流浪の旅にでも出るか。幸いにしてポン刀(※のようなもの)もあることだし。不殺の誓いとか守ったりしてよー。



「いや、ウチの学院、自主退学以外で退学はねーから。国中の悪ガキ集めた学院だぜ?こっから野に放ったら、どうなるかわかりきってんだろ。ここは一種の隔離施設なの。反省室ってのはその隔離施設の中の隔離施設。ようは牢屋だよ。反省するまで何もない部屋に無限に放り込まれんの」


「退学も反省室も嫌だ……」


「ま、明日なりゃ沙汰も出るだろ。反省室送りになったら差し入れくらいは持っていってやるよ」


「いやあああああああああああ!!!!」



◆◇◆◇◆◇


 

 そして次の朝────。


 リーナちゃんが、魔物並の邪悪な表情を浮かべながら教室に現れた。



「テメーら、俺がいねえ間にズイブンお楽しみだったみてーじゃねーか?嬉しいぜ、担任としてこれほど教え子が毎日を盛り上げてくれるとよォ〜〜!!?」


「い、いや、リーナちゃ、いや、リーナ先生!ちげーんだって!これには深いワケがさあーーっ!?」


「ほぉー?ワケねえーっ?ワケ、ワケ、ワケ。ワケーーッ!??どーやったら日中の学院内で学年の半数近く巻き込んだ乱闘騒ぎになるんじゃボケええええええええ!!!!!」


「ヒ、ヒィィ!!ごめんなさああああああっっっ!!!」



 あ、あかん!反省室だとかに入れられる前に、この場で処刑されてしまう!な、何かこの化物の怒りを鎮める術はねえのか!?こーなりゃ、病み上がりのところ申し訳ねーが、ワン公を生贄にして────



「と、まぁ、俺にも立場があるんでな。一応キレてみたものの、今回の件、俺個人としてはむしろ良くやったと思っている」


「へ?そりゃどういう……?」


「回復封じ、ありゃとんでもねー代物だぞ。ガキが手に入れられるようなもんじゃねえ、グロスマンが生きてるのは、奴が殺すつもりで斬りつけていなかった、ただそれだけの理由だ。そんな凶器(ドーグ)持った相手に良くやった。正直、キレるより死人が出なくてホッとしてるほうが大きい。……それと、仲間の仇討ちみたいなノリ、俺は嫌いじゃないんでな」



 リーナちゃん!いや!リーナ先生様!なんという聖人。大海よりも広いビッグな心。この人が担任で俺らって最高にラッキー!


 おっっしゃあぁぁ!!お咎め無し確定だぜっ!!



「だ〜〜が〜〜、廊下で暴れたのは1ミリも庇えねーぞ。オメーら全員ペナルティだバカタレェ!!」


「「「「「えええ〜〜〜〜っ!!」」」」」



 なんでよ!?今許してくれる流れだったじゃん!!いいじゃんいいじゃん、美談じゃん!青春の輝きじゃん!!ペナルティとかやめよ?流行んないよそんなのさぁ!!



「心配すんな、閉じ込めて反省文書かせるとかツマランことはさせねーよ。お前らにピッタリの罰がある。お前ら今から明日まで───ゴミ掃除だッ!!!」


「「「「「えええ〜〜〜〜っ??」」」」」



 え?ゴミ掃除?そんなんでいいの……?今から明日までってのが引っかかるけども。


 まあ、それで済むならいいか!張り切ってやってやろーじゃん!?

つづく

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