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オージ君はプチ盟主

今回はオーストラリアが主人公です。

地味なようで実は結構スゴイ国なのです。

※オージ君はプチ盟主※


いつも賑やかな地球町小学校。

今日も今日とて、チューゴ君は手下のカンコ君を引き連れてアジア班の子達にガンを飛ばし肩で風切って乗り歩いてます。


番犬のフランカーを連れて、片手にはチューゴ君ご自慢の花火「東風」をひけらかし「朕こそアジアの盟主アル。皆朕に平伏すがヨロシ。」


アジア班のインドネシアちゃん、マレーシア君、カンボジア君は不安げな表情でチューゴ君に道を譲ります。

あの最強美少女ベトナちゃんですら悔しげに顔を歪ませて道を譲っています。


チューゴ君の脇では手下のカンコ君が「虎の威を借る狐」モードでそっくり返ってます。

「ホルホルホル。チューゴ家は地球町の中心ニダ!!そのチューゴ家に最も近いウリナラはその次に偉大なみんじょくニダ!!お前らみんなウリナラをソンケイしる!!」

その隣でアサヒちゃんもチューゴ君にゴマすり全開です。(^^;)

「ああ・・・地球町のヘイワは偉大なチューゴ家によってもたらされるのだわ!!我が日ノ本家はどこまでもチューゴ家についていきますわ♪」


・・・なんかアサヒちゃんが勝手な事言ってますけど・・・いいの?

ニホンちゃん・・・(^^;)

「・・・いつもの事だもん・・・(はぁ)」

そ・・・それもそうですけど・・・(^^;;;)


まぁ・・・とにかくアジア班の番町気取りで教室をのし歩くチューゴ君でしたが・・・

ふと・・・背後になにやら重苦しいプレッシャーを感じました。


「無礼者!!朕の背後に無断で立つとは・・・何奴?!」


そこにはオージー君が不敵な微笑みを浮かべて立っていました。


「チューゴ・・・教室に番犬を連れてくるのは良く無いダス・・・」


妙な威圧感を漂わせるオージー君に思わずひるむチューゴ君。

「む・・・むむ・・・」


オージー君は普段は牛の世話をしたり花壇の手入れをしてたりするジミ~な男の子なのですが・・・


今日は何やら雰囲気が違います。

ってゆ~か本来ナレーターの私が突っ込む所を先に突っ込むなんて、まるで主人公みたいじゃないですか!!


「ナレーターなら、教室に犬を連れ込んだ段階で即突っ込むべきダス。」


な・・・!!!

いつもはカナディアン君とニュージー君と並び「存在感薄い」「キャラ薄い」「目立たない」という脇役街道まっしぐらのくせに・・・ナレーターの私に突っ込みを容れるとは・・・!!!

マジ今日のオージー君は一味違います。


しかし、チューゴ君も負けてはいません。

「自称」アジア班の盟主のプライドをかけて言い放ちます。

「無礼アル!!オージー!!盟主たる朕に何たる口の聞き方か!!分を弁えるアル!!」


その時、アメリー君が出現!!

「今のはオージーが正しい。」

さらにフランソワーズちゃんもご降臨!!

「本当ですわ、教室に犬を連れ込むなんて非常識ですわ・・・オマケに花火までもこれ見よがしに見せびらかしちゃって・・・野蛮人は困りますわ。」

さらに・・・アメリー君に寄り添うようにニホンちゃんも一緒に非難の目をチューゴ君に向けます。


思わぬ展開に言葉を詰まらせるチューゴ君。

なんだか判らないけど・・・かなり旗色が悪くなってきたようです。(^^;)


「ああ・・・そういえば、オージー、新しい番犬の「ライトニングツー」の事だけど、ダディがオマエんちに5匹回すってさ。」

・・・とアメリー君がわざとらしくオージー君に言いました。


チューゴ君の血の気が滝のように引いていきます。

アメリー家とユーロ町各家が共同で育て上げた新犬種である「ライトニングツー」はとても利口で器用な犬で優秀な番犬だといわれています。

それがオージー家に5匹も渡される???

((((;゜Д゜)))ガクガクブルブル


さらにフランソワーズちゃんが追い討ちをかけるがごとく、わざとチューゴ君に聞こえるようにオージー君に耳打ち。


「オージーさん、貴方のお家にお売りするワゴン車の件ですけど、フラメンコ先生と交えて明日話を煮詰めたいと思うのですけど、ご都合は宜しいかしら?」


ワゴン車?!

地球町で家の力の象徴といわれる番犬を乗せられるワゴン車?!

チューゴ家が喉から手が出るほど欲しがっているワゴン車をオージー家が?!

ギャガ━━━━Σ(゜д゜lll)━━━━ン!!!!


チューゴ君にはただでさえ図体の大きいオージー君の体がさらに2倍以上(当社比)大きく見えました。

オージー君の不敵な笑みが威圧感をさらに10%(当社比)増量!!


固まっているチューゴ君にさらに追い討ちをかける様にニホンちゃんがオージー君と腕を回して囁きます。

「インドネシアちゃんやベトナちゃんと・・・その外アジア班の子達が一緒にお茶会しようって・・・勿論・・・主賓はオージー君よ♪」

「光栄ダス♪一緒にお茶するダス♪♪」

「俺もご一緒していいかな?」

「うん、アメリー君も一緒にお茶しよ♪」


そしてニホンちゃんと腕を組んだオージー君がアメリー君やアジア班の子供達(チューゴ君、カンコ君、アサヒちゃんを除く)を引き連れて教室から悠然と出て行きました。


そして・・・ポツンと取り残されたのはチューゴ君とその子分の2人だけ。

「チューゴニム・・・」

「チューゴ君・・・」

「うろたえるな!!我がチューゴ家はアジアの盟主アル!!オージーなど・・・お・・・恐れるに・・・」

不安げなカンコ君とアサヒちゃんに一応見栄を張るチューゴ君でしたが・・・

口上を最後まで言う事が出来ず、再び悪化した神経性胃炎によってその場にうずくまってしまいました。


「イ・・・イタタ・・・胃が・・・痛いアル・・・」


おしまい


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