〜異世界冒険記5 森騒動解決編〜 長引いていたこの話の幕を下ろす時がきたようです その3
(ーーいや別に知ってるんだけどね?)
思わずそんなツッコミを入れそうになった僕だったけれど、何か返事をしなければと思ってとりあえずは
「ーーふぅん」
と相槌をしながら返しておいた。そんな僕の返事に対して魔族のリーダーは
「他に質問はあるか?」
他に質問が無いのかと尋ねてきていた、何故か斧を振り構えながら。
(…あれ?確か魔族の斧は僕の足元に置いていた筈ーー)
チラッと下を見てみたがそこに斧は無かった。どうやら会話中に回収したらしい。と、そこで魔族のリーダーが今度は怒りながら
「おい、無いのか!」
と聞いていていた。僕は
「ーーーー(ふるふる)」
首を横に振り、これ以上質問が無い事を行動で伝えると
「そうか、では死ねぇい!」
そう言って目の前の魔族は僕に斧を振り下ろしてきていた。
(……さっきと同じパターンじゃん)
そう思って斧の柄を先程同様に手で掴もうと腕を伸ばし
「…またですか?」
と愚痴をこぼしたが
「ーーー(ニヤリ)」
「ーー!」
魔族のニヤリとした顔が目に入ったのとその振り下ろされている武器が止まったのが同時に目に入ってきた。僕はとっさに腕を引こうとしたが間に合わず、僕の手は虚空を掴んでしまっていた。
(っ!こいつ、狙いは僕じゃなくて後ろの女性か!)
どうやらこの魔族の狙いは僕ではなく僕が背中に担いでいる女性の様だった。
(ーーくそ!さっきの斧を掴もうと前に体重をかけたのは失敗だった!)
先程斧を掴むのに失敗した僕は体制を崩し、地面に倒れてしまっている。しかも最悪な事に、その時に受け身をとるのに失敗して腕を捻ってしまった。腕がじんわりと痛くなってきたのでどうやら捻挫してしまったらしく、これでは斧を掴む事が出来そうに無かった。
(くそっ!)
思わずそんな悪態を心の中でついてしまっていたがそんな僕の心情など露知らず、魔族のリーダーは先程振り下ろそうとしていた斧を肩に掲げつつ
「くっくっくっ!残念だったな」
そう言いながら目の前の魔族は横たわっている僕達めがけて
「じゃあ死ね!」
そう言って斧を再度振り下ろしていっていた。
普段の僕なら止められるだろうか今の僕は腕を捻挫している、しかもかなり強く捻ってしまったらしく腕を上げることすら出来なかった。なので僕にはただ黙ってその振り上げている様子を見ている事しか出来なかった。そして僕はこんな時だけど
(……くそ、こんな終わり方があっていいのかよ作者!)
心の中でそう作者に八つ当たりしながら振り下ろされていく斧を睨みつけていたのだった……
まぁ結構大変な事にはなっていますが、この物語は『ほのぼの系』なのでこの後の展開はお察しな感じになりますのでよろしくね(*´ω`*)