〜異世界冒険記〜ヒマワリを植えてみた
ある日の事、畑で働いている人達の麦わら帽子を見ながらまるでヒマワリの様だな。そう思ったワタルはある行動に出ることにした。
「守りを固めたからこの村の守りには心配はなくなったけど、今度は何を作ろうかな〜。」
僕はこの前作った結界を思い出しながら、そんな事を思っていた。
ちなみに、前回で学んだことは忘れておらず、あまり実在しないようなものは作らないようにしようと思っていた。
(また、凄いものを作っても良いんだけど、僕が倒れちゃったら周りに心配をまたかけちゃうしね…)
と少し反省しながら作るものを考えていた。
「そうだな〜、やっぱりこの時期ならではの物を作っていきたいしな。」
今はまだ夏の真っ最中だ、この時期といえばプールに行く人も日本では多かったけれど、流石にこの村にプールを作るのはまだやめておいた。
箱を使えば、小さいスペースを作ってその中に広いスペースを作ったりと物理法則を無視したものも作れるだろうが、
「多分それをしたら、また僕は倒れちゃうだろうから、また今度作ろう。」
といずれ作る予定をして今回は見送った。
「夏と言えば、野菜なんかが元気に育つってイメージだけど、この村にはもうたくさんの野菜が畑で育てられてるんだよなぁ。」
と畑を見ながら思った。
畑では今日も村の人達から麦わら帽子を被りながら元気に仕事をしていた。
ちなみに僕も日課の水汲みは既に済んでいて、今は家の縁側で少し休んでいた。
「麦わら帽子かぁ〜。
もう割と日本ではあまり見る機会は少なかったけど、この世界に来てからは夏になってから毎日見てる気がするな〜。」
と思っていた。
麦わら帽子を見ていて、僕はある事に気がついた。
(麦わら帽子って、何だかヒマワリに似てるよね〜。)
とそう思った。なので、
「そうだ!」
と思い、とりあえずみんなに相談しようと集まってもらった。
「ワタル、どうしたの?
急にみんなに集まって欲しいって言うから私が読んできたけど、また何か作るの?」
と、マリが。
ちなみにシャルは家の中で家事をしていたので縁側で呼ぶと声が聞こえるから大丈夫だったが、
トモコさんは畑で仕事をしていたのでマリに呼んできてもらった。
「いったい今度は何を作るのでしょう?」
とシャルが。
「あまり無茶をして作らないでおくれよ?この前無茶して倒れたばかりなんだから…」
とトモコさんは心配するように聞いてきた。
あまり信用がなくなってしまったけど、それは僕の事を心配してくれての事なので少し嬉しく思っていた。
そして僕は、
「これから、この縁側の側にヒマワリを植えようと思うんだ!」
と宣言した。
ちなみにマリは、
「ヒマワリ?ヒマワリってどんな花なの?私見たことないから分かんないや。」
と言った。
そういえば日本の家の近くでは見たことがなかったな。
僕がヒマワリを見たのはマリを飼う前で、家の庭にお母さんがヒマワリを植えていてその世話をお母さんがしているのを僕は涼しい部屋の中で見ていただけなのだ。
だから実際にヒマワリを見たことはあっても世話をしたことがないので、もしかしたらすぐに枯らしてしまいそうだった。
するとそこで、
「確かにこの時期といえば割とヒマワリは良いかもしれませんね
。私も聖女の仕事をする前は花を見るのが好きだったのですが、聖女の仕事が始まってからは花を見る機会も少なくなってしまい、最近は少し寂しく感じていました。
なので、私はヒマワリを育てることには賛成です!」
「そうだねぇ、最近はあまりこの村では花を植えなくなったからねぇ。
代わりに畑を増やしたから生計を立てやすくはなって村の生活は安定したけれど、少し寂しくなっちまったからねぇ。
この機会に植えるのも良いかもしれないね。」
とシャルは掃除機を持ちながら、トモコさんはマリの横に居て、少し昔を思い出しながら言っていた。
ちなみに、シャルが持っている掃除機に関しては僕が作った。
流石にこの広い家をほうきや雑巾だけで掃除をするのは身を持って体験した。なので掃除機を作ってみた。
ちなみに大きさは普通のどの家庭にもあるようなものだけど、重さは少し軽めに設定した。流石に何も感じないのは違和感が強すぎるのである程度シャルと相談しながら決めた。
それと、日本の掃除機とは違って電気やコードを必要としない設定にしてある。
この世界には電気はあまり発達しておらずほとんどこの村には通っていなかった。
(日本なら考えられないが…)
なので電気を使わない設定にしてみた。ちなみにコードの方も同じくコンセントを指すところがなく、コードがあっても邪魔だし必要ないだろうと思って無くした。
おかげでエネルギーを使わない、かつ高性能な掃除機が完成した。
ちなみに初めの1つは作るのが大変でまた倒れそうになってしまったのは内緒だ。
(シャルは知っているがトモコさんには内緒にするように釘をさした。)
そして、初めの1つを作ってしまえばこの世界に存在しているので未知の物とはならないので楽に作れた。
そのため村の全ての家にプレゼントした。
ちなみにトモコさんにはバレて、
「全くあんたは…」
と呆れられた。
「とりあえず僕が準備だけは終わらせておいたから後はそれをまくところをみんなに手伝ってもらおうと呼んだんだ。
ちなみに村のみんなにも少しずつ渡してあって、自分が植えたいところに好きに植えて欲しいと頼んであるんだ。」
とヒマワリの種を出しながら言った。ちなみに、
「このヒマワリの種、日本にもあったんだけど植えてから水をあげると1日で咲いちゃう種類なんだ。
だからゆっくりと成長を楽しむって事が出来ないからそこはごめんね。」
と説明しておいた。
まぁそんな物、日本には存在しないので僕のオリジナルなのだがまた心配をかけるのも嫌なので日本にある事にしておいた。
「へぇ〜、日本にそんな種あったんだ〜!」
「日本とは進んだ世界だったのですね。」
「ホントにねぇ。」
と三者三様の答えが返ってきた。
「ちなみに今は昼ぐらいだから、多分明日の昼ぐらいには咲いてると思うよ。」
と僕は言った。
なので、
「だから、後はみんな思い思いの場所に植えてきてね!それじゃあよろしく!」
と4人分かれて植えに行った。
(今回は短めにする予定なのでここはカットします。要望があれば明日書きます!)
そうして、植えて1日経った。
僕達は少しワクワクしながら昼を待っていた。
すると、
「見て見てワタル!庭に植えたヒマワリの種が!」
と庭を見るようにマリが言った。
「おお〜、これは凄いや!」
と僕も驚いていた。
そこには日本にあったような立派なヒマワリが咲いていた。ちなみに大きさは普通サイズだ。
(流石に大きくても良いことがあまり思い浮かばなかったので変えなかった。)
「村全体もご覧ください!」
と普段はあまり大きな声を出さないシャルも少し興奮しているのか大声でそう言った。
「これは、凄いわねぇ〜。」
とトモコさんも驚いていた。
僕も見てみた。
「これは予想以上だな…」
と少し感動してしまった。
見てみると、そこはまるでヒマワリ畑の様になっていてたくさんのヒマワリが咲いていた。
「うわ〜凄いキレイ〜!」
とマリははしゃぎながら村を走っていた。
「私も村のみんなと少し話してくるかねぇ。」
とトモコさんが村のみんなと話すように家を離れていった。
「こんなに素晴らしいものをありがとうございます!ワタルさん。」
とシャルは思わず泣きそうになっていた。
そこまで感動してくれるとは思っていなかった僕は、
「そんなにお礼を言われる様な事はしてないよ。このヒマワリを植えようってのもただの思いつきだし…」
とシャルに伝えた。
しかしシャルは、
「いいえ、本当に感謝しかありません。
昨日も言ったと思いますが、私は花を見ることが好きでしてここ最近はゆっくりと見る機会もなかったのでこうしてゆっくりと見る機会を与えてくださった事にはもう感謝しかありません。
本当にありがとうございます。」
と再びお礼を言われてしまった。
少し恥ずかしくなってきたので、
「僕達も村のヒマワリを観に行こうよ。」
とシャルに向かって手をひらを向け、
「ええ!是非。」
とその手をシャルは握って2人で村を歩いて行った。
つづく
今回は昨日ちょうど名古屋に行く用事があってそこで見たヒマワリを見て、これはイケると思って書いてみました。ちなみに前半にプールの話題を少し書きましたが最近はプールに行く気がなくなってきました。昔はあんなに楽しかったのに…
とまあ暗くなるのはやめにして次もお楽しみに〜!