異世界へ
ガヤガヤとクラスメイトが話す声が聞こえてくる。
俺、林康太はその中でたった一人で飯を食う。何故ならばボッチだからだ。
俺はよく親の仕事の関係上転校を繰り返していた。
約1年に一回のペースで転校してるので小学校2年生のころからだったからか作るのをやめた。
まぁ作り方がわからなかったというのもあるのだけど。
友達なんかいたことがなくずっと目立って来なかったせいか最近は誰にも声をかけられないようになった。
俺の名前を担任の先生まで忘れてしまうほどだ。それほどまで俺のボッチスキルは上がっていた。
たぶん俺の名前を知っている人は誰もいないのだろう。
そんな俺が今やってること
ただのラノベをひたすら読むだけだ。
その中で転移も俺は異世界転移の小説を良く読む。それは好きとか憧れからとかじゃない。
実際俺は勇者とかにはなりたくない。
世界を救うとか魔王と戦うとか拉致しといて何様だと思っている。
なるとすれば冒険者か、盗賊だ。
何故ならば自由だからだ。
自分がやりたいことを好き勝手にやって死ぬ。最高じゃないか。
昼飯を食べ、弁当をしまう。
そしてまたおきにいりのラノベを読もうとしたところ
「おい。なんだこれ?」
クラスメイトの声が聞こえる。どうせつまらないことだろうと思っていると。
黄色の線が教室の隅から出てきているのを見つけた。
俺が下を見ると幾何学的な魔法陣のような模様に変わる。
「……はぁ?」
俺が軽く混乱しているとその魔法陣は発光し始める。
不気味に思ったのかドアを開けようとするクラスメイトがいるがどうやらドアが開かないらしく外に出られないらしい。
あ、これつんだ
俺はどこか他人事のように光に吸い込まれて行く。
それがこの世界で過ごす最後のことだと知らずに。